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古寺巡礼

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古社寺への巡礼記録、古社寺・宗教美術にまつわる展示の鑑賞記録
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#博物館

20世紀美術の巨匠たち ウォーホル、ロスコ、リキテンスタイン /中之島香雪美術館

 神戸の御影にある香雪美術館が、大阪の中之島に分館を設立したのは2018年3月のこと。その後…

大和の美 /奈良県立美術館

 大和国ないし奈良県に、なんらかの形でゆかりのある絵画作品を集め、おおむね時代順に紹介し…

文明の十字路・バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ガンダーラから日本へ /三井記念…

 中華料理を出すファミレスの名として、日本ではもっぱらおなじみのバーミヤン……と書き出そ…

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物、ものを呼ぶ ―伴大納言絵巻から若冲へ:1 /出光美術館

 長期休館前の一大シリーズ企画「出光美術館の軌跡 ここから、さきへ」の第4弾、トリを飾る…

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禅宗の美:2 /大和文華館

(承前)  中国の伝説上の仙人たちは、禅者の理想像として、さかんに絵画化された。  雪村…

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禅宗の美:1 /大和文華館

 日本の古美術を主に収蔵する、奈良市の大和文華館。近畿日本鉄道(近鉄)による美術館で、そ…

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ひらり、薬師寺:1

 唐招提寺とともに、西ノ京地区を代表する古刹・薬師寺。西ノ京駅すぐの薬師寺から、北側に少し離れた唐招提寺へ、ふたつ併せて巡る参拝者が多い。  前回は、唐招提寺まで歩いて行った話であった。今回はまた別の日に、薬師寺までひらり、自転車を飛ばして行った話をしたい。  この日は自転車にまたがって……郵便局にやってきた。  毎度、生活感だだもれで恐縮だが、ひととおりの手続きを終えて、なお日没まで時間がある、しかもそこが西ノ京となれば、「一杯」ならぬ「一拝」としゃれこみたくなるのが人情

ぶらり、唐招提寺:3

(承前)  礼堂が途切れた突き当たりにあるのが、開山堂。鑑真和上を祀るお堂で、国宝の《鑑…

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ぶらり、唐招提寺:2

(承前)  天平宝字3年(759)、孝謙天皇からこの地を賜った鑑真和上が、唐招提寺を創建。金…

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神護寺 空海と真言密教のはじまり:3 /東京国立博物館

(承前)  全体の3分の2ほどを過ぎた段階で、じつは、仏像はまだあまり登場していなかった。…

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神護寺 空海と真言密教のはじまり:2 /東京国立博物館

(承前)  東博の「神護寺」展・後半分の展示は、平安貴族の信仰と美意識を反映した、きらび…

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神護寺 空海と真言密教のはじまり:1/東京国立博物館

 真言宗の古刹・神護寺の創建1200年を記念する展覧会である。  京都の市街地から北へ離れた…

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空想の宙「静寂を叩く」  大乗寺十三室 | 十文字美信 /資生堂ギャラリー

 日本海に面する、兵庫県香美町。ここには、円山応挙とその一門が描いた障壁画をまるごと今に…

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美麗なるほとけ 館蔵仏教絵画名品展 /根津美術館

 根津美術館が所蔵する仏教絵画の名品・珍品を集めた、魅惑の展覧会である。  冒頭に掲げられた文言には、こうある。  この強い自負を、何人も否定することは叶わない。唯一対抗できそうなのは、大阪の藤田美術館くらいだろうか。  それほどまでに充実したコレクションの核心部分に、いまなら触れることができるのだ。  日本の仏画の最高峰といわれるのは、院政期の作例。古めかしい言い方をすれば「藤原仏画」である。  院政期の仏画に対しては、本展のタイトルにも使われる「美麗」という形容がしば