有馬記念 気になる馬達
前回で選んだ8頭をどう順位づけするか。
枠順も大きく影響するが、現時点でわかる範囲で考えてみる。
展開が重要
今年はタイトルホルダーのペース。
他に前半で仕掛けていく馬もいないし、騎手変更組でも何か変化を起こすならレースの後半だと思われる。
タイトルホルダーは外枠から逃げて勝った経験もあり、状態さえよければ枠は大きな問題にならない。
タイトルホルダーが逃げた中山のレースのラスト5ハロンは
日経賞 12.3 - 12.0 - 11.7 - 11.2 - 11.8
弥生賞 12.6 - 12.3 - 11.6 - 11.0 - 11.9
皐月賞 11.4 - 11.9 - 12.1 - 12.3 - 12.6
皐月賞は残り1000mでレッドベルオーブが外から上がって行ったのに釣られてペースアップしてしまったので変なラップになっている。
日経賞と弥生賞はGⅠではないので楽できたのもあるが、基本L2最速の600m勝負になる。
この展開なら前で競馬できる馬達が有利。
極端な追い込み馬は届かない。
菊花賞、天皇賞春、宝塚記念のGⅠのラスト5ハロンは
菊花賞 12.4 - 11.7 - 11.5 - 11.4 - 12.2
天皇賞春 12.0 - 11.9 - 11.5 - 11.7 - 13.2
宝塚記念 11.9 - 11.8 - 11.9 - 12.0 - 12.4
阪神の方が中山よりも早めにペースアップしているのは中山がラスト800~400m区間が平坦なのに対して阪神はラスト800~200m区間が下り坂というコース形態の違いによるもの。
中山でL2(ラスト400~200m区間)最速なのは直線の入り口なのと下り坂があるため。
タイトルホルダーに残り600m地点までゆっくり走らせたら直線で彼を捕まえるのは非常に難しい。
イクイノックスやヴェラアズール級の末脚を持つ馬が好位にいないと届かない。
イメージは2017年のキタサンブラックが逃げ切った有馬記念。
誰もアクションを起こさずにタイトルホルダーに楽逃げをさせるのならタイトルホルダーが軸馬で決め手のある先行から好位の馬を相手に考える。
タイトルホルダーは当然マークされるが、一番人気想定のイクイノックスの出方も騎手達の作戦に大きく影響する。
イクイノックスの位置取りは枠順次第。
皐月賞の失敗から前に馬を置くことを最優先事項にするのでポジションは積極的に取りに行かない。
ただ、枠の並びで好位になるかもしれないので本当に枠順次第。
タイトルホルダーの後ろの先行馬がプレッシャーをかけてラスト800mからペースが上がれば2015年の有馬記念のイメージ。
それでも先行馬有利かよって(汗)
強い馬はそう簡単にバテない。
ポジション的に有利なのがジャスティンパレス、ディープボンド、ポタジェ、内枠のジェラルディーナ。
そこにイクイノックスとヴェラアズールの末脚がどこまで届くか。
波乱があるとすれば中山の下り坂ラスト1000~800m区間でペースが速くなった時。
1000mのロングスパートは強い馬にも厳しい。
そうなると差し馬の出番。
行動を起こしそうな騎手の岩田父はイズジョーノキセキで早めに仕掛けるような馬ではないし可能性は低い。
もしかしたら福永騎手のボルドグフージュがこれまでよりも積極的なレースをするかもしれない。
アカイイトの幸騎手も前走で仕掛けのタイミングを後悔していたので早めに仕掛けるかもしれない。
残り1000mからレースが動けばスタミナタイプと後方待機の出番。
ボルドグフージュ、イクイノックス、ヴェラアズール、外枠のジェラルディーナ。
前のタイトルホルダー、ディープボンド、ジャスティンパレスがどこまで粘れるか。
果たしてどんな展開が待ち受けているのでしょうか!
ワクワクしますね!
逃げ
タイトルホルダー
先行
ブレークアップ
ディープボンド
ボッケリーニ
好位
ウインマイティ―
アリストテレス
ジャスティンパレス
ポタジェ
差し
エフフォーリア
ジェラルディーナ
イズジョーノキセキ
イクイノックス
ラストドラフト
ヴェラアズール
追い込み
ボルドグフージュ
アカイイト
評価
勝ち負け
イクイノックス 一番強い
ジャスティンパレス 春とは違う馬
2着候補
タイトルホルダー 小回り大好き
ボルドグフージュ スタミナを活かして
3着候補
ジェラルディーナ 覚醒牝馬
ディープボンド リピーター枠
次点
ヴェラアズール 鋭い決め手が活きる展開かどうか
ポタジェ 他の馬に不利があれば
馬達
イクイノックス
皐月賞で前に馬を置けずに外々を周って2着は非常に強い内容。
皐月賞の実績が重要な有馬記念では大きなプラスポイント。
溜めれれば爆発的な脚が使えるのを証明した東京での二つのGⅠ。
今年の3歳クラシックのレベルは高い。
ルメール騎手が継続騎乗しているのもプラス。
タイトルホルダーの逃げ粘りを十分に理解してレースプランをたてるだろうから今回は中団待機になるだろう。
トモから下腿部の筋肉がさらに立派になってきたのでこの馬の決め手に敵う馬はいないんじゃないか?
真ん中から外で前に馬を置ける枠の並びを希望
ジャスティンパレス
皐月賞が9着と良くないが、春まではムチに過剰反応するなどまだ馬が幼かった。
秋には身体が丈夫になっていたし、鮫島騎手とのコンビも上手くいっていた。
好位で競馬できるレースセンスと3000mGⅠで勝負できるスタミナは中山2500mで〇
菊花賞の上位3頭の中ではもっとも3000mに向いていなかったのに0.1秒差というのはこの馬の能力の高さを表している。
特に今回のタイトルホルダーのペースだとジャスティンパレスの位置取りは有利。
2200mの神戸新聞杯での強い勝ち方も非根幹適性〇
この秋のGⅠではCデム、レーン、ムーアと外国人騎手が勝っているのでマーカンド騎手がここで勝つのもありでしょう。
ちょっと中山の仕掛けどころを悩んでいる感じもありますが。
タイトルホルダー
凱旋門賞は下りに差し掛かった1000~1200m区間でペースアップしてしまい消耗戦にしてしまった。
あのガイヤースだってオーバーペースで潰れているんだからあの敗戦は気にしてはいけない。
問題はダメージが残っているかどうか。
それも調教量を見れば問題ないことがわかる。
しっかりと乗り込んでいるので力を出せる状態で出てくるだろう。
去年の菊花賞後よりも状態はいいだろう。
タイトルホルダーが基準になる。
何頭がこの馬を差せるだろうか?
是非レースでもトナカイ帽子をかぶって出てきてほしい。
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ボルドグフージュ
追い込みタイプのこの馬はタイトルホルダーのペースには合わないように見える。
しかし、ここ2戦のレースぶりから今回はより積極的なレースをしそうな気がする。
友紀子夫人 「ボルドグは1週前追い切りの動きがすごく良かったですよね?」
宮本師 「そうやねん!! 併せたクインズメリッサも動くんやけど、一瞬でかわした。ちょっとずつ良くなってきている。騎手がみんなアレンジして乗ってくれて、レースぶりも良くなってきた。今回は福永君が乗ってどんな競馬をするか楽しみやわ」
レースの入りは今まではゆっくりだったのが変わるのか?
それともマクって行くタイミングを早めるのか?
ステイヤーだけど京都新聞杯で2分9秒8という速い時計も経験し、菊花賞もコースレコード。
2200mと3000mという非根幹での強さも〇
成長分を合わせれば位置取り次第で十分にチャンスがある。
ロングスパートやハイペースでの消耗戦で強い。
ジェラルディーナ
覚醒牝馬は2020年のサラキアと同程度に扱いたい。
サラキアは人気がなかったがジェラルディーナは人気してしまうのが残念。
エリ女は外差し馬場に助けられた面もある。
オールカマーの内枠での積極的な位置取りは横山武史騎手によるものだがCデムーロ騎手はどうだろうか。
外枠なら前走を意識した位置取り。
内枠なら中団になるか?
ゴール前で強襲してどこまで。
ディープボンド
去年〇にしたのと同じような感じで仕上がってきた。
3着候補だけど良馬場なら掲示板率はとても高いと思う。
今年のリピーター枠。
勝ち切るには決め手に欠くが人気的にもディープボンドの2,3着は外せない。
ヴェラアズール
京都大賞典の勝ち方は差し馬場の有馬記念にピッタリの走り方。
外を不利なく自分のペースで加速してL2で10秒台を出してゴール前の失速も他の馬とは比べ物にならない。
ジャパンカップは京都大賞典とは違う走りで勝った。
直線でも馬群の中で周りに合わせながら細かく脚を使って馬も外を見たり窮屈さを感じていた。
そして前にスペースができた残り200mで一気にダイナミックな走りへと変えて前を向いて全力疾走。
前脚の上がり具合を見れば直線半ばまでとゴール前とで明らかに違う。
完全に本格化した馬の走り。
外差しが得意な馬かと思いきや馬群の中でも勝てたのは大きな収穫。
有馬記念も枠次第。
タイトルホルダーに有利なペースだとすれば外差しでは届かない。
内でジャパンカップのような位置取りができればいいのだが。
小回りは本来はあまり得意ではないがダートで訓練されて走れるようになっている。
東京でシャフリヤールやダノンベルーガに勝ったのはトップレベルの証。
じゃぁ何故に評価が低めなのかと言うと、直線長いコースの方が良さそうだから。
ゴール前の鬼脚を繰り出すには直線での加速が必要。
同じトップレベルの馬達との比較でその点で劣るかなと。
惜しくも届かずになりそう。
ロングスパートやハイペースになったらスピードに乗れるのでチャンスが出てくる。
ポタジェ
天皇賞秋は苦手な瞬発力勝負になってしまった。
大阪杯のような上りが35秒以上かかる展開と馬場が得意で有馬記念はこの馬に合いそう。
今年1月のAJCCの負けが気になる。
宝塚記念はレコード決着を前半ゆっくり入ってしまいレースに参加できなかった。
2200m以上の経験が少ないのでこれだけで評価を下げるのもどうかとは思うが、今回のメンバーはスタミナも底力もある馬達が多い。
ポタジェはどちらかと言うとメンバーが薄い時に隙間を突いて上位に来るタイプ。
今回の8頭の中では一番評価が低い。
ただ、こういう人気のない実力馬は他の有力馬に不利があった時に3着に入るかもしれない穴馬になる。
3連系のヒモのおさえ。