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ロンシャン競馬場とは

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パリのセーヌ川とブローニュの森の間にある競馬場で凱旋門賞が行われる。

まとめ

・高低差10m、最大斜度2.4度の上りは日本の競馬場にはないきつい勾配

・地下茎のない洋芝で札幌や函館とも異なり、重馬場になった時に脚が沈みやすく時計がかかる

・最後の直線、特に残り400m付近が勝負所で速いギアチェンジが要求される。

オープンストレッチ

2015年から2018年のリニューアル工事で直線にオープンストレッチが設置され、2019年の凱旋門賞で採用された。

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上の赤丸で囲われた部分が内に切れ込んでいるのでインで詰まって不利が少なくなる。より公平なレースが行われるようになる。

馬場

馬場に関しては主に灌漑設備を強化してスプリンクラーを835個追加した。

排水に関しては従来通りの45cm間隔で深さ35cm幅1.5cmの排水溝(Slit Drains)。排水溝は馬がケガしないようにポリスチレンで覆われている。Slit Drainsに関しては下の動画を見てください。

土壌はセーヌ川沿いの土で芝はペレニアルライグラスで秋の草丈は9cm位。

”日本の競馬場で主に使用されている野芝は地下茎が太く、がっちりした網目を形成している。一方、ロンシャンはペレニアルライグラスという種類の洋芝。野芝とは対照的で、糸くずのような地下茎が土が見えないほど密集して草を支えている。極端に例えれば、野芝の地下茎はテニスやバレーボールに使うような目の粗いネットがピンと張り詰められた状態。洋芝は細かい目の網を丸めて、いくつも敷き詰めたような状態と言える。
このため野芝は、馬の蹄が着地するとはね返すような性質がある。日本に遠征してきた外国馬の陣営が「日本の芝は硬い」と口をそろえる要因だ。一方の洋芝は着地した蹄が沈み込むような感触。その状態から引き抜く際に、細かい地下茎が蹄に絡み付く。実際に現地の芝を視察したJRA馬場土木課の東良剛氏は「この絡み付く感じが、ロンシャンの芝の最大の特徴」と話す” ー スポニチ

日本の洋芝コースである札幌競馬場・函館競馬場の芝コースではケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ペレニアルライグラスという、3種類の洋芝が使われています。

ペレニアルライグラスはそう生型で地下茎やほふく茎は展開しませんが、ケンタッキーブルーグラスは地下茎を展開するので札幌や函館の洋芝とロンシャンの洋芝は異なります。

一番大きな違いは雨が降った時です。

野芝や地下茎のある洋芝の競馬場は雨が降って地面が柔らかくなっても地下茎がしっかりしているので馬の脚が沈みすぎることはありません。

一方、地下茎のない洋芝の競馬場は馬の脚が柔らかくなった地面に沈み込みやすいので重馬場になった時は地下茎のある競馬場に比べて時計がかなり遅くなります。

2019年の凱旋門賞がまさに馬の脚が沈み込むひどい馬場状態でした。

レース展開

「序盤から速いスピードで走らせないといけないので、イギリスの馬のように強いスピードで行く馬の方が勝ちやすい。馬場よりもリズムが難しい。日本馬はアメリカと同じように安定して同じスピードで走り続けるが、こちらはアップダウンがあるのが難しい」 スミヨン騎手

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3コーナー手前が下り坂で最後の直線が上り坂のシャンティイ、すべてが平坦のドーヴィル、そして3コーナー手前が上り坂で最後の直線は平坦のロンシャン。

コース形態の違いがスピードの差にも表れています。

上のグラフによると、ロンシャン競馬場では残り400-200mが一番速くなる傾向にあります。しかもその手前の400-600mに比べて平均で時速7キロも速くなります。

余談:1400mコース

ロンシャン競馬場の2400mのレコードタイムは2011年の凱旋門賞でデインドリームが出した2分24秒49。

東京競馬場のアーモンドアイの2分20秒6と比べると計測方式の違いを考慮に入れてもロンシャン競馬場の方が2秒以上遅い。

2400mに限らず、どの距離でも東京競馬場の方が速いのです。

唯一、1400mコースを除いて。

東京競馬場の1400mのレコードタイムは2019年の京王杯SCでタワーオブロンドンが出した1分19秒4。

これに対してロンシャン競馬場は2015年の凱旋門賞の日のG1でメイクビリーヴが記録した1分17秒05。計測方式を考えれば3秒も速い。

なぜか?

一番上のコース写真をご覧あれ。

理由の一つは1400mコースがロンシャン競馬場の一番高いところからスタートして下りと平坦だけ。

もう一つは非常に緩いカーブと直線でスピードに乗りやすいという事。




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