凱旋門賞の前哨戦3レースを振り返る
前置き
昨日は重馬場で3レースはフォワ賞とヴェルメイユ賞がロンシャンのよくあるスローペースからの直線の500m勝負。
ニエル賞は全く別で、残り1200m区間が最速の消耗戦になった。
下に各レースの勝ち馬のラップとスピードの推移をあらわしたグラフがあるので一目瞭然。
上からニエル賞、ヴェルメイユ賞、フォワ賞の順。
2400mコースはスタートから400mが平坦、400~1000m区間で高低差10mの上り坂、
1000~1500m区間はそのまま3-4コーナーにあたり10m下る下り坂。
ラスト900mが平坦。
前半の上り坂はゆっくりと走り、3-4コーナーの下り坂で徐々にペースアップするが落ち着いたペースアップ。
そしてラスト500mで勝負になって残り400~200m区間が最速になるのがよくあるロンシャン2400mの展開。
フォワ賞とヴェルメイユ賞は見事にその流れになった。
ニエル賞
1着〇シムカミレ
2着△ラス―
3着▲トゥル―テスタメント
シムカミレは同じコースのパリ大賞典でも逃げたが直線まで我慢したよくあるロンシャンの2400m戦をした。
それが今回は下り坂で仕掛けたのは調教師の指示かわからないが少なくとも騎手がテン乗りだったのは関係しているだろう。
パリ大賞典は1着のOnestoが愛チャンピオンSで1/2馬身差の2着、4着のエルダーエルダロフはセントレジャー勝ちとレベルの高いレースだった。
ニエル賞では残り1200mで最高速を記録してからの失速ラップ。
消耗戦に持ち込んで逃げ切ったシムカミレは耐久力とスタミナに優れた馬だ。
パリ大賞典でもゴール前で差し返そうかという動きをしていた。
母父ピヴォタルで重馬場が得意なのも有利だった。
凱旋門賞ではタイトルホルダーの2番手になるのかハナを奪いに行くのか。
今回のように早仕掛けをすれば本番では前に厳しい流れになる。
2着のラス―は仏2000ギニーで上がり最速だったように瞬発力の馬。
昨日は後方待機から展開が向いたが差し切るまでの力はなかった。
3着トゥル―テスタメントは父が重馬場に強いシユーニ(その父ピヴォタル)でシユーニxガリレオは2020年凱旋門賞馬ソットサスと同じ。
粘りが身上の馬で3着に入った。
地味ながらバテないしぶとさがあるので捨てきれない馬。
4着ドウデュースは残念な結果だった。
武騎手のコメント
「今日は本番に向けて追い切りを兼ねたスクーリングという意味合いもありましたので、まだ全力を出せる状態ではなかったように思います。最後は少し脚が上がってしまいました。逆算して調整しているので、これから状態は上がってくるでしょうし、今日の結果に失望することはないと思います」
右手前で走っていたとかも直線に入った時にはかなり疲れていたからだと思います。
敗因は複合的、
前哨戦仕上げで息が持たなかった。
前半の上りもいつも以上に脚をあげて少し走りづらそうにしていたのでロンシャンの重馬場も苦にしていた。
いつもと違う走りをして前半でスタミナを消費してしまった。
1200mのロングスパートの消耗戦でバテた。
個人的には2歳の時からシアトルスルー似で『高速馬場の時計勝負こそ』と思っているのでロンシャンの重馬場2400mは難しい。
ヴェルメイユ賞
1着△Sweet Lady
2着△Lilac Road
3着◎La Parisienne
Sweet Ladyの逃げ切り勝ち
スローペースで上位7頭が上がり34秒台で前有利だった。
La Parisienneは直線半ばまで内側に閉じ込められていたのが響いた。
ゴール前は最速で追い込んでいるので惜しかった。
仏オークスに次いで再びの不利。
次こそ不利なく走って欲しい。
巻き返しある!
4着のTuesday も脚を余した一頭。
展開次第な馬になっているがメンバーが強くなっても3歳の斤量なら3,4着の可能性はある。
フォワ賞
1着〇Iresine
2着◎Bubble Gift
3着△⑥Verry Eleegant
3レースで最もペースが遅かった。
少なくともヴェルメイユ賞よりも上がりの速かった1着Iresine以外は力が劣る。
そのIresineも去年はディープボンドの3着。