八年前、ひめゆりの塔にて


小学生の頃、沖縄に行って、ひめゆりの塔を尋ねた。

記念館か何かか、当時の物品や彼女らの書いた作文などが展示されていた。

家族らが通り過ぎて行く中、ずらりと先が見えないほど並んだそれを、私はただ、黙々と読み続けていた。

そこで何があったのか、どんなに恐ろしかったか、彼女らの心境なんかも想像出来るほど大人ではなく、その恐ろしさを理解していなかったからこそ、出来た行動だったかもしれない。

正直、漢字なんかもしっかりと読めていなかった気がするし、内容も、もうかなりの時が経ってしまっているからか、少しも思い出せない。

けれど、当時の私は、ただただ、彼女らが書いたものをどんな心境だったか、つらつらと書き連ねたものを読んでいた。

お土産にはひめゆりの塔について描かれた漫画を買ってもらった。
最近は読み返せていないが、表現がとてもリアルで生々しく、それは本当に壮絶なもので、自分の中で噛み砕くために何度も何度も読み返した。だからこそ今はその恐ろしさを多少は理解していると言えよう。

あそこに展示されていた彼女らの軌跡を、今の私が読んだら、どう思うのだろうか。

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