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住民税の仕組みを図解でわかりやすく説明|医師が注意すべきポイント
この記事は最低限知っておきたい住民税の仕組みの記事です。
📙この記事がオススメの方
住民税の仕組みについて知りたい方
住民税の注意するポイントを知りたい方
勤務医が住民税で注意するポイント
勤務医をはじめとした会社員が払う税金は所得税と住民税がありますが今回は住民税のお話です。
所得税は年末調整や確定申告で私たちに馴染みがあるかもしれませんが、住民税って知らないことたくさんありませんか?
なぜなら、住民税は基本的に給料から天引きされており、還付ではなく控除という形をとるので意識しないとあまり馴染みがないです。
そこで住民税に関して最低限知っておくと良いかも?!という視点で、
・住民税の仕組み
・住民税決定通知書の見方
・支払い方法など
の3点について図を豊富にそしてザックリポイントを絞って解説します!
また、転勤の多い勤務医の気を付ける点についても併せて解説していきますね。
所得税に関する記事はこちら↓
勤務医の住民税はいくら?
仕組みを説明する前に余談ですが、実際にいくら納めているかご存知でしょうか?
勤務医の平均年収1,200万円でシミュレーションしていきたいと思います。
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控除や扶養家族などによって前後しますが、年間約82万円だそうです!
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給料から天引きなので月々の給与から約6.9万円天引きされているということです。
「恐るべし給料天引き!普段生活してると気づかないですよね」
では、この金額がどうやって生み出されるのか図を用いて、できるだけわかりやすく解説してきます。
住民税の仕組みを理解しよう STEP1
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上の図は住民税が決まるまでの流れを図にしたものです。
このように「年収」を元に色々な計算をして「住民税」が最終的に決まっていきます。
ちなみに「年収」は給料日に自分がもらう手取りではなく給料から天引きされている社会保険料や税金などすべて含めた金額のことです。
よくアンケートなどにある年収を書く欄はこれを書くのが一般的です。
住民税の仕組みを理解しよう STEP2
次に少しだけ用語を交えて説明していきます。
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途中までは所得税と同じ計算方法です。
ここで覚えておいた方が良い知識として住民税は「課税標準額」に税率10%を掛けて決めていくということです。
所得税は年収が高ければより高い税率で計算する仕組み(累進課税と言います)ですが、住民税は一律で10%です。内訳は県民税40%で市民税60%です。
「ちなみに厳密に言えば、10%+αです!」
👤「+αって何よ?」
もっと嚙み砕いていくと、住民税(市民税+県民税)は「所得割」と「均等割」というものから成り立っています。
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「所得割」は先ほど説明した所得に応じてに税率10%を掛けた金額です。
一方、「均等割」は所得が多いか少ないかにかかわらず負担する均等の税額のことで、約5,000円です。
※自治体によって多少誤差あります。
さらに、この「均等割」の他に調整控除といって、計算によって少し住民税を調節するものがあり、割愛してザックリ+αにしました。
☝いちいち用語や金額など覚えていられないので、住民税は所得(課税標準額)の約10%と覚えておくのが良いです。
住民税は前年の収入を基準に「後払い」システムです
次は住民税は何を基準に計算し、いつ払うのかのお話です。
答えは、前年の収入を基準に計算され翌年の6月から一年間で徴収されます。
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図にするとこんな感じです。このように住民税は「後払い」システムで6月~5月を1区間としています。
「なんともややこしい…」
徴収方法はこの2種類
普通徴収と特別徴収
住民税の納め方は普通徴収と特別徴収の2パターンです。
・普通徴収:自分で支払う方法(年4回分割)
・特別徴収:毎月の給料から天引
会社員扱い方の多くの勤務医は給料から天引きだと思います。
「給与明細の「住民税」をチェックすると毎月天引きされていることがわかります。」
転勤の多い勤務医の注意点
転勤が多い勤務医として注意することとして、支払い方法が自分で納税する「普通徴収」になる可能性があることです。
医局の人事異動なので退職→すぐに就職という形ですが、1度だけ給料天引きではなく、「自分で払ってくださいよ~」という通知(納税通知書)が届いて驚いた経験があります。
「今まで天引きされていたので気にも留めていなったのですが、自分で払うとなると受け止め方が違います…」
しかし、今回よくよく調べてみると、
間を空けずに転職するような場合には、新しい勤務先で引き続き特別徴収(給料から天引き)を選択することができるそうです!
「届出書は両方の会社を通して提出するので、異動前に確認するのが良いかもしれません。」
住民税を知りたければ「住民税決定通知書」を見よ!
「住民税決定通知書」は住民税を計算した結果が書かれており、いわば住民税に関する通信簿のようなものです。
・住民税が決まるまでの計算の過程
・具体的な納税金額
が分かります。
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☝よく5月か6月頃に配られる細長いピラピラした紙です。
図で住民税決定通知書を解説
住民税の仕組みで解説した図と住民税決定通知書を照らし合わせると以下のような感じになります。
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ここで見るべきポイントはC「所得控除」の欄です。
なぜなら、所得税と同じく、節税に関わる欄なので漏れがないかしっかり確認する必要があります。
住民税の納税金額はここをチェック
一番気になることとして
「結局、住民税はいくらなの?」
「自分は毎月いくら天引きされるの?」
という事だと思います。
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住民税の合計金額は所得割額⑥+⑦均等割額を合計した金額です。
先ほどの図、住民税E(④税額控除前所得割額)は10%の所得割のみなので、所得割額⑥+⑦均等割額は+α分を合わせた本当の金額です。
そして、住民税の合計金額を12ヵ月で分割した金額が会社から給料から天引きされる金額で納付額の項目でチェックできます。
ちなみに、⑤税額控除額は、
調整控除
配当控除
住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
寄付金税額控除
外国税額控除
などの控除の合計額が記載されています。
なんだか色々な用語が出てきたのでザックリまとめると以下です。
📙「住民税決定通知書」の確認事項
➀C「所得控除」や⑤税額控除額で控除(節税)されているかチェック
②住民税は所得割額⑥+⑦均等割額の合計金額
③月々の天引きされる金額は納付額の項目でチェック
まとめ
以上が最低限知っておきたい住民税の仕組みと注意点です。
住民税は一律で所得(課税標準額)の約10%程度である
前年の収入を元に計算され、翌年6月から支払う後払い制度
自分の住民税をチェックするには住民税決定通知書を確認すべし
転勤が多い勤務医の場合、納税方法に注意が必要