ケンタッキーダービー 気になる馬達

チャーチルダウンズ競馬場

元の地主のチャーチル氏の名前とイングランドのダービーが行われるエプソムダウンズから名づけられた。
『ダート』とは言いますが、構成しているのは75%川砂、23%クレイ、2%シルト。

川砂は川の底や河川敷に積もっている砂。
花崗岩などが水にさらされて粘土質が落ちて細かくなったもので、角が取れているのが特徴。
粒の大きさは0.25~2.0mmほどと細かく、見た目は灰白色。
山砂も排水性がありますが、川砂はさらさらとしてさらに通気性が良く水はけが良い

JRAのダートとの違いは23%のクレイ
確かJRAのダートは青森県六ケ所村の砂で砂の粒は最大2mm以下で角ばってない。
シルトが1%以下。

アメリカでもそれぞれの競馬場の気候によってクレイの割合が変わってきます。
乾燥地帯では砂をサラサラになりすぎないようにクレイの割合が多く、雨が多い地域では排水性を高めるためにクレイが少な目になります。

ドバイの時にも書きましたが、メイダンのダートに似ているのはアメリカのデルマー競馬場。

アメリカも競馬場によってダート質が違うので間違いなく粘土多めが得意とか少な目で走るとかいう馬や血統があるはず

最後にシルトとは、粒子が砂と粘土(クレイ)の中間的な大きさを持つもののことで、粘土に近い働きをする。

2012m

距離は2012mなのですが、助走距離(スタートしてからハロン棒までの計測しない距離)が10m位あります。
小回りで少し外をまわったら走行距離2050mとかにもなる。

ほとんどの出走馬が初めての2ターン。

なのでコーナリングが上手いミスプロ系がケンタッキーダービーで強いのも納得。
ミスプロ系以外では、ストームキャット系、ボールドルーラー系、グレイソヴリン系のインディアンチャーリーなど。

近年は逃げ先行有利

以前は馬群の中から抜け出してきた馬が勝つことが多かったケンタッキーダービー。
2014~2021年の8年で7頭が先頭か2番手の馬が勝った。
最初の400mが遅くなったのもその原因だろう。
最初の400mが21秒台と速くなった2022年は差し追い込み馬が上位を占めた。

基本は1,2番手有利。

拠点がカリフォルニア

過去11年で1位入線した7頭が冬をカリフォルニアで過ごしていた。

(Medina Spirit, Authentic , Justify , Nyquist , American Pharoah , California Chrome , and I'll Have Another)

今年はPractical Move、Reincarnate、Skinner.

ガルフストリームパークのフロリダダービーの勝ち馬も過去16年で6頭が1位入線。

今年のフロリダダービーは1着Forte、2着Mage
、3着Cyclone Mischief

逆にBlue Grass(GⅠ)とWood Memorial Stakes(GⅡ)からの成績は良くない。
Wood Memorial Stakesから最後にケンタッキーダービーを勝ったのはフサイチペガサスだ。

枠は極端な内はダメ

1,2枠は逃げれるのでない限り厳しい枠。
過去12年で8頭が13枠から外の馬が勝っている。
外枠のポイントは先行するも後方待機も最初のコーナーで外過ぎない位置にいる事。
真ん中の枠の先行好位勢が有利。

2014年
6、17、5、20、7
1着先行
2着は外枠から内にいって後方待機から外をまわして
3着は内の好位

2015年
15、9、7、12、5
1着は先行
2着は先行から逃げ
3着は逃げ

2016年
13、11、5、14、2
1着は先行
2着は後方待機からイン差し
3着は先行

2017年
5、1、11、14、19
1着途中から逃げきり
2着先行
3着先行

2018年
7、6、5、15、10
1着逃げ切り
2着は内先行
3着は好位内

2019年
8、19、12、9、6
1位は逃げ切り
2位は外枠から内に行って2列目に。
向こう正面で3列目になり直線抜け出す。
3位は好位の内

2020年
15、14、7、13、1
1着は出遅れて300mに先頭に立った。
2着外側で先行
3着馬群のやや外側

2021年
8、7、9、14、6
1位は逃げ切り失格
2位先行
3位先行

2022年
20、3、10、13、1
1着はスタート後に内に切れ込み後方待機から道中も内を進み直線でもイン差し。
2着は好位の内
3着も好位の内で2着の後

前走勝ち

過去12年で9頭が前走勝ち。
7頭が今シーズン無敗。
前走勝ちは
Forte, Practical Move, Angel of Empire, Tapit Trice, Two Phil's, Lord Miles, Derma Sotogake, Kingsbarns, Confidence Game , and Wild On Ice

今年無敗は
Forte, Practical Move, Tapit Trice, and Kingsbarns.

使いすぎない

2005~2018年の勝ち馬は1月から4月の間に2,3レース。
今年1~4月に4レース以上したのは
Lord Miles, Sun Thunder, and Cyclone Mischief.

更に前哨戦(Road to the Kentucky Derby)を3レース以上使った馬も2007年以降では2頭しか勝っていない。

今年はAngel of Empire, Two Phil's, Lord Miles, Rocket Can, Sun Thunder, Reincarnate, and Cyclone Mischief.

2歳にレースしていない馬は1882年以降3冠馬のJustifyしか勝っていない。
今年はKingsbarns and Mage.

前走から6週間以上空いているとダメ。
1956年以降この時期のケンタッキダービーで6週間以上のレース間隔を空けて勝ったのはAnimal Kingdomだけ。

今年はTwo Phil's, Derma Sotogake, Kingsbarns, Confidence Game, Wild On Ice, Continuar , Jace's Road, and Major Dude.

種牡馬のスタミナ

14頭中11頭の種牡馬が1700m以上のGⅠを勝っている。

今年はForte, Angel of Empire, Tapit Trice, Lord Miles, Kingsbarns, Raise Cain, Rocket Can, Hit Show, Confidence Game, Verifying, Sun Thunder, Mage, Disarm, Reincarnate, Jace's Road, Skinner, Cyclone Mischief, Major Dude, and Mandarin Hero.

評価

勝ち負け
⑩プラクティカルムーブ
⑨スキナー

2着候補
⑧メイジ
⑰デルマソトガケ

3着候補
⑮フォルテ
⑥キングスバーンズ

馬達

⑩プラクティカルムーブ
今回は強い先行馬が少ない。
そんな中でフロリダダービーで前哨戦で最も速い前半400m22.30を先行し4コーナーも余裕だった。
血統もイントゥミスチーフ、ディストーティドヒューマー、アフリート、シアトルスルーと文句ない。

⑨スキナー
冬をカリフォルニアで過ごし、サンタアニタダービー3着。
展開は向いたが外を走ったのは上位3頭ではこの馬だけ。
カーリンxマリブムーンというのも文句ない血統。
距離伸びて期待。

⑮フォルテ
中団待機から3-4コーナーでマクるスタイル。
最初のコーナーまでに外過ぎない位置を確保できるかどうかがポイント。
ペースは速くなってほしい。

⑰デルマソトガケ
サウジではアメリカからも短距離で速い馬がいて最初の400mを21.83秒と速かった。
失速ラップで最後に少し詰めたがスピードについていけなかった。
ドバイでは内から簡単に先頭に出れたが400mは約24.0秒とそれほど速くなかった。
平均ラップでラスト400mも約24.3秒で上がり、中距離での持続力勝負に強い所を見せた。
勝ち時計も去年のクラウンプライドより速く、これならアメリカでも通用する。
日本でもマインドユアビスケッツ産駒は先行して粘り強さを見せている。
先週にはとうとう重馬場2400mを勝つ産駒も現れた。
マインドユアビスケッツ自身は1200と1400mGⅠウイナーだが産駒には先行してのしぶとさが強く受け継がれている。
ダートの成績見ても1600m以上の勝ち馬多いな。

⑧メイジ
フロリダダービーで大外を走り、先にマクって行って不利だった。
勝ったフォルテよりも厳しいレースをしている。
展開次第では逆転可能で枠もこの馬の方がいい枠を得た。

⑥キングバーンズ
前走のLAダービースローを逃げ切りで展開は向いた。
3戦全勝でまだ底を見せていないのと先行馬が少ないのでこの馬に有利な展開になるかも。
ただ、母父タピットがケンタッキーダービーと相性が悪い。
タピットの子か孫で3着以内に来たのはTacitus(3着)だけ。
タピットはベルモントで3勝しているが。

引用

The surface on which Kentucky Derby horses will race Saturday is a special piece of real estate, built for high performance and safety. The track is generically described as dirt, but is actually a careful mixture of river sand, silt and clay.

https://www.npr.org/2012/05/04/152039897/churchill-downs-supervisor-beginning-his-last-lap

There are three big mounds of dirt on the backside of Churchill Downs and according to Kerstein, those different piles are mixed together to create the racetrack surface.
"One pile is sand, another is silt and the third is clay," he said. "The track mixture consists of 75% sand, 23% clay, and 2% silt. It makes for a safer more cushioned surface with protects the horses when they run."

https://www.courier-journal.com/story/entertainment/events/kentucky-derby/2022/04/25/kentucky-derby-trivia-hidden-facts-churchill-downs-kentucky-derby/6818032001/


いいなと思ったら応援しよう!