菊花賞 アスクビクターモアありがとう!
1着 ◎アスクビクターモア
勝ち時計 3分2秒4
レースラップ 12.3 - 10.9 - 11.7 - 11.9 - 11.9 - 12.1 - 12.6 - 13.3 - 12.6 - 12.1 - 12.1 - 11.9 - 11.9 - 12.2 - 12.9
前後半(1000m)58.7-61.0
前半1000m58.7秒は過去10年の菊花賞と阪神大賞典を見ても最も速いペース。
2番手のアスクビクターモアは先頭から3馬身差。
2番手でも十分に速いペース。
先行していた馬達は軒並み失速している。
ラスト3ハロンが11.9-12.2-12.9と大きく失速していることからもスタミナと心肺能力が問われる消耗戦になった。
阪神3000mのレコードタイムはクッション値9.7(気温24度)という高速馬場があってこそ。そしてダービーで見せた高速のスピードの持続力を活かせる馬場でもあった。
去年のタイトルホルダーとの比較で言えば、同じくらい。
去年のクッション値が9.6(気温20度)なので今年の方がほんの少し速い馬場ではある。
一番の違いが1-2コーナーの区間。
去年 12.8-14.3-13.1
今年 12.6-13.3-12.6 (この600mだけで去年より1.7秒速い)
去年のタイトルホルダーは1コーナー手前で2番手以下を大きく引き離していたのでコーナーで減速して息を入れた。
そのおかげで残り800mから11秒台で走る体力を温存できた。
ところが今年は先頭のセイウンハーデスはペースをおさえることなく1-2コーナーを走りぬけ、向こう正面に入ってペースを上げた。
ここまで速いペースになれば後方待機が有利とかそういう問題ではなく、力のない馬がふるいにかけられて落ちていくサバイバルレース。
去年は上り最速がステラヴェローチェ4着、アサマノイタズラ9着で脚を余した馬もいたが、今年は上り1位が2着、2位が3着、3位が5着、4位が1着。
瞬発力があるから上り上位になったのではなく、『走る力が残っていたから上り上位になった』
まさに3000mの長距離を競うレースにふさわしいレース質になった!
4着以下を5馬身突き放した上位3頭の心肺能力お化け。
今年の3歳世代も強い。
しかもスプリントからステイヤーまでまんべんなく強い馬がいる。
大豊作の年だ。
春のクラシック上位組は2000~2400mでは強いだろうが、3000m以上ではこの菊花賞上位3頭の方が上だろう。
アスクビクターモア!!!!!
弥生賞◎からずーっと印をつけてきた走るのが大好きな馬。
チョーうれしい!マジうれしい!(語彙力)
スタートしてしばらくは追い出していたがセイウンハーデスが行ったのをみて手の動きをおさえる。
春とは違って我慢を覚えた3歳秋。
向こう正面に入ってセイウンハーデスが差を広げても気にせずに自分の走りを続ける。
内ラチ沿いではなく、一頭分あけたコース取りも良かった。
内ラチ沿いの馬場が良くなかったからね。
残り600mでバテたセイウンダイモスをかわして先頭に。
あくまで自分のペースを保ったまま直線に入ってあとはスタミナ比べ。
直線では馬場の良くない内ラチ沿いで失速したが何とかハナ差しのいだ!
2着 △ボルドグフーシュ
吉田隼人騎手のコメント
「上手いことスタートを切れて、いい意味で馬混みに入って、リズムよくいいイメージで行けました。3コーナーで開けた時に一気に動いていきましたが、4コーナーを回った時には勝ち馬にセーフティーリードを取られていました。
この脚質で良く追い上げています。結果だけが悔しいです。よくあそこまで来ました。これからの馬ですし、厩舎と話しながら作っていきたいです」
去年よりも速いペースになって他の馬達が失速して追い上げやすかったのもあるが、今年は去年のステラヴェローチェよりも積極的に乗ってくれた。
スタートはいつも通りゆっくり目で1週目の3コーナーでは内ラチ沿いでの後方の12番手
向こう正面に入って動き始めた。
内から2列目に移動し、前のスペースを狙い始めた。
3-4コーナーではハイペースのために失速して脱落していく先行馬をかわすためにやや外に出しながら前に出ていく。
4コーナー出口では2番手に並びかける積極的なレース。
ジャスティンパレスと並んで前のアスクビクターモアを捕まえに行った。
長い脚をリズムよく機関車のように衰えることなく繰り出して行ったがハナ差足りなかった。
4000mならこの馬が一番強い。
来年の天皇賞春のあとの夏は欧州の長距離レースに挑戦してほしい。
6月のアスコット、7月のグッドウッド、8月のヨークとこの馬なら勝負になる。
日本には長距離重賞が少なすぎるのよね。
3着 ジャスティンパレス
鮫島克駿騎手のコメント
「17番枠で、一般的に3000mでは不利と言われる外枠で、いかにロスなく誘導できるかを考えていました。コースロス無く立ち回ることができました。最後は、3頭の追い比べで、もう少し頑張らせてあげられれば良かったです。これから精進したいです」
鮫島騎手も素晴らしいレースでした。
どうやって馬をおさめるかに注目していましたが上手かった。
好スタートから内をチラッと確認してスペースがあると見るや馬群の中に潜り込んだ。
先行勢の後ろの最高のポジションをゲット。
周囲を馬に囲まれることによって落ち着いて折り合えた。
4コーナーでは前の失速する先行馬が下がってきてややブレーキ
それでも4コーナー出口では前が開いて抜け出せた。
外を周ってきたボルドグフーシュと並んでアスクビクターモアを追い詰めたが3着まで。
最後まで良く走ってはいたが1,3着の馬と比べるとフォームが崩れていた。
距離適性の差だろうがそんな状態でもここまで走れたのは立派。
春のクラシックは乗り方が悪くて成績が悪かったが間違いなく世代上位の力はある馬。
2000~2400mでこれからも活躍するだろう。
4着 △ドゥラドーレス
横山武史騎手のコメント
「未知の条件で良く頑張っていました。心配していた折り合いは、掛かる面はありましたが、おさまりました。適正距離はもう少し短いところだと思います。3コーナーから4コーナーの不利がかなり痛かったです」
最初のコーナーでジャスティンパレスに前に入られたが、キチンと馬群の中で折り合えた。
この位置取りの差が大きかったかもしれない。
結果的に後ろからになったドゥラドーレスは3-4コーナーで外々を周って追い上げざるをえなかったので内を走れた馬達とは距離ロスが生まれた。
それでも最後は3着に5馬身離されてしまったのでスタミナ面では差があったと言う事だろう。
5着 シホノスペランツァ
後方待機からイン差しして5着。
人気のない馬だから気軽にのれたからだろうけど素晴らしい進路取り。
小倉2600m勝ちは去年3着のディヴァインラヴと同じなので、やはり小倉と阪神の内回りには共通点がある。
6着 △ヤマニンゼスト
武騎手のコメント
「道中はずっと良い感じでした。4コーナーだけうまく捌けませんでした。もったいなかったです。うまく捌けていれば、4着はあったと思います」
道中はシホノスペランツァの前にいたんですよ。
でも、ヤマニンゼストは騎手もチャンスがあると思っていたからイン差しなんていうギャンブルはできなくて進路を探しながら外へ外へと行ってしまった。
まぁ、よほどレースをあきらめていなければあそこでイン差しの選択はできないよな。
チャンスがあると思った馬よりも無欲の馬が先着してしまういい例ですね、この5,6着は。
競馬って難しい。
7着 ▲プラダリア
池添騎手のコメント
「最初のコーナーでごちゃついて引く形になりました。中団で折り合いをつけて、良い形で運べました。その中で踏ん張って脚を使ってくれました。立て直して改めてですね」
上位3頭には離されましたが十分に力は出せた。
少し足りなかった。
8着 〇ガイアフォース
松山騎手のコメント
「1番枠でしたし、しっかりスタートを決めて、もう1つ前のポジションを取りたかったです。折り合いはついていましたが、距離もあるかもしれません」
個人的には内ラチ沿いの馬場は良くなかったと思っているのでそこを走らされたガイアフォースはその分だけ消耗したのもあると思う。
隣に3着のジャスティンパレスがいたわけだし、位置取りは悪くない。
4コーナーで少しブレーキしたのもジャスティンパレスと同じ条件。
最短距離を走っているのだし、内ラチ沿いの馬場をずーっと走らされたのが問題だったと思う。
次に期待。
馬券的には
今日の馬場を見ていて改めて内ラチ沿いの馬場がアカンよねって1番枠のガイアフォースの評価を下げて外差し狙い。
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