マガジンのカバー画像

古寺巡礼

208
古社寺への巡礼記録、古社寺・宗教美術にまつわる展示の鑑賞記録
運営しているクリエイター

#旅

讃岐の誘惑:1

 印象派の画家ジャン=バティスト・アルマン・ギヨマンの経歴が面白い。 夜間労働者として昼…

世羅(セラ)へ… :2

(承前)  参道を抜けると背の高い樹木が増えて、日差しが梢に阻まれる。小さな池もあって、…

世羅(セラ)へ… :1

 アンガールズの田中卓志さんが書いた上京時のエピソードがおもしろい。  田中さんの文章に…

あれもこれも:2

(承前) ――11時過ぎ、横浜そごうでそごう美術館「近代日本洋画の名作選」。黒田清輝から鴨…

大和の風:1 国宝 聖林寺十一面観音 /東京国立博物館

 上野に、聖林寺の十一面観音さんがやってきた。  このお像は、教科書によく載っている大仏…

大和の風:2 国宝 聖林寺十一面観音 /東京国立博物館

(承前)  その後、桜井の地には何度も足を運んでいるが、聖林寺までは行かずじまいであった…

大和の風:3 国宝 聖林寺十一面観音 /東京国立博物館

(承前)  美術館に通いつづけていると、かつて相まみえた作品との、ふたたびみたびの邂逅を果たす機会に恵まれることがある。  前に立つだけで時間が逆戻りし、過去の自分に立ち返る。馴れ初めはいつの季節、どこの館、どの展覧会で、どんな展示室だったか。そのとき自分は何歳でなにをしていたのか、隣には誰がいたかといった些事までが勝手に湧いて、霧のようにわたしをつつみこむのだ。  昔なじみとは、「もの」であれ「人」であれ、そういった作用をもたらす存在ではないだろうか。  殊に「もの」にか