オークス 気になる馬達 その2.前哨戦

基本は差し、追い込み馬だが

その1でオークスは大幅な距離延長のため桜花賞で先行好位で競馬した馬は過去にもラッキーライラックなど本当に強い馬しかオークスで好走できないと述べた。

今年は桜花賞、フローラSで先行好位でレースして上位に残った馬が多いので、『真に強い馬かどうか』の判断が重要だ。

過去の桜花賞を前でレースしてオークス3着以内に入った4頭中3頭は阪神JFで連対。
アカイトリノムスメはアパパネの娘でクイーンC含む東京3勝。

2歳の阪神JFで勝ち負けして桜花賞も3着以内となればただの早熟ではなく力が抜けていると考えられる。

レースを振り返って確かめてみよう。

阪神JF

過去10年で最も速いペースだった。
レコード勝ちしたレシステンシアよりも速いペースでラスト400mは先行好位勢の脚が止まった。
リバティアイランドは真ん中の枠からお手本のようなレース(好スタート、自然と好位に、風除けあり、4角で不利なく外に出す、直線で障害物無し)ができて完勝。
筋肉の勝利でもあった。

シンリョクカは内枠の利点を活かして2着だが、この馬も結構速いペースで走っていた。
新馬戦と違う展開に対応できたし最後までしっかり走っていた点を評価したい。

ドゥアイズは2着のシンリョクカとは枠の差。
外枠からペースが速かったので後ろの位置に。
直線でも少し不利があった。

3頭ともオークスで期待できそうだ。

桜花賞

リバティアイランドはその筋肉が生み出す異次元の推進力を見せつけての勝利。
レースのラスト5ハロンは 11.9 - 11.7 - 11.4 - 11.3 - 11.8。
ラスト1000mから加速していくジワジワとしたロングスパートで先行勢のラスト1ハロンは約12.0秒と大きく失速しているように実は前にも厳しい展開だった
2~5着はマイルでの力関係通りじゃないか?
上り33秒台のシンリョクカとキタウイングには位置取り次第でもう少し上位の可能性がある。

2着 コナコースト
キタサンブラックXキンカメ
京都の秋華賞とエリ女で良さそうなタイプだがオークスも悪くない。
桜花賞で先行してロングスパートで2着と残ったようにしぶとさはある。
桜花賞ではチューリップ賞の反省から積極的なレースをしたがオークスでは控えると思う
新馬で1800mを勝っているし、エルフィンSでも距離が長ければという印象を受けた。
5着以内は固そうな馬。
鮫島騎手の位置取り次第。

3着 ペリファーニア
この馬の評価が難しい。
前も後ろも筋肉豊富で後ろ側の伸縮性もある。
ただ、母父ハーツクライで胴がほんの少し長めで前と後ろに比べると弱い。
せっかくの前と後ろをうまく連動させられないかもしれない。
そして曲飛でギアチェンジが早いので長い直線で先に最高速に達してゴール前で失速するかもしれない。桜花賞の直線がまさにそうだった。
あれは坂で止まったのではなく、いい脚が長く使えなかっただけ。
父モーリスだし、秋以降だとは思うんだが…
今じゃない将来性に賭けて失敗するタイプかなー?
チューリップ賞では外3列目の先頭で不利だったが桜花賞では前に馬を置けて力を出せた。
コナコーストとの比較でオークスでは不利。
馬体は好きでいい馬なのは間違いない。
ここで3着以内に入れば秋以降にGⅠを勝てる。

4着 ハーパー
ハーツクライxジャンプスタート
アメリカと欧州血統のバランスよい。
クイーンCで◎にしたのは新馬戦でイングランドアイズを相手に外3列目の先頭で不利なレースにもかかわらず2着と粘っていたから。
クイーンCはラスト4ハロン 11.8 - 11.3 - 11.6 - 12.2と最後に大きく失速する展開で粘り込み。
勝ちタイムもメジャーエンブレムには及ばないがアドマイヤミヤビより速い。
この馬は距離延長歓迎で5着以内率高そう。
コナコーストとは位置取り次第。

プリンスリーギフトを持っているし京都もいい。
秋華賞で持続力勝負で上位に入りそう。

5着 ドゥアイズ
ルーラーシップxディープインパクト
ヌレイエフのクロス〇
ミルリーフのクロスもあり距離延長での差しに期待できる。
桜花賞は直線でスムーズに走れなかった。
ゴール後に伸びているように消化不良のレース。
馬体重も軽めで桜花賞よりオークス向き。
直線で進路があれば3着以内に入る。

6着 シンリョクカ
サトノダイヤモンドxキンカメ
新馬の加速ラップ締め。
サトダイ産駒でこんなに脚の回転の速い馬が出てくるのかと驚いた。
阪神JFでは有力馬相手に2着と好走し力は本物だと示した。
走りも大きくなっていて今後を期待させた。
モンジューの近親で欧州的な馬体。
馬体重の割に背が高く、距離伸びて良い。
2着候補。

サトダイ産駒は母が欧州血統でニジンスキーがカギになるのかな?

12着 キタウイング
ダノンバラードxアイルハヴアナザー
桜花賞上り2位
外に出していたらどうだったか気になる馬。
追い込みに専念するのでオークスでは順位をあげそうだ。 
母内にニジンスキーのクロスもあるしある程度の距離延長には耐えられる下地はある。
先行勢が位置取り争いしてペースが速くなったら大穴候補。

フローラS

1着 ゴールデンハインド
過去10年ではウインマリリンに次ぐ勝ちタイム。
前後半60.8-58.1秒で後続が33秒台で追い込んで届かなかったのは優れた持続力の持ち主で評価できる。

ペリファーニアと違い、こっちの方が胴にボリュームあり長くいい脚を持続できそう。
今年のフローラSの週は当時の記事でも書いたがゴール前の含水率が高く内前があまり有利ではなかった。
なので数字以上に評価していい馬。

血統的には3歳のマキャヴェリアン持ちが今年の春東京に相性良さそう。
マイルで鬼脚を見せたエイシンヒカリ、青葉賞のスキルヴィング、プリンシパルSのパクスオトマニカ。
母方の血がいいよね。
ストームキャット、グロリアスソング、ゴーンウエスト、シアトルスルー、バックパサー。
同じステゴ系のウインブライトを父に持つ妹をPOGで選ぼうかな。

フローラSで〇にした理由は
『フラワーCは外枠から最初の上り坂でダッシュし、更に外3列目の先頭。かなりスタミナを消耗したが4着は流石ゴルシ産駒』
以前からそのスタミナを見せていた馬で2400mも不安は少ない。

オークスは先行馬は良くないが、2000mでしぶとさを見せているし、今週は軽い馬場になりそうで強気のロングスパートでも止まらない。
ロングスパートからラスト3ハロンを34.2秒で上がれば33.3秒前後の差し馬じゃないと届かない。

いくらポジションが後ろ過ぎたとはいえ、クイーンC0.1秒差のイングランドアイズに0.5秒差はスゴイよね。
3着候補

2着 ソーダズリング
東京が得意そうな血統。
しかし、フローラSではマークしていた逃げ馬を差せなかったのは痛い。
風除けがあって脚を溜められたのに差せなかったのは力の差。
ゴールデンハインドに不利がない限り逆転は難しい。

フラワーC

2着 ヒップホップソウル
その評価の高いゴールデンハインドに先着した馬を忘れてはいけない。
キタサンブラックxファルブラヴ
距離延長に強いキーパートナーの牝系で母父ファルブラヴはスペシャル牝系ノーザンダンサーxボールドルーラーという欧州とアメリカのバランス型。
そして父キタサンブラックなら中山→東京でプラス。
ベゴニア賞でシャンパンカラーのクビ差2着も評価したい。

フラワーCは不良の外差し馬場でさらに大外枠で小回りしなくて良かったからこその好走。
東京の方がいいパフォーマンスを発揮できる。
外の列で前に馬を置いてしっかり脚を溜められた。
勝ちに等しいレースぶりだったがさらにその後ろで溜めていたエミューに外から差された。
雨の日は外の方がいいのでしょうがない。

GⅠ出てないし裏路線だから人気ないけどゴールデンハインド、シャンパンカラーとの比較から決して侮れない馬。

1着 エミュー
そしてこの馬もいかにもオークスで逆転しそうな馬。
ハービンジャーxスペシャルウイークで馬体重418キロと軽くて桜花賞は向かない。
去年もナミュール、ピンハイという軽い馬が3,4着しているようにオークスは軽い馬侮れない。
桜花賞も上り4位タイ。
その桜花賞は忙しすぎたし、直線でもスムーズに走れていない。
距離伸びていいのは間違いないし、中団でも競馬できる。
ゴールデンハインドを2度差しているのはフロックではない。

ミッキーゴージャス

そして忘れるところだったが中山の1勝クラス1800mを加速ラップで勝ったミッキーゴージャス。
この馬もヤバいねん。
新馬 (12.7 - 12.5 - 12.1)も1勝クラス (11.8 - 11.9 - 11.5)も加速ラップ締めで全然底を見せていない。
キンカメ系xディープインパクトというのも文句ないし、ヌレイエフのクロスあるし、母はオークス馬。
おさえるべきでしょう。

馬体重の増減

馬体重減は前走3着以内なら〇
前走着外からの巻き返しなら馬体重増〇

オークスやダービーにはとりあえず出走させる、間に合わせるというのがある。
3歳牝馬の春はまだ飼い葉食いが良くない馬も多く、調整に苦労する。
それがハッキリと表れているのが馬体重の増減。

競走馬の馬体重はけっこう増減するので常にそうだと言うわけではないが、3歳春では『とりあえず間に合わせた』をあぶりだすことができる。

面白いのは近年で馬体重減で3着以内に入った馬スターズオンアース、カレンブーケドール、クロノジェネシス、シンハライト達は2走前も馬体重減だったという事。
2走続けて馬体重減は嫌われる傾向にあるがスルーすべき。
そして前走成績が【4-3-2-1】と前走成績がいい馬が馬体重減で好走している。
着外の1頭は皐月賞挑戦したバウンスシャッセという例外。

オークスで馬体重増して3着以内馬の前走成績【4-1-2-5】と前走からの巻き返しが多い。

評価

イングランドアイズを物差しにしたらこうなった。

勝ち負け
リバティアイランド

2着候補
シンリョクカ
エミュー
ヒップホップソウル

3着候補
ドゥアイズ
ゴールデンハインド
ミッキーゴージャス

次点
この桜花賞組の評価を下げた。
リバティアイランドと大きな差を感じたし、間に別路線組が入りそうだ。
ハーパー
コナコースト

大穴
キタウイング


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