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古寺巡礼

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古社寺への巡礼記録、古社寺・宗教美術にまつわる展示の鑑賞記録
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#奈良

秋夜の奈良旅2024 唐招提寺

 11月3日「文化の日」の夜、唐招提寺の夜間拝観に行ってきた。自宅から、はるばる自転車を飛…

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信貴山縁起絵巻 特別公開「延喜加持の巻」:2 /朝護孫子寺

(承前)  国宝《信貴山縁起絵巻》(平安時代)は3巻からなり、朝護孫子寺の霊宝館では常時…

信貴山縁起絵巻 特別公開「延喜加持の巻」:1 /朝護孫子寺

 米倉や米俵が空を飛ぶ場面でよく知られ、日本の絵巻物の最高峰のひとつとされる国宝《信貴山…

法隆寺を彩る動物たち /法隆寺大宝蔵殿

 11月2日は、5年ぶりに法隆寺へ。  この日を選んだ理由は、3つある。  ひとつは、上御堂(…

大和郡山・城下町さんぽ:2 聖と俗の街歩き

(承前)  近鉄線の西側は西ノ京丘陵、その上に郡山城があり、東側は平地の城下町になってい…

木津川の古寺巡礼:5 旧燈明寺・現光寺

(承前)  浄瑠璃寺の門前から再びバスに乗り、山中を抜けて、木津川沿いの盆地まで下りてき…

木津川の古寺巡礼:3 浄瑠璃寺・上

(承前)  岩船寺のご本尊は丈六の《阿弥陀如来坐像》(平安時代  重文)であり、周辺の石仏には阿弥陀さんが多い。  当尾(とうの)の里には、浄土信仰の長い歴史がある。その中心こそが、浄瑠璃寺であった。  堀辰雄の随筆「浄瑠璃寺の春」によって、浄瑠璃寺を知る人は多い。馬酔木(あしび)咲く古寺を、夫妻が訪ねる……ただそれだけといえば、それだけ。わたしも高校の現代文の授業で触れ、あこがれを強くしたものだ。  堀は文章のなかで、2度も「平和」という語を使っている。昭和18年(1

木津川の古寺巡礼:1 岩船寺

 京都府の最南部=「南山城(みなみやましろ)」には、魅力的な古刹・古仏が多く、大和国とは…

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南明寺の御開帳と、コスモスまつり 奈良・柳生

 大和路には、コスモスの名所といわれる場所がいくつかある。  奈良阪の般若寺、斑鳩の法起…

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「コスモス寺」般若寺

  「コスモス寺」として有名な般若寺に行ってきた。コスモスの季節にうかがうのは初めて。 …

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平城宮跡から、足を延ばして くるみの木~不退寺~古墳群

 平城宮跡を自転車で流したあと、日没までなお時間があったため、もう少し寄り道をしていくこ…

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石上神宮の禁足地へ 奈良・天理

 けっして立ち入るべからず……そのように言い伝えられてきた土地を「禁足地(きんそくち)」…

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禅宗の美:2 /大和文華館

(承前)  中国の伝説上の仙人たちは、禅者の理想像として、さかんに絵画化された。  雪村…

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禅宗の美:1 /大和文華館

 日本の古美術を主に収蔵する、奈良市の大和文華館。近畿日本鉄道(近鉄)による美術館で、その名に反して(?)中国や朝鮮半島の美術にも強く、学術的に意義の高い展示を連発している。  関東など他地方からの熱心な遠征組は、春秋の展覧会シーズンを狙って上洛、京博などをひとしきり周ったあと、近鉄で奈良へ来て奈良博と大和文華だけチェックしてトンボ返り……といった弾丸プランを、しばしば敢行している。  結局わたしは奈良に居着いてしまい、今回は初めて自転車で大和文華にやってきたわけだが、展示室