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ジャックルマロワ賞 パレスピア“the best miler I’ve ever ridden”

予想は外れ、予感は当たる。

予想はデータや過去の実績を自分の妄想を肯定したり不安を打ち消すのに採用し、その結果足りない頭でわかったような気になって出すもの。

予感は過去に経験したものが無意識化で積み重なって本能的に不安や違和感などで伝えてくれるもの。

なんとなくこうなる気はしていましたが、ポエティックフレアから行きたい自分を変えることはできなかった。

なんであの時こうすれば…というのは良くあることですが、できなかったことはできなかったのです。
その失敗が次に活かせるようなものならば良いのですが漠然とした予感めいたものは難しい。
どうしても無意識下よりも意識下を重視してしまう。
賭け事や勝負に強い方々は無意識下の声を素直に聞けるのだと思う。

“the best miler I’ve ever ridden”

フランキー・デットーリ騎手のセリフです。
パレスピアはフランケル以上なんですね、わかりました。

勝ち時計 1分35秒96
レースラップ 15.06-11.71-11.41-11.45-11.62-11.60-11.34-11.74

ジャックルマロワ2021

入りの2ハロンが遅く、8頭がほぼ一団。
800m通過時点で先頭から最後尾までわずか0.61秒差という団子状態。
それでいて3ハロン目から11.41-11.45とペースが速くなり持続力勝負になり、さらにラスト400mで加速できるかどうかの瞬発力まで要求されたハイレベルなレース。
2着のポエティックフレアも強かったが勝ったパレスピアは更に一枚上だった。


“I’ve made no secret of the fact that I lost a lot of time with him,” he said. “He had a blood disorder and I couldn’t run him in the Sussex, and we’ve come here on the complete minimum of work.
“Frankie reported that he came there smoothly and his class got him through. He’s blowing hard, but it’s the Jacques le Marois and if you don’t come to the Jacques le Marois, it’s rather a pointless year. We always wanted to come back here but I’ve run a horse who is only on 80 per cent.” ゴスデン師


ゴスデン師が語っていたようにパレスピアは万全の状態ではありませんでした。
血液検査の結果グッドウッドのGⅠ、サセックスSを回避。
調教もしばらくは思うようにできませんでした。

それでも完勝でした。

“I got on the tail of Mickael [Barzalona on Victor Ludorum] and kept an eye on Kevin. When he kicked [on Poetic Flare] I went after him. Basically I raced on my own for the last 200 metres. I passed him and then Kevin fought back. He’s so good that he keeps on doing it.” デットーリ騎手


道中はヴィクタールドラムの後ろに付けてポエティックフレアをマーク。
ポエティックフレアが動いたのを見てフランキーも外から上がって行った。

ポエティックフレアが初ムチを入れたのは1分20秒で残り280m付近。
パレスピアは1分22秒で残り200m手前。

ムチの回数制限が有るからムチを大事に使うようになっている。
日本でもルメール騎手はムチを入れるのが他の日本人騎手よりも遅く、待てる。
彼の日本での成績がいい理由の一つだろう。

スタンド側のラチ沿いを走る有利を活かしてポエティックフレアも最後まで詰め寄ったが少し足りなかった。
ゴスデン師はパレスピアが最後に失速したのは十分な調教ができなかったためだと申している。

3着のオーダーオブオーストラリアは良馬場の平坦がやはり得意ですね。
4,5着馬の3歳勢は秋にはさらに良くなるでしょう。

ヴィクタールドラムとアルパインスターは残念ですがもうGⅠでは厳しそうです。

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