株:12月11日 マーケットプレスの岡崎さんのお話
このnoteは素人の妄想の垂れ流しであり、特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではなく、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものでもなく、将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものでもない。
最終的な投資決定は読者ご自身で判断するっス。
雇用統計は悪化している
表面的には悪化していないように報じられていますが、失業者はどんどん長期化している。
アメリカの失業者は700万人位いる。
失業期間は中央値だと11週間、長い人から数えて350万人目の人が11週間。
しかし、平均値は23週。
数で言えば11週間前後の人が多いのだが、長く失業している人たちがどんどん増えている。
金融危機前は失業期間の平均は10~20週で循環的に動いていた。
ところが金融危機の後に長期失業者が増えた。
半年以上の失業者が160万人位。
たぶん、これがトランプ大統領を支持している人たち。
金融危機から16年経ったがまだアメリカの傷が癒えていない。
この長期の失業者は高齢化していて、失業者はより高い賃金を求めている、帰ってこない職場を求めている。
なので移民を排斥してもこの人たちに仕事はないだろう。
これはアメリカの一つの問題。
解決しなくても若い人たちを相手にしていれば経済は回りますから。
フローの経済というのはそういうモノ。
しかし、ストックの経済というのが合って株や債券、貯蓄などの経済。
そしてこの失業者も『負』のストック。
働いている人たちは『正』のストック。
この問題が解決しないままに新しい時代が始まるのか。
しかし、今日明日のマーケットでは考えなくていい。
何時かはこの『負』のストックが問題になるがその時には新たなトレンドが生まれる。
それまではマーケットはこういう問題は無視して動く。
注目は来年の1,2月に行われるアメリカの銀行の決算
商業用不動産の貸付問題が出てくるだろう。
これが一つのリスク。
もう一つは利下げがあと1回しかないと分かった時に株式市場がどう動くのか。
今は中立金利2.9%とFFレート4.5%で1.6%の差がある。
期待大好き株式市場がこれがあと1回しかないと分かった時の反応。
アメリカの利下げが終わるまでは日経平均も大人しいだろう。
先週スキューが170を超えたが、今は個別株オプションでとんでもなくコールが買われている。
スキューはSP500のオプションの形。
スキュー170と言う事はプットオプションの方が1.7倍ボラティリティが大きいと言う事。
一方で個別ではコールの方がボラティリティが大きい。
NVIDIA、テスラとビットコイン系、SNS系のコールが上がっている。
個別で逆スキューが起きて、SP500でスキューが高くなる時は一部の銘柄が高くなっていると言う事。
それが以前のマグ7ではないのが今のマーケットの怖さであり、危うさ。
NVIDIAはTSMCの月次で下げたが130ドルがポイント。
プットで130まで多いのでここを下回ると危ない。

日本の企業物価指数が3.7%で予想3.4%を上回った。
前月比では0.3%の上昇。
輸入物価は1.2%下落、前月比では1.5%上昇。
これで3か月連続の上昇。
来年の7~8月くらいには再び日本のCPIは加速するのでそれまでのどこかで利上げをしなければいけない。
しかし、今ではない。
圧倒的に今ではない。

春闘で賃金が上昇したのは喜ばしいことで、実際に4月から『二人以上の勤労世帯』の企業からの収入が30万円近く増えた。



可処分所得が増えた。
なので、次に期待するのは消費が増える事。
しかし、消費に向かったのは3万円だけで家計は黒字。
消費は10項目に分かれているが、食料品は去年に比べて7か月間で1万5千円くらい上がっている。
交通通信は過去7か月で2万円位減っている。
去年に比べれば今年は日本人は旅行をしなかった。
増えたのは『その他の消費』、つまり家族のお小遣い、仕送り、交際費。
この使途不明金がこの7か月で1万7千円増えた。
増えた賃金は何処に行った?
貯金と新NISA
有価証券純増が2万円弱。
住宅ローンの早期返済も2万円弱増えていた。
つまり、賃金は増えたが消費にはあまり周っていない。
春闘が上昇した初年度の歯車が噛み合っていない。
作戦は失敗したかに見える。
しかし、重要なのは賃金上昇が続いて行くと国民が実感する事。
それによって消費が増える。
なので来年の春闘が重要。
2年目、3年目になってようやく賃金上昇→消費増の成果が出てくる。
ところがここで金利ばかり上がると家計のバランスシートが縮小される。
バランスシートが小さくなると経済は縮小していく。
仮に金利を上げて日本の家計のバランスシートが縮小を続ければ銀行株は暴落。
銀行はバランスシートが大きくなる経済で大きくなる。
バランスシートが大きくならないと銀行は儲からない。
バランスシートが小さくなって借金を返済されたら利息がもらえない。
債券で言えば早期償還みたいなモノ。
今の日本の構造だと金利を上げれば銀行株は下がる。
まぁ、これは家計だけの極端な話でそんな事はない。
しかし、典型的な日本人は金利が上がるとなれば早期償還をする。
もらった賃金は全部借金返済に回ってしまう。
だからまだ利上げしてはいけない。
TSMCの月次で表面的には34%伸びているが
投資のトッププロは季節調整をかけて前月比をみるが、3か月連続で落ちている。
その鈍化したところにNVIDIAに対する嫌がらせニュース。
TSMCに関しては月次が出てこんな風に動くというのは今までと違う。
いままではTSMCの理由で落ちた事はなかったのが、TSMCの理由で落ちたのが大事。
それを見て今日の日本の半導体株が売られている。
オプションに関して
オプションを見る時のポイントはSQまでの3週間くらいのスポット価格の動きとインプライドボラティリティの動き。
今日もインプライドボラティリティは22%くらいあると思うのですが、ここ3週間の株価は上がっている。
株価は上がっているがボラティリティは下がっていない。
つまりこれはコールオプションの踏み上げがある。
コールオプションの踏み上げというのは、コールオプションの買い戻し。
コールを買うのでボラティリティは上がってくる。
今日の午前だったら38500のコールは誰も売ってくれない。
株価39300だから39500や40000のコールは売ってくれるかもしれない。
もっと早い段階でケリを付けなければいけなかった。
個人投資家、機関投機家はキチンとケリをつけづに終わる。
日本でも『オプションの先生らしき人』がコールを売ればもうかりますよ、現物を買えばいいんです、というけどそれではヘッジした事にならない。
正しくは39000のコールを売っていた人は、39000で踏まれた時に、39000のコールを買えなくなるので先物を買ったとしましょう。
先物を買った時には同時に39000のプット(これはアウトオブザマネーなので売買可能)を買って『39000コール売りと39000プット買い』で合成先物の売りを作る。
この合成先物の売りに対して12月限先物の買いを入れて完全ニュートラルにする。
ここまでやらないといけないのですが、みんなやっていない。
なぜならやったら儲からないから。
5円10円しか儲からない。
投資家はもっと儲けたいからそういう事はしないで最後の最後まで粘って何か勝負をしようとする。
その、『何か勝負をかける』というのがどこに現れるかと言うと、建玉のバランスが崩れてくる。
コールとプットの建玉が狂ってくる。
完全にニュートラルにしていたらプットとコールの建玉が一緒になるはず。
39000のプットとコールの建玉が一緒ならこれはポジションは完全にアービトラージになっていると見ていい。
コールオプションを売っていた人が踏みあがっていますけど、コールオプションを買っていた人たちは含み益になっている。
この儲かっている人が39000のコールオプションを買い持ちにして儲かった儲かったと喜んでいるが、売ろうと思った時には今度は買う人がいない。
インザマネーになっているのだから先物を売ればいいと思うじゃないですか。
ここに気が付くのがだいたい2日前の水曜の午後。
水曜に急にさがるのがこれ。
インプライドボラティリティ下がっているのであれば普通の相場でコールオプションは踏まれていない。
株価が上がってインプライドボラティリティが下がらなければSQに向かって打ち返しが来る。
またはSQに持ち込まれるから下がる。
プットは高い価格がインザマネーになる。
コールは安い価格がインザマネーになる。
今回はアウトオブザマネーのプットの建玉とインザマネーのコールの建玉。
上がってきた中でのSQなのでコールのポジションだけ見ていればいいかな。
これが株価が下がってくると、39000のプットを売っていた人たちが踏み潰されていくので波乱要因になる。
債務問題
債務の問題で大騒ぎをしているが、今のところアメリカに替わる国が表れていないので考えなくていい。
CDSも韓国やシリアのCDSは見なければいけないが、日本はこれだけ財政赤字が増えたとて日本のCDSはビクともしない。
日本には世界中でもっとも『税制赤字悪玉論者』や『財政均衡論者』がスゴイ多い。
(素人:金利上がるから借金を返そうという人が多い日本らしいですね)
世界ではあとはドイツくらいじゃないでしょうか。
アメリカではそもそも経済学で財政論の講義はないんじゃないか。
岡崎さんの大学時代には財政学の権威という方がいらっしゃった。
申し訳ないんですが、古くなってしまった。
財政論は完全に変わったのに日本のメディアはいまだにこのマーケットの現状とはそぐわないご意見をお持ちの方々がTV番組に呼ばれている風潮がある。
日本のメディアは財政均衡論が好きな誰か(ざいむ省?)に財政均衡をやらなきゃダメだと言われている何らかの圧力に屈してうごいている。
アメリカは移民なしで成長できるのか
岡崎さんは関税はどんな形でも悪手だと思っている。
移民は何種類かに分ける必要がある。
アメリカにとって必要なのは若くて優秀な人達。
特にアメリカのように資本が音を立てて唸っている所では若くて優秀な人材必要。
俺の才能に投資しろとか、俺の発明は金になるとか。
それがフカシだとリーマンショックになってしまう。
そうならないためにも海外から優秀な人材を入れなければいけない。
優秀な人材はWelcome
不法移民の人たちも役には立っている。
若くて安い労働力を提供してきた。
これに関税がかかるとアメリカのインフレ圧力が高まる。
だけどその状況の中で10年金利が1年金利よりも高くなっているのは何故か。
ここを今世界ははてな?と考えている所。
通常は長短金利の比較は2年金利と10年金利で見ている。
しかし、2年金利の公式記録は1976年からしかない。
はじめてアメリカが激しいインフレに襲われた1973~74年のデータがない。
なので岡崎さんは1年の米国債券を見る。
1年金利の水準は、例えば今ならFFレートは4.5%である。
1年後の今頃のFFレートは3.5%であると。
これが真っすぐ低下していくのなら、2で割って4.0%
なら4.0%でいいんじゃないの1年金利は?という発想。
ところが今の1年金利は4.2%だから1年後のFFレートを3.75%とかに予想している。
この1年金利と10年金利がずーっと逆転状態が続いていた。
その時の説明はインフレと闘うためにFFレートが高止まりしている。
その結果失業率が上がって軽い景気後退になっていきますよ。
景気が悪くなればインフレが下がってやがてFFレートが下がっていく。
だから1年金利は1年先のFFレートを見ているから高いんだけども、10年先のFFレートは今よりもうんと低い数字になるはずだから4.0%でいいんじゃないか。
こういう話で説明されていた。
9月に利下げが始まって両方下がった。
FFレートの終着駅はあの時は2.6%位だと思って勢い込んで1年金利が下がりました。
ビル・ダドレ―の景気後退が来るかもしれないというアラームも鳴った。
10年金利は大慌てで3.6%まで下がった。
ところがその後、そんなに慌てて景気後退は来ないなというのがわかってしずしずと10年金利が上がって、1年金利はFFレートが下がると言う事で3%台にいて、めでたく逆転現象は解消されたと皆思っていました。
ところが11月になって1年金利がするすると上がってきた。
CPIのコアも3.3%以下になりそうにない。
トランプ次期大統領で関税引き上げでインフレになりそうだ。
しかし、10年の金利は1年よりも上がらなかった。
4.46%で折り返して4.1%まで下がった。
減税政策が上手く行ったり、アメリカの成長が続くとすれば5%になってもおかしくないのに4.2%。
これはアメリカの成長は皆が思うほど簡単ではないと予想しているから。
債券市場は一ミリでも合理性がある方に流れる。
株と違って債券はバラ色の夢を見ない。
債券市場の関係者は暗い夢が好き。
債券は不安が集まり、株は期待が集まる。
債券は固定利回り。
固定利回りを買うという事は景気が悪くなってほしい。
今自分が買った利回りが一番高いと思いたい。
株は今自分が買った株が上がると思っている。
それに対して債権は、将来利回りが下がる、将来インフレが収まるという気持ちで買う。
債券にはFRBという法王がいる。
FRBは異端を認めない。
日本には仏教で様々な宗派がある。
これは日本的な宗教観。
ヨーロッパのキリスト教は徹底的に異端を追放する。
欧米の金融政策は異端を認めない。
日本は異端を認めるから中立金利が生まれない。
今のFRBにとってドットチャートがカソリックであり正統派。
その時々によって動くが、『今の聖書』はドットチャート。
法王が自ら変えていくのでそれはアリ。
日本の場合は聖書がなくてエコノミストが好き勝手なことを言っている。
7月に利上げすると騒いで利上げしたら株価暴落したのにだれも責任取らない。
利上げ予想する人はいるが、利上げをしたらどうなるかを予測する人がいまだにいない。
12月に利上げすると言う人に、それじゃ株はどうなりますか?と聞いても『それは私の仕事じゃない』となる。
今のアメリカの10年金利が1人金利よりも上がらない現状は何か危ないモノを予想している。
この危ないモノは何かというと70年代と80年代に起きたスタグフレーション。
利上げをして失業率を犠牲にしながらインフレをやっつけていくというX型の作戦が金融政策の基本。
しかし、失業率を犠牲にしたけど結局インフレも上がってしまったと言うのがスタグフレーション。
利下げをしたら経済が強くてインフレ再燃してしまった。
今のFRBの考えでは利上げの水準が低すぎた。
もっと利上げしなければいけなかった。
それがあるので今回インフレが加速しても『私たちには策がある』とジャネット・イエレンが肝っ玉母さんのように任せておきなさいと言ったのは、あんたたちが信じられない所まで金利を上げるからねと。
だから0.75%の利上げを3回も行った。
そこでぶったまげて参りましたと岡崎さんはイエレン信者になった。
0.25づつやるモノだとおもっていたのが0.75を3回。
これでインフレを退治できると判断したのが2022年の11月。
ハード、ノー、ソフトとランディングが色いろ言われたが、ランディングとは金融緩和の終着駅を見つける事。
終着駅が2.5%だと思っていたのが2.9%まで上がってきた。
中立金利が0.4上がったと言う事は10年金利も最終目的地が0.4上がると言う事。
1年金利と10年金利がなぜに一緒なのか?
4.2%ならば通常10年金利が見ている中立金利は3.2%くらい
しかし1年金利が見ている終着駅は3.7%とか3.8%
これがどちらも正しいとすれば、今の利下げ局面は4%を切った所で終わってしまう。
だけどその後にもう一回上がってくる。
その後にとてつもなく下がる。
そこで本当の景気後退が来る。
10年の間に場面は2転3転するというのが10年金利。
それを見るのが次のFOMCのドットチャート。
70年台のスタグフレーションの後に生まれたのが『期待インフレ率』
人々が5~7%のインフレを期待してしまった。
この期待を打ち砕かなければいけなかった。
経済は需要の事しか考えていない。
人を雇いたいという企業、モノを買いたいと言う消費者、設備投資をしたいという企業家、これ全て需要サイド。
これに対して供給サイドがいる。
『お宅の会社に勤めて上げてもいいよ』といいう高飛車な労働者。
『あんたの所に石油を売ってあげてもいいよ』という高飛車なオペック。
『お宅だったら輸出してあげてもいいよと言う高飛車なシェール。
『あんただったら貸してあげてもいいよ』という高飛車な金融機関。
70年代にはこの供給サイドを誰も考えていなかった。
この供給サイドの事を考えたのが80年代。
供給サイドの期待というモノを考えないといけないというのが経済学の進歩。
70年代はオペックと『この間までフォードで働いていたのにマクドナルドではなー』という労働者。
ここを刺激するのに減税という手段を取ったのが80年代。
さて皆さん、この日本に期待インフレと供給サイドの事を考える人がいると思いますか?
逆ですよ。
日本には期待デフレがまだあるんですよ。
期待デフレを打ち砕くまでは利上げしてはいけないんですよ。
これを砕くために植田和生さんは世界中に利上げしないと約束していた。
それなのにあの人の期待デフレを打ち砕くという意見は何処に行ったのか?
ノーベル経済学賞のクルーグマンは日銀は約束を守らないとダメだと言っていた。

日本の不動産価格は上昇する
これからも人口の1割くらいはインバウンド人口が滞在し続けるのではないか。
京都はローマになってしまったし東京はパリになっていくんじゃないか。
東京にはそれくらいのファッションセンスがあるでしょう。
それがコスモポリタンだし、都会というやつ。
それにあこがれて人が集まる。
大阪はマドリッド。
ちょっとラテン系で個性的。