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古寺巡礼

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古社寺への巡礼記録、古社寺・宗教美術にまつわる展示の鑑賞記録
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#仏像

唐招提寺の「お身ぬぐい」

 忘年会が連日続き、昨日までは「春日若宮おん祭」があるなどして、更新が滞りがちになってし…

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法隆寺を彩る動物たち /法隆寺大宝蔵殿

 11月2日は、5年ぶりに法隆寺へ。  この日を選んだ理由は、3つある。  ひとつは、上御堂(…

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木津川の古寺巡礼:5 旧燈明寺・現光寺

(承前)  浄瑠璃寺の門前から再びバスに乗り、山中を抜けて、木津川沿いの盆地まで下りてき…

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ひらり、薬師寺:2

(承前)  東西の両塔が対峙するその中間に、大相撲の立行司のように、どっしり構えるお堂が…

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神護寺 空海と真言密教のはじまり:3 /東京国立博物館

(承前)  全体の3分の2ほどを過ぎた段階で、じつは、仏像はまだあまり登場していなかった。…

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建立900年 特別展「中尊寺金色堂」:2 /東京国立博物館

(承前)  金色堂の内部に3つある須弥壇のうち、中央に安置される11体の仏像が、上野にやっ…

逗子の山寺・神武寺の御開帳 :2

(承前)  神武寺の諸堂は、岩場の起伏を利用してあちこちに散らばっている。山岳寺院というより、城塞のよう。  それもそのはず、神武寺の境内は中世の山城跡でもあるのだ。鎌倉の北条氏によって、南東の守りを固め、三浦氏への睨みをきかせる砦がここに築かれた。  戦国期、神武寺は後北条氏からの庇護を受けた。有事の軍事利用を踏まえてのことだろう。秀吉の小田原攻めで後北条氏が滅ぼされると、神武寺も焼かれてしまった。  現存の堂宇は、ほぼ近世以降のものだ。  薬師堂での法要は、すでに始ま

逗子の山寺・神武寺の御開帳 :1

 三浦半島の付け根に位置する山寺・神武寺(じんむじ)へ。お目当ては、御本尊の《薬師如来像…

太郎坊宮から瓦屋寺へ 秋の近江路を往く:3

(承前)  瓦屋寺では、ふしぎなご縁を感じさせる出来事があった。  御本尊が納まる須弥壇…

太郎坊宮から瓦屋寺へ 秋の近江路を往く:2

(承前)  赤神山の太郎坊宮から、お隣・箕作山の瓦屋寺へと向かう道の途中、分岐点に差し掛…

いちはらのお薬師様 -流行り病と民衆の祈り-/市原歴史博物館

 2022年11月20日、市原歴史博物館が新たにオープンした。古代に国府があった街であり、豊富な…

あの世の探検 ー地獄の十王勢ぞろいー:2 /静嘉堂文庫美術館

(承前)  十王図は、最も長い壁付ケースに全13幅が横並び。これは、壮観……!  中央は《…

あの世の探検 ー地獄の十王勢ぞろいー:1 /静嘉堂文庫美術館

 静嘉堂所蔵の仏教美術を一堂に展示する、丸の内移転後としては初の展覧会。  タイトルにあ…

堅山南風《大震災実写図巻》と近代の画家:1 /半蔵門ミュージアム

 半蔵門ミュージアムは、真言密教系の新宗教・真如苑による美術館。運慶作と推定される《大日如来坐像》の展示で知られている。  このお像は長らく個人蔵で、2008年にクリスティーズでオークションに出品、海外流出の危機に瀕したところを真如苑が14億円で落札し、大きな話題を呼んだ。のちに重要文化財の指定を受けている。  半蔵門ミュージアムの展示空間はこのお像を核としており、文字通りこの館の顔となっている。  展示室では、向かって左方に密教の世界観を図像化した《両界曼荼羅》(昭和時代