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府中さんぽ 府中市郷土の森公園:1
恒例の府中市美術館「春の江戸絵画まつり」のため、府中駅のホームに舞い降りた。
美術館の前に、逆方向のバスに乗って終点の「郷土の森公園」へ。古い建物が移築され、ちょっとした明治村になっていると聞いていたのである。
「郷土の森入口」と称するバス停で降りるも、そこは公園の最寄りではなかった。「~入口」と称するバス停は、たいてい「~」からは遠いのだ。
看板を見ると、園内への入場は反対側、つまりバスの終点に限定されているらしい。しょうがないので、広大な公園をぐるりと遠回りして公園を目指すことにした。
柵越しに、花をつけた一群の桃の木が見えた。抜けるような青空に薄紅色が映える。どこかの展示室で観た牛島憲之の絵そっくりな、うららかな春の景だった。府中市美術館には牛島憲之記念館が併設されている。牛島さんの絵、早く観たいなあ。
柵沿いに進むと、突き当たりに川が現れた。どうせならと思い、柵のそばを離れて堤防の道を闊歩。向かい側から続々駆けてくる市民ランナーをかわしながら、川の流れに逆らうように歩いていった。
河原には、大きな柳の木が2本。風に揺られてさわさわと音を立てる梢、その木陰に休む人の姿を認めるにつけ、まるで蕪村の描く情景ではとテンション爆上がりのわたし。
バス停の降り間違いがなければ、この景色にも出合えなかった。急ぐわけでもなし。こういうのも悪くはない。(つづく)