映画「たまねこ、たまびと」
棄てたのは人間、守るのも人間
現在はペットブーム。
SNSを通じて、可愛いペットの写真や動画を見る機会も増えている。
しかし、その裏では厳しい現実がある。
それを語るのが村上浩康監督の「たまねこ、たまびと」である。
多摩川に棄てられた猫たちがその人生を全う出来ることは皆無である。
ほとんどが人知れず旅立っているのである。
川に捨てれば、誰かが気付いて拾ってくれるだろうと甘い考えで捨てるのだろうか。
我が家のロク(12歳)も多摩川に棄てられた猫である。そして、この映画に登場する小西修さん・美智子さん夫妻にお世話になり、7か月間、過酷な多摩川で過ごし、縁あって、我が家の家族になった。
あれから10年…。
小西さん夫妻とは会う機会は少ないながらも、交流を続けている。
そして、昨年11月にこの映画のことを教えていただき、鑑賞した。
正直、言葉で表現するのは難しい。
とても重い内容である。心にズシリと重い石が入り込んだ気持ちである。
全てが現実なのである。
SNSで騒がれている猫や犬を可愛いと見ている人たちは、この映画の現実に目を背けたくなるかもしれない。
可愛いだけで生きている家猫、家犬は幸せだと思う。
残酷な人間もいれば、小西夫妻、またこの映画に出るボランティアの方々、そしておぃちゃんたちである。
おぃちゃん…自分たちも辛い思いをしている中で、猫たちに向ける視線は優しく暖かい。そのおぃちゃんたちを信頼する猫たちのまなざしや態度。
生きていくことの過酷さを思い知らされる。
この映画こそ見るべき映画だ。そう思わずにはいられない。
HPは下記アドレス。
https://tamaneko-tamabito.com/