「類人猿分類」の世界にようこそ
1.話題の食品スーパー「エブリイ」の急成長の一因
「類人猿分類」とは、広島県福山市に本社をおくスーパーマーケット「エブリイ」を中核とするエブリイグループで採用されている人財育成方法の一つです。
「エブリイ」は19連続増収、うち15期連続増益、9期連続2桁増収という業界も注目する急成長企業であり、「類人猿分類」はその成長の一因となっています。
類人猿分類は、チームワークの強化による業績の向上だけでなく従業員の離職率の抑制にも貢献しています。少し前の実績になりますが、2013年度の新卒40名超の1年間の離職者ゼロを記録しており、常に「業界平均を上回る定着率を実現しています。
2.類人猿を知ることが、ヒトを知る近道
「類人猿分類」とは、人間の特徴(個性)を、4つの類人猿であるオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ボノボの4タイプに分けるもので、タイプごとの違いを知ることで、相手をより深く理解し、良好な人間関係を構築しようというものです。
自分や相手をタイプ分けすることで、相手との違いを当たり前に感じられるようになります。
それは極めて簡単なことで「あの人はオランウータンタイプだから、こういう反応をするのも当たり前だよなぁ」「なるほど、チンパンジータイプはこんな風に考えるのか」といったことを実感するということです。
相手のタイプと類人猿の特徴を理解できれば、相手の行動にイラっとすることもなく、その人に合わせてスムーズにコミュニケーションをとれるようになるのです。
3.コミュニケーションの本質に迫る考え方
「相手は自分とは違う」という当たり前の考えを自然に意識することができれば、相手とのコミュニケーションは劇的に向上します。
「良好なコミュニケーション」というと「仲が良い関係」と考えがちですが、そうではありません。たとえ仲は良くなくても、考え方が違っていても、お互いを理解し尊重できれば対立ではなく協調する関係を築くことができます。
コミュニケーションを向上させたいなら、仲良くしようとするのではなく、お互いに理解しようとすることから始めればよいのです。
「なぜあの人とはウマが合わないのか」「なぜあの人の行動にいちいちイラっとしてしまうのか」といったストレスを抱えている方も、「類人猿分類」を知ることでスッキリ解消できるかもしれません。
自分と相手との違いに怒りや苛立ちを覚えるのではなく、楽しめるくらいになれれば幸せなことですよね。
4.自分を知ることから始めよう!
相手を理解すること以上に自分自身を理解することが重要です。
「類人猿分類」で自分のタイプについて理解を深めると、これまで当たり前過ぎて考えもしなかった自分自身の行動特徴が具体的に理解できるようになります。
そして、自分が周囲からどのように見られているかが分かり、自分の当たり前が他のタイプにとっては理解しがたい考え方であることに驚きを覚えたりします。
こうしたことが分かってくると、自然に相手に合わせて自分の行動を変えることができるようになります。
「何であの人はいつも私の意見に反対するのか」「何でみんな私のことを分かってくれないのか」といった悩みも「反対されないようにするにはどうすればいいか」「どのように振舞えば、皆が私のことを理解するようになるか」といった考えに切り替えられるようになります。
5.皆で成果に向かえるチームに!
「自分のことを理解し、相手のことを理解する。結果としてお互いを理解する」こうしたプロセスを、難しい理論ではなく感覚的に理解していくのが「類人猿分類」なのです。
覚えるのではなく感覚的に身に着けるため、知ったその日から、自然に
(無意識的に)行動に変化が起きます。
6.もちろん、個性は人それぞれ
「類人猿分類」の紹介をしていくと、ヒトを”分類”することに抵抗を覚えるという方もいらっしゃいます。しかし、分類することが目的ではなく、自分や相手を理解し、自分の行動が変わり、結果としてより大きな成果につながることが目的であって、分類はそのためのプロセスであり手段(ツール)でしかないのです。
もちろん、一人ひとりに対して、相手の個性を知り、そこに共感し、相手に合わせてコミュニケーションの仕方を変えることができれば、これほど好ましいことはありませんが、私たちはあまりにも多くの人たちと接しており、一人ひとりとこうした関係を築くことは、言うまでもなくとてつもない時間が必要になります。
特にビジネスの場面では、そこにかけられる時間は限られますから、「類人猿分類」で大きく4つのタイプで自分や相手の特徴を理解するというのは極めて合理的だといえます。
むしろ、分類してからの方が、人それぞれの様々な個性を発見できることができると思います。あなたが、相手に対して「チンパンジータイプだけど、こういうところもあるんだな」と思った時、その”こういうところ”は、より魅力的な個性として印象づけられるでしょう。
このように、より深く、より早く相手を理解するためのツールが「類人猿分類」なのです。
(了)