自己都合で会社を辞めて思うこと
とても久々の投稿をしようとしている。
もともとはキナリ杯をきっかけに、好きな作品の感想を上げようと思って開設したアカウントだった。
しかし去年、ラスアス2の感想を上げてから手が止まっていた。
たくさんの作品を遊んでいたが、なんだか何を書いてもしっくりとこなかった。
こんなまとまらない感想を上げてどうするんだよ……と勝手に敷居を高くしてしまっていたのだと思う。
その根拠のない自信のなさと、コロナ禍における日常の変化は切っても切り離せないものだった。
2020年の12月、10年ほど勤めた会社を辞めた。
退職理由は一身上の都合により、つまるところ完全な自己都合だった。
コロナ禍では転職せずじっとしていた方がいい、というのが情報収集の中で得た結論だったが、あのまま会社にいることは自分にとって全然よろしくなかった。
元々バックオフィス側の業務をしており、人の出入りもあまりない。
それほど仲の良い集まりではなかったが、ここ数年ではそれに輪をかけて、お互いが息をひそめて仕事をしているような、なんとも居心地の悪い空間になっていた。
その原因は今でもよくわからないけれど、仕事をしながら、ここは深海みたいだなと思っていた。
静かで、お互いに干渉しないようにしている。お互いに腫れ物があるような感じだった。
じゃあ昔は良かったか、というと、実は昔の方が大変だった。
入社したての頃は仕事を覚えたり、慣れない残業に体がいつもひいひい言っていた。私は全然体力がない。
仕事量は単純に昔の方が多かったし、当時の上司は当時の私にとってすごく無茶を言ってくる人だったし、振り返るとひいひい言っていた記憶しかない。
でも、たまに楽しかった。無茶ぶりに不格好に応えたものに、喜んでもらえるときもあった。
最近の仕事はおおむね楽だった。定時で余裕で帰れる、残業しなくてもスケジュールには間に合わせられる、数年同じ部署を担当しているから、仕事がわからなくて困ることもそんなにない。
だけど、会社であったちょっとした嫌なことが、いつまでも残ってしまうようになった。
それが積もり積もって、ある日、辞めたいと上司に話していた。
振り返ると、私は切り替え下手だ。会社のストレスを趣味で発散できている人はたくさんいるし、定時で帰れて有給も使い放題の私ならばそれも十分、可能だったのかもしれない。
でも、それが性に合わないから辞めたのだろう。あのひいひい言いながら仕事してきた時が、私があの会社で働く基準になっていた。
働くことは、なんだかんだ言って一日の大部分を占める。
ということは、けっこう人生の大部分を占める。
定時で上がれるから、有給使えるから、ボーナスも出るから、と条件で見ていけば、私がいた会社は決して悪いところではなかった。
だから、辞めるという発想そのものが悪いことのように感じられた。
もっときつい仕事を、もっときつい条件で働いている人もいるのに、私の悩みは贅沢すぎるのでは?
でも、人生の大部分をここで過ごしたいとは思わない。辞める理由は、それで十分だった。
そんなこんなで退職した。次の会社は決まっていない。我ながら30代半ば一人暮らしの自由度だから成せた所業だと思う。
辞めて2カ月ぐらいは、なんだかんだ言って疲れ切っていた。思っていたよりも、自分はずっと傷ついて疲れていたのだなと、そこでようやく気がついた。
その間、アプリ版のオクトパストラベラーを始めたり、戦国無双4を遊んだり、シムズ4のPS4版を姉にも勧めたり、近所のサイゼリヤでひとり食べ放題を実施したり、と自由に振舞ってきた。
ノリで数時間歩き、数日間靴ズレに苦しんだりもした。
この、特に誰に口を出されることもない、見る人が見れば孤独すぎる生活は、私の心身を素直に再生させていってくれたような気がする。
今、元気だ。22時に寝て、6時に目覚めるも布団の中でダラダラして7時に起きている。
起き抜けはまず部屋を軽く掃除して、近くの神社に参拝してから朝食をとる。
*この規則正しい生活に行き着くまで、2カ月ぐらいは睡眠がしっちゃかめっちゃかだった。2時に寝て11時に起きるとか。
傷ついたとき、回復の道のりはまっすぐではない。
調子が良かったり、悪かったり、そういう波を繰り返しながら、ちょっとずつ塞がっていく。
睡眠時間をきちんと整えると、悪い波の幅は少し小さくなるような気がする。
あのまま会社にいたらどうなっていただろう、とまだ考える。
たぶん、性格がものすごく悪くなっていた気がする。
私はいたくないんだけど、いてあげてる、みたいな態度になった気がする。いや、あなたが選んだ会社なんだから、嫌なら辞めていいんじゃないですか。と、どこからか別サイドの私が言っている。
ですよね、と私の意見は一致し、会社を辞める。そこで考えは終わり。
辞める前にもっと何かできたんじゃないか?ということもたまに考える。
環境に働きかけるとか、もっと上司と密にやっていくとか。
しかし、もうあれこれやったよな、という結論も出ている。
コミュニケーションは双方向で行われるもので、一方だけが手を伸ばしても成立しない。
だからさ、いいんだよ。自分の責任みたいに思わなくてもさ、と私は肩に手を回して叩く。もう辞めちゃったしな!
今、また少しずつ新しいことをやっていこうという元気がわいてきている。
この元気に会えただけでも、辞めてよかったなと思う。
貯金は減る、仕事はまだ決まっていない。
でも、辞める前より、私はずっと元気になってきた。
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