日記回: 子連れで飲食店を予約しようとしたら拒否された話
2024年の大晦日、夜。
我が家は「21時ごろまで」というお約束で、家族そろって紅白歌合戦を見ていた。
4歳になったばかりの長女が、ダンス教室で練習したこっちのけんとの曲を披露してくれるのを楽しみにしていたのだけど、残念ながら初めて目にする本人の姿に圧倒されてしまい、彼女のギリギリダンスを拝むことはできなかった。
*
翌日から私たちは家族で北海道の旭川に出かけた。
正月から旅行に出かけるなんて、子どもがいなかった時でさえしたことがない。なんて贅沢なことだ。
夫は旅の計画を立てるのが好きな人。私は苦手。なので今回もほとんど夫にお任せしておいた。
聞くと今回は、朝食のみホテルで食べて、あとは外食するというプランだった。
1日目の夜は失敗だった。
旭川の駅前に泊まっていたので、観光がてら周辺をプラプラ歩き、どこか良さそうな店があれば入ろうと思っていたのに、元旦ということでほとんどの店が開いてない。働き方改革は北の大地でもしっかり浸透していた。
マイナス10℃の極寒の中、グズる子どもたちを抱っこしたりあやしたりしながら雪道を散々歩き回り、結局行き着いた先はイオンの中のパスタ屋だった。美味しかったんだけど、同じ店ならうちの近所にもある。
なので2日目は、事前にホテルで調べてから出かけることにした。
旭川は北の大地のど真ん中だけど、大きな市場があるので意外と(?)海鮮が美味しいと聞いていた。な
ので私は、使い慣れていないインスタで店探しをするのはすぐに諦め、ぐるなびで子連れでも入れる和食店を探した。
1軒、良さそうな店を発見した。
お刺身系が充実していて、子どもが食べられそうな揚げ物や一品メニューもある居酒屋チックなお店だ。個人店だろうか。
座席数もそこそこあるので食べるのが遅い子どもたちを連れて行ってもそれほど迷惑をかけないと思われる。雰囲気もカジュアルっぽい。いいんじゃないのか?
「ここはどう?」と夫にラインで店のURLを送った。すると、いいじゃん!と言ってすぐに電話をかけ始めた。
とにかく今日も営業している店が少ない。お願いだから予約させてくれ!そう祈りながら見守った。
しかし残念ながら私の祈りは届かず、お店からは予想外な回答が返ってきてしまった。
店(おそらく店主)「はい〇〇です!」
夫「あっ、すいません、今から4名で予約したいんですが行けます?」
店「大丈夫ですよー!何時ごろになりますか?」
夫「30分後には行けるかなと」
店「わかりました!お待ちしてまーす!」
夫「ちなみに小さい子が2人いるんですけど大丈夫ですかね?」
店「あーすいません!今日はお子さんの席空いてないですねー」
夫「あっ、そうですかー。わかりました!」
子連れだと伝えると、わかりやすく断られた。
ぐるなびには「子連れ可」って書いてあったのにね、と夫を顔を見合わせる。
でもそれ以上の文句は、お互いに出てこなかった。
私たちはもともと飲食店経営者。お客さんを選びたい気持ちは痛いほどわかる。
正月は営業している店が少ないということは、観光客などが集中するのだろう。そりゃあ、食べるのが遅い子連れファミリーよりも、大人グループか外国人を入れて回転をよくしたい。
来店してしまったらさすがに断ることははばかられる。電話で聞いてくれて助かった!といったところだろう。
こちらとしても、来店してから嫌な顔をされるのは気分が悪い。歓迎されていない店に無理やり足を運びたいとも思わない。
おそらく、だからこそ夫は先に確認を入れたのだと思う。さすが、飲食店の店主は飲食店のことをよくわかっている。
今日は個人店に行くのは迷惑かもな。もう探すのもしんどい。
そう思った私たちは、2日目もやはりイオンでディナーをすることにした。それぞれが好きなものが食べられるビュッフェ形式のお店だ。
子どもたちはオムライスが気に入ったようで無心になって食べていた。
でも北海道、まったく関係ない。大人目線ではやはり、2日目の夜も失敗だったと言っていいだろう。
けど、正月に家族そろって楽しく食事ができるならそれだけで十分、私たちは幸せだった。
目当ての店では「はいよろこんで」というわけにいかなかったが、子どもたちの笑顔を守ることができてホッとした夜だった。
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