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株:8月14日 マーケットプレス前場の岡崎氏のお話

このnoteは素人の妄想の垂れ流しであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものでもなく、将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものでもない。
最終的な投資決定は読者ご自身で判断するっス。


岸田首相不出馬のニュースで

日経平均が大きく下落したのは英文でこのニュースが流れてから外国人投資家が日本株を売った。
次の総裁選に出馬する候補に二人、利上げを訴えた方がいる。
岸田総理はインフレ対策は電気代ガス代の補助だった。
あの二人のどちらかが総理になればインフレ対策として利上げをすべきだと言い出すのではないか?
そうなれば日本はインフレ目標2%を放棄するのではないか?
放棄すれば円安政策は止まるという事で、株式上昇にも頼らない。
質素倹約型の総理が生まれると株にはネガティブ。

大荒れだった相場をざっくりとまとめる

7月31日の金融政策でやっちゃいけないと伝えていた事(利上げ)をやってしまった。
その後の記者会見でも『まだまだやります!』というので『え?話が違うんじゃないの?今までやってきたことと違うじゃん』と、そこで歯車がガラッと逆回転を始めた。
逆回転の仕組みは1987年のブラックマンデーと同じ。
ブラックマンデーでは一晩で20%、トータルで34%株が下落した。
当時のアメリカはインフレをやっつけることができて、株式市場は幸せ、債券も為替もそこそこ幸せだった。

8月11日にレーガン大統領はインフレ退治の功労者だったポールボルカ―に替えてグリーンスパンをFRB議長に据えた。
そのグリーンスパンが9月に突然利上げをした。
インフレは終わったはずなのにどうして?
金利が上昇して10月に株が大暴落した。

仕組みはこれと同じ。
世界の投資家が植田総裁に期待していたのは『粘り強く金融緩和を続けていきますよ』『容易には利上げをしませんよ』『2%の目標を掲げてデフレから脱却していく』『需給ギャップをプラスに維持』。
それが突然実質金利の話をしだして、実質金利だと日本はものすごくマイナスな政策金利になっている、これはイケないという事で利上げをして、実質金利で言えばまだまだマイナスなので連続利上げもあり得ますよと言ってしまった。

(素人:この実質金利を持ち出した辺りが植田総裁の書いた原稿じゃないと思うんですよね。政治家か官僚が指示用意したんじゃないか?と思わせるのがここなんですよ)

これは『話が違う』『約束が違う』『コミットメントを破った』『約束違反じゃないか!』という事で世界の投資家が売りました。

円キャリートレード(円を借りてドルにしてSP500を買う、ユーロにしてDAXを買う、金などのコモディティを買う、みたいな事をやっていた)がいっぺんにひっくり返されて、ほどかれて株価が大暴落していく。

SP500もDAXもその他の国の指数も円建てで換算すればどれも20%は下がっている。

今回の日銀の金融政策をどうとらえたか?

今までも金融政策の変更は数限りなくあった、イールドカーブコントロールの変更、マイナス金利の解除、黒田総裁の頃は毎回のようにチョコチョコと何か変えて、あれでもないこれでもないと異次元の金融緩和をやった。
今回の金融政策もその中の一つだと思いますか?

これまでも行き当たりばったりに日本の金融政策は行われて来ましたから。
今回は報道でも財務省に言われたとか、円安をどうにかしろと官邸から言われたんじゃないかとか、まことしやかに言われていますが裏は取れません。2008年の利上げも行き当たりばったりに上げて、すぐ下げてというのがあった。
今回もそういうのだったら『気楽にいこうぜ』と。
早く忘れようぜ、何時ものことじゃないか?
株式市場はいい話を探しているのでショックとして受け止める方が楽です。
株式市場は『儲かる話はないか?』という場所。
お金というのは1分、1秒と休まずにもうけ話に飛びついて行くそういう生き物。
なので株式市場的にはショックと受け止めたい。
ショックなら一時的なモノなので儲かる話を探して行こうと。
そう簡単に日米金利差が縮まらないならもう一度ドルを買おうと言うのもある。
業績に変更がないのならこの株PER12倍は安いだろうとかPBR1倍割れは買いだろうとかなる。

しかし、重く受け止めると全然違う景色になる。

日本で株式運用しているのはまだ5人に1人。
そしてこの数はこれから増えていく。
今までの日本は金利が上がると嬉しいと言う人が多かった。
貯金する人の方が圧倒的に多かったから。
新NISAでこの割合がだんだんとイーブンになっていく。
その最中に起きたのが今回の金融政策変更。

5日までは約束破りみたいな、もともと前提としていたエンジンが壊れてしまったみたいな。
8月6日に統計が出た。
一つは賃金の統計で6月は良かった、実質でプラスになった。
もう一つは家計調査。
収入は実質ベースで伸びたが、消費は相変わらずマイナス。
貰ったばかりですぐには使っていないという見方もあるが。
4-6月の家計調査の二人以上の世帯の収入と支出では実質マイナス。

サラリーマン世帯が53%でそうじゃない世帯が47%。47%の半分くらいが無職。
勤労世帯でも6月の消費はむしろ下がっている。
6月までは植田総裁を中心に考えていたプラスの循環は生まれなかった。GDPベースで見ると、家計の最終消費は前期比で見ると、1年間ずーっと減り続けた。
そして4-6のGDPにおける家計の最終消費もマイナスになるでしょう。
需要サイドで持ても4-6は浮かび上がってこない。
5四半期連続で日本の家計消費は落ち続けている。
しかし、この5四半期の間に日本が景気後退に入ったかと言うとそうは見えない。
あるいは、消費増税があったわけでもない。
個人消費というのは基本的に右肩上がりに上がっていくモノ。
だからディフェンシブなんて言う銘柄が、日用品が株式で買われるわけです。

日本の消費は東日本大震災、金融危機、消費増税では落ちたが、ITバブル崩壊では落ちない。
しかし、今回は少なくとも4四半期連続で落ちている。
原因は物価高以外は考えられない。

欧米的な経済理論でいえば消費はもっと硬直的。
物価上昇した時は本来は貯蓄が切り崩されるはず。
物価が上昇しても貯蓄があればそれを切り崩して消費は継続していく。

しかし、日本人は欧米でできた経済理論通りには動かない。
貯蓄を取り崩さずに消費を減らしてしまう国民性。
そんな中で植田総裁はインフレ率2%という先進国の共通目標を掲げて金融政策を進めてきた。
2%という目標達成のために金融緩和の維持をうたってきた。
金融緩和を続けたら株は高くなったが一方で円は安くなった。
円が安くなるというのは日本の物価が上昇するという事。
日本は世界でも類を見ないほど消費に対する食料品の占める割合が大きいので、庶民の生活を圧迫してしまい、国民がお怒りになられた。
金融緩和により株が上昇する資産効果、円が安くなるインフレ輸入効果でインフレ率2%を達成しようとした。
しかし、2%の目標を達成しようとすればするほど国民生活が犠牲になってしまった。
ここで判断を迫られた。
2%というインフレ率は日本人には無理だったんじゃないのか?
ガラパゴスと揶揄されるこの国の国民にはインフレは我慢できない。
貯蓄が減るのは死んでも嫌だという国民なんじゃないか?
日本の家計の貯蓄額はずーっと増え続けている。
インフレの中でも貯蓄は増え続けている。
そのために国民は消費を減らしている。
これの行きつくところは餓死。
経済理論的にはこの国は破綻する。

インフレ率2%はこの国には高すぎると植田総裁が判断したとすれば、インフレ率をさげさせる金融政策を取らなければならない。
つまり、利上げ。

インフレ率2%ですらこの国に暮らす国民は耐えられないのか?
インフレであればあるほど需給ギャップの需要がついてこない。
ある程度インフレ率を下げないと消費が戻ってこないのか?
そう考えれば今回の利上げは理屈に合う。

この2年で円は114円から160円まで上昇したが、これってEPSの上昇ですよね。
6割以上を輸出しているトヨタなんかも台数も増えているかもしれませんが、円安になればなるほど利益が増えて行った。
しかし、その金融政策が使えなくなった。
これが今回の金融政策変更を重く考える側のロジック。

これからの日本株は?

これから新しいイノベーションが生まれて、むしろ円安対策をしてインフレ対策をして、国民生活が安定して、逆にその方が需要が増えると言うパラドックス的な動きはプラス。

輸出に依存している企業には円安エンジンは無くなった。
今後円安に向かわないとなればEPSに対して下方圧力がかかる。
そうなれば期待値ものびなくなるのでPERも上がらない。
こうなると成長株という概念が無くなる。

ユニークな事業によるユニークな成長はあるかもしれないが、円安による成長は無くなった。
円高による成長鈍化が待っている。
円高の方が国民生活を守れる。
次の総理が誰かはわからないが、国民生活をインフレから守るなんて発言をすればますます円高になり株式市場は苦しくなる。
そして苦しくなればまた緩和をする。
その繰り返し。
為替調整金融政策になってしまう。
これは日本の運命。

このガラパゴス国は特異な進化と遂げている。
イグアナがいっぱいいるこの国のイグアナはスゴイ。
これだけ消費が停滞してこれだけ犠牲的に耐乏生活をしているのに企業は無茶苦茶利益が出る。
無茶苦茶利益が出て成長しないという事はネガティブポイントだが、その成長を補うように世界でも類を見ないような配当をする。
長期金利が0.8%の国で配当が4~5%の会社がゴロゴロしている。
アメリカは今は長期金利が3.8%で配当は平均すれば2%位。
アメリカは成長という期待があるからそこでお金を集めることができる。
ガラパゴスには成長という期待がないので世界の投資家を集めるためには配当を上げる。

国民は消費を切り詰めて貯蓄を守る。
企業は低成長だけど外に活路を求めて利益を出す。
出した利益は配当によって還元していく。
その配当の3割は海外に流出していく。

欧米で出来上がった経済理論ではこの国は完全にはキレイに説明できない。

ガラパゴスならガラパゴスに住む住民にとって最も合理的な投資法がある。
高配当株。
外国株は為替の変動をある程度コストとして計算していく。
年間の円高のスピードが5%だとしたら、株価成長が5%以上ないと儲けが出ない。

目標とするインフレ率2%が高すぎるハードルだと判断したのなら植田総裁の決断も理解できるし、ひょっとすると総理の決断も理解できる。

企業の2025年3月期は下方修正が出てくるんじゃないか。

アメリカは?

昨日のPPIはちょうど良かった。
おそらくCPIも大丈夫だろう。
アメリカのインフレは収まる方向に向かっている。
ここは議論しても新しいものは出てこない。

木曜に小売りの統計が出てくるが、この数字がどうなるか。
景気後退は来ないのか?の確認。
景気後退のサインとしては失業率がドカーンと出てしまっている。
失業率4.3%でサームルールにも抵触している。
ここが独り歩きしているように見える。
企業業績を見ても、信用評価を見てもそんな事はないんじゃないか?

ただ、失業率はバカにできない。
アメリカの場合は失業率が上がりだすととめどなく上がるのが失業率。
エスカレーターで少しづつ下がって行って、エレベーターに乗ってドーンとてっぺんまで上るみたいな。

失業率はボトムから0.8%上がると急にエレベーターになる。
0.8%まではジワジワ上がるのだが、そこからスーッと上がって行く。
今回で言うと4.2%を超えたらスーッと上がるなと。

(新規失業保険申請件数が少なかったと好感されていますが?)
あれは継続受給者とその質を見ないといけない。
半年以上失業している長期失業者が増えている。
半年は保険がもらえるので、それ以上に失業している人は保険がもらえない。
ウィリアム・ダドリーが心配しているので岡崎氏もウィリアムと同じように心配している。
ウィリアム・ダドリーは元ニューヨーク連銀総裁でFRB議長バーナンキが一番信頼していた現場監督。

ウィリアム氏は7月のFOMCの前にこうコメントしている。

元ニューヨーク連銀総裁ウィリアム・ダドリー氏は金利に対する姿勢を変えた。インフレ抑制のため高金利の維持を長らく支持してきたダドリー氏は、現在では連邦準備制度理事会は金利を引き下げるべきと考えている。同氏は、理想的には来週の次回の金利会合で金利引き下げを開始するべきだと示唆している。おそらく3%から4%の範囲がFRBにとって適切な水準でしょう。

岡崎氏は5月から利下げすべきだと言っていた。
9月に0.5%やるのかなーと見ています。
FEDWATCHでも0.5%利下げが52.5%で0.25%利下げ予想の47.5%を上回った。
次の2年でおそらく1.5%位下げても4.0%。
来年の今頃には逆イールドカーブは解消されていなければならない。

この間の暴落の間に1瞬だけ戻ったが、日本の金利が0.8%を切ったりしていましたから、8月5日になんであれだけ下がったかと言うと、日本はデフレに逆戻り、日本も無担保コールレートを0.25%まで上げたけれどまたマイナス金利に戻るぞと、債券市場は警告を鳴らした。
長期金利が0.7%台になる、マイナス金利を折り込む、そりゃー銀行株はストップ安になると。
8月5日は日本はデフレを、アメリカはリセッションを折り込んだ。
4-6月期のGDPがその前に比べて2.8%増えたので、7-9月期にはその記録を超えないといけない。
経済というのは常に新記録を出さないといけない。
オリンピックのように何年ぶりの記録更新ですではなく、毎回更新しないといけない。
だから営業マンが大変。
サラリーマンたちは毎回毎回、月次で年次で新記録の更新を求められている。
株式市場の人たちは前年比で利益10%増とか言うわけじゃないですか。
やっている人にとってはとても大変な事。
だからインフレご馳走様なわけですよ。
価格上昇で売上も上昇しやすい。

それがデフレに戻るかもしれないと折り込んだのが8月5日。

最近の債券の動きは?

もう1%に戻らないですよね。
最後に1%付けたのは8月1日。
0.7台が8月5日でデフレに戻る絵を描いていた。
ピークから0.3%位下がっている。
だいたい35ベーシスポイント下げている。
35ベーシスポイント下げたら無担保コールレートはー0.1%!

相場はいつも皮肉な動きをする。
日本銀行が利上げしたからどんどん金利が上がってクラッシュするんじゃないか?と思われるかもしれませんが。
金利が上がるとデフレになりますよという絵を描いていた。

金利が上がるのもインフレを消化するのなら営業マンにとって良い事。
インフレで単価が上がれば車なら今までと同じ台数を売っていても売り上げは上がる。

しかし、8月5日に起こった事は、利上げによってローン組んでもらえなくなって車を買ってもらえなくなって価格が下がり売り上げも下がるという世界を折り込んだ。

現場では株が下がっているから投げないといけないという絵なのですが、あの時に見た遠い景色はデフレの世界だった。

間近で起こった円キャリートレードの巻き戻しは何故起こった?
円の金利が低かったから?
何で金利が低かった?
日本が需給ギャップマイナスだったから。
それを止めますと言ったから起こった。
方針転換して、今のロジックは何なのか?
今の日本銀行を動かしているモノはなんなのか?


















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