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キャリアって右肩上がりじゃないとダメなの?ー母親業と仕事ー

前回のキャパ狭話とも関連するが、育児を始めて約1年、フルタイムリモートワークで働いているものの、キャリアについては少し階段を降りた状態だ。

今までの実績もあり給料は下がらずに済んでいるけれど、担当している領域の性質も相まって、多分仕事内容は数年過去に戻ったような感じ。
会社から強制的にそうされたわけではく、私、自ら「マミトラ」に乗った。

知っている人も多いと思うが、マミトラとはマミートラックの略で、ワーキングマザーの方々が一斉に同じトラックに乗って、キャリアアップとは外れた道に連れて行かれる様を言う。

女性のキャリアや管理職へのモチベーションの低さはよく批判される。しかし、40年以上に及ぶ長い労働者人生の中で、キャリアの踊り場を作りプライベートを優先させることはちっとも悪いことではない。

右肩上がりのキャリアという考えこそ、男性的働き方から生まれたものではないか。
男性も、これから子育てや介護でキャリアを止めなくてはいけない時が自分にも来ることを真剣に考えてほしい。

必要なのは、キャリアアップする余裕ができた時にその道に戻るルートを用意しておくこと、周りが尊重してあげることだ。

数年前に少しだけ管理職をしていたことがある。

その時の部下の1人は、子持ちというわけではなかったがキャリアアップには全く興味のない人だった。
有休は100%消化して海外旅行(なんなら有休オーバーして欠勤扱いでも旅行する)、今より難易度の高い仕事はやるつもりはない、
残業は余程必要でない限りしない。

彼女の上司だった私は、そのきっぱりした態度に当初面食らってしまった。会社員だったら、思っていなくてもとりあえず上辺だけでも成長意欲を見せるものでしょう、と。

しかし彼女の日常業務は完璧だった。担当業務はしっかりこなすし、仕事に対する問題意識なども素晴らしいものを持っていた。20年近い社会人生活の中で、大きく刺激を受けた人の1人だ。

各人のモチベーションや成長を後押しするのは大事だが、それに頼った組織は脆いとも感じる。キャリアに対する多様な考え方を認めて、それでも回る組織というのがこれから必要になっていくのだろう。


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