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オーギュストロダン:衝撃の英ダービー制覇
オークスとコロネーションカップ
まずはダービーの前の日に行われたオークスとコロネーションカップを見ていきます。
馬場は硬い良馬場
Turftraxの発表では7.3のGood to Firm
2010年のスノーフェアリーが2分35秒77で勝った年以来のGood to Firm。
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コロネーションカップは去年の英オークス1番人気で2着だったエミリーアップジョンが勝った。去年のアスコットの英チャンピオン牝馬に続くGⅠ連勝。
勝ち時計2分33秒78で勝ち馬の上がり3ハロン33.48秒。
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エプソムオークスの勝ち時計は2分36秒41で勝ち馬の上り3ハロンは35.82秒。
硬い馬場でゴール前の直線で速い上がりが出せるはずなのにこの時計は遅い。
コロネーションカップと比べればそれは明らかだ。
今年の英オークスのレベルは高くない。
勝ったSoul sisterは父フランケル、母父ダンシリ、母母父ダルシャーン、母母母父カーリアンでデインヒルの3x3。
欧州だとフランケル産駒は2400m強いよね。
2着のSavethelastdanceはオブライエン師の馬でムーア騎乗。
母はアメリカオークス馬でアメリカ血統(スキャットダディxシアトルスルー系xダマスカス系)
エプソムダービー
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— The Jockey Club (@TheJockeyClub) June 3, 2023
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この日の馬場もGood to Firmだったがオークスの日の7.3より少し落ちて7.2。
この硬い馬場がオーギュストロダンに大きく味方したのだろうが強い勝ち方だった。
2着のKing Of Steelは解説者もラスト2ハロンで『Race-Winning Moveだった』というほど、これ勝つんじゃね?という勢い。
それを差し切ったのだ。
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長い直線ではどこで最高速を発揮するかが大きなポイントになる。
最高速に達するとそこから失速するのでできるだけ我慢したい、しかし追い出しが遅れれば届かない。
そのギリギリの判断をムーア騎手が上手く下した。
2,3着馬がF10で最高速の10.6秒に達しているのに対して勝ったロダンはその後のF11が最高速だ。
そのおかげで先に最高速に達してゴール前での失速が大きかったKing Of Steelを見事に差せた。
英2000ギニーでは戦前からオーギュストロダンのストライド数が1秒間に2.05~2.28なのでマイルよりも2000~2400mに向いていると言われていた。
そしてさらにゲートの位置がセンターの時には良くないスタンド側の枠でさらに馬場に脚を取られて前半にもまれていた。
個人的には、いくら条件が悪かったとはいえ、あまりにも反応が悪すぎて英ダービーでは切ってしまった><
欧州では日本よりもハッキリとレースをあきらめる傾向にあるので注意しなければいけないのだが現地の記者にも同様の見解が見られた。
しかし、さすがはオブライエン師とムーア騎手。
戦前の自信は全く揺らいでいなかったし、見事に勝利した。
実は英ダービーではムーア騎手が一番に選んだ馬が勝てないというジンクスがあった。
2013年にオブライエン師のルーラーオブザワールドで英ダービーを勝ってはいるが、その時はジョセフ・オブライエンが第一騎手で彼の馬の方が人気していた。
ムーア騎手が第一騎手になってからオブライエン師は英ダービーを3勝しているがいずれもムーア騎手が選ばなかった人気薄の馬だった。
2017年はクリフオブモハーを見事な騎乗
で勝つか!?というところを16番人気のウイングオブイーグルス(オブライエン師の馬)に後方一気を決められてしまった。
この直線のイーグルスの馬群こじ開けからの追い込みは必見。
閑話休題
オーギュストロダンの勝ちタイムは2分33秒88で上がり3ハロンは33.01秒。
これは前日の古馬のコロネーションカップと比べても優秀でレーポスのレイティングは現時点で124と一昨年のアダイヤーと同じ高評価。
愛ダービーに出走するかどうかはまだ未定。
2着のKing Of Steelは非常に大きな馬で一緒に走る他の馬達が小さく見えるくらい。
一昨年のアダイヤーも大きな馬でこういう馬はエプソムの下り坂が得意なのだが前走のダンテSでゲートの中で落ち着かずに出走できなかった。
使いたかったレースを使えなかったので軽視したが強い馬だったw
このパフォーマンスは本物なので良馬場なら次からも期待できる。
3着のWhite birchはまさに私の好きなタイプの追い込んで届かず馬で夏のヨークのヴォルティガーSに出てきたら買いたい。追いかけます。
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欧州でも速い時計は出る
日本は路盤が整備された競馬場なので天候による影響が欧州の競馬場よりも少ない。
欧州、特に英国は雨が多く気温も日照時間も日本より良くないので乾いた良馬場になりにくい。
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今回の硬い良馬場も2010年以降で初めてだった。
しかもエプソム競馬場は後半が下り坂なので速い上がりが出やすい競馬場。
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夏の新潟競馬場の開幕週か!ってくらい速い上がりが出ています。
さらに、この日に行われた1210mレースでは何と勝ち時計1分6秒94!
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名前がJRA Tokyoで高速化のバフがかかっているかもしれませんし、こっそりとエクイターフに張り替えている可能性も完全には取り除けません(馬場造園課の努力)
このタイムをJRA式に計測すれば約1分5秒7で、テイエムスパーダの日本レコード1分5秒8とほぼ同じ。
小倉の1200mも下りと平坦のコースだから馬場が硬ければ速い時計でる。
エプソムの1210mの方が傾斜がきついからスピードが出やすいのは確かだが。
1000mのレースでも54.23秒(日本式で約53.0秒)が2つのレースで出ている。
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