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血液型占いのはなし

日本でもっともポピュラーな性格診断といえば「血液型診断」ですが、実は血液型と性格はまったく関連がないことはご存じですか?

これまで様々な検証が行われてきましたが、分かりやすいものでいうと、性格を表すアンケートを行い血液型ごとに集計した結果、まったくと言っていいほど相関がみられなかったというものです。


日本では、京都文教大学の縄田健悟さんが「血液型と性格の無関連性」という論文を発表しています。
これは、日本とアメリカで数千規模の性格に関するアンケートを実施し、その回答内容と血液型の相関を検証するというものですが、結論は、両国とも性格と血液型には相関は見られなかったというものでした。

【参考】血液型と性格の無関連性 ―日本と米国の大規模社会調査を用いた実証的論拠 縄田健悟(京都文教大学)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/advpub/0/advpub_85.13016/_pdf


にもかかわらず、これほどまでに血液型占いが浸透したのはなぜでしょうか。これには二つの要因があると考えています。


理由1:バーナム効果

人間には、「誰にでも当てはまることを言われた時、自分のことのように受け止める傾向」があり、これをバーナム効果と呼んでいます。
「理由2」でお伝えするように、血液型占いの表現が極めて曖昧であり誰にでも当てはまる内容が多いことから、自然に「あてはまる」と感じているのではないでしょうか。

「几帳面だけどだらしないところもありませんか?」
「明るい性格だけど一人になりたい時もあるよね?」
人からこんな言い方をされると、たとえ当たっている要素がわずかであっても、思わず「そうですね」と言ってしまう方は多いと思います。

特に日本ではずいぶん前から血液型占いが一般化していますので、何度も繰り返し「○型は●●だ」と言われ続けると同時に、それを何となく受け入れ続けることで、無意識のうちに血液型占いへの信頼が高まっていったのではないでしょうか。



理由2:どれにも当てはまる

まず、下記の6問について、どれくらい当てはまるか数えてみてください。

①内心傷ついているが平常心を装う
②友達のことは大好きだが、一人の時間も必要
③自分を必要としてくれる人は絶対に裏切らない
④面倒臭がりでテキトーなところがある
⑤変なところで几帳面
⑥ささいなところで優柔不断

どれくらい当てはまったでしょうか。

実はこれ書籍やインターネットから抜粋した「A型の特徴」として記載されているものなのですが、他の血液型の方も該当する項目は多かったのではないでしょうか。

ある書籍では、微妙に表現を変えながら、すべてのタイプに「一人の時間が必要」「適当なところがある」という記載がありました(笑)

この曖昧さが、血液型占いを一般化させた大きな要因と考えられます。


とはいえ、皆さんも血液型占いがすべてを正しく言い当てているとは思っていないと思います。
関係ないからと言ってすべて否定するのではなく、「そういうところもあるよね」くらいの感覚で使われるのがよいのではないでしょうか。

これほど「みんなが知っているもの」も少なくありませんので、会話のきっかけや雑談の中であれば十分活躍してくれると思います。

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