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夫婦が四六時中いっしょにいられる、秘訣みたいなもの

私たち夫婦は自営業ということもあり、365日、仕事でもプライベートでも、ほとんどずーっと一緒にいて、まぁそれなりに楽しく、少なくとも苦はなく過ごしています。

うすうす気づいてはいたのですが、どうやら、こういう夫婦って、世間ではマイナーみたいで。


さいきん「コロナ喧嘩」とか「コロナ離婚」っていう言葉を、よく目にするようになりました。

とくに気になったのは、もともとはそんなに夫婦仲が悪かったわけではないのに、一緒に家で過ごす時間が長くなったことでモメはじめてる人がいるということ。

仲が良いからといって、ずっと一緒にいられるわけじゃないっていうのが、一般的みたいなんですよね。


じゃあどうしてうちは、そんな生活が成り立っているんだろう......?と思ったので、ここで少し振り返ってみることにします。

(ちなみにうち、子どもはいません)


いつだったか、なにかで聞いた話なんですけど、良い所がたくさんあるパートナーより、嫌な所が一つもないパートナーとの方がうまくいく、だったかな。居心地がいい、だったかもしれません。なにせそんな話を聞いたことがあって「ウンウン、たしかに!」って思ったんですよね。

考えてみると私たちの夫婦生活って、どれほどいっしょにいても、相手を不愉快に思うことがきわめて少ないんです(生活に慣れない初期はありました)。

まぁ、旦那の気持ちが100%わかるわけではないですが、少なくともいっしょに過ごしていて「怒り」や「呆れ」「イライラ」など、マイナスな感情(それも、マジなやつ)を向けられることはほとんどありませんし、逆もしかりです。



で、考えてみると、これには2つの大きな理由があることがわかりました。

ひとつは、仕事の日の「確立されたルーティーン」です。


たとえばうちでは、朝ごはんは何時ごろ誰が作る、お昼ごはんは何時に誰がと、きっちり決まっています。朝昼に関しては、何を作るのかもだいたいパターン化済みです。

これたぶん「その日によりけり」だったら「今日はどっち?何時に食べるの?」と、まちがいなくモメているんですよね。お腹もすいてますし。


こんなふうに、仕事のある日は1日を通して、何時に、だれが、なにをするのかっていうのが学校の時間割のように(もう少しユルイですが)決まっています。まあ、生活しているうちに、勝手にそうなったと言ったほうが正しいです。

そして、学校とちがって毎日おなじ時間割なので、すごく単純で、わかりやすいんですよね。

これは、お互いにとってすごく都合が良いです。相手の行動をつねに把握できていて、次の行動まで予測できるのですから。


たとえば、あの作業が終わったところで話しかけようとか、あの人もうすぐ買い出しに行くはずだから、その間にあれやっちゃおうとか、予定が組みやすくなります。

逆に、わざわざこちらの手の離せないときや休憩中に、用事を頼まれることもありません。


このように1日のルーティーンを作っておけば、相手のじゃまをせず、自分のペースを守ることができる。こんな生活に、ドキドキやワクワクはないけれど、逆に「嫌だな」って思うこともゼロに近くなる。

嫌なことがゼロに近くなると、まるでいっしょにいて空気のように「楽だな」って感じるようになるんです。



もうひとつは、休日にお互いの自由をしっかり確保していること。

四六時中いっしょにいるというと、つねにベタベタくっついていて、絶えず楽しくおしゃべりしてる、みたいなイメージもあるかもしれませんが、実は、全然そんなことはありません。 


たとえば、一緒に出かけた先で食事をして、それぞれの用事を別々に済ませ、そうしたらまた合流して、一緒に帰る、なんていうことはザラにあります。

映画館に行って、別々の映画を見て帰ってきたこともありました。そういえば、デパートに行って、別々の店でランチをしたこともあります。

べつに現地でケンカをしたとかじゃなく、見たいもの・食べたいものがたまたま違っただけです。相手に合わせたければ合わせてもいいのですが、強要はしないのです。

仲がいいとはいっても、意外と「やりたいことを各々やる」という、適度な距離感はあるんですよね。だから、心地いい。


別の例を出すと、たとえば私が掃除をしている最中に、彼がヘッドフォンをして録画したお笑い番組を見てケラケラ笑っていても、なんとも思いません。

逆に、彼が仕事でパソコンの前に張り付いてるそばで、私がグーグー寝ていても、怒られたり嫌味を言われることは一切ありません。

これもやはり、相手の自由を尊重しよう、という気持ちからです。


うちでは仕事や家事なんかのやるべきことを、自分のペースでやるのを良しとしているんですが、同じように、いつどんなふうに、趣味を楽しんだりくつろいだりするかも自由。

「自分は今こんなに頑張ってるのに、となりでよくも!」っていう”感情”でそれを妨げるのは、我が家ではルール違反なのです。



総じて私たちは、夫婦とはいえ、相手に配慮する気持ちが高いのかなぁと思いました。相手の時間をじゃましない配慮、相手の自由を阻害しない配慮。

自分で書いていてちょっとむずがゆくもありますが、相手への思いやりやいたわりの気持ちは、お互いに人一倍持っているんじゃないかと思うのです。


なんでそんなことができるのかっていうと、前回の記事にも書いたように、日ごろの仕事での苦労を、お互い痛いほどわかっているからなんだろうと思います。

だから、プライベートの時間ぐらいは自由にさせてあげたいし、多少の努力を伴ってでも、喧嘩をしないように、居心地のいい空気を循環させたいんですよね。


ここからは、ちょっと勝手なことを書くのですが、今、外出規制によって、夫婦そろって在宅勤務っていう人も多いかと思います。

それが原因で、最近ちょっと夫婦仲が険悪ムードだなって人も、いますよね。

そんな方は、ぜひこんな機会だからこそ、パートナーの苦労(=仕事)をじっくり知る機会にしてみてはどうかなぁと。もちろん、気持ちが落ち着いているときになんですけど。


自営業のように、パートナーの仕事ぶりをがっつり観察することは、できないかもしれません。

しかし、たとえば今なら、仕事を持ち帰っている人もいるでしょうから、見せてもらえる範囲で見せてもらったり、オンラインミーティングしているところをちょこっと拝見してみたりするのも、いいんじゃないでしょうか。

相手から話を聞くだけなのと、実際にやっている姿をみるのとでは、感じることが全然ちがうと思うんですよね。

「この人もこの人で苦労してるんだなぁ、頑張ってるんだなぁ」って知ることで、思いやりやいたわり、許しの気持ちが芽生えてきたりするかもしれません。

長い時間いっしょにいても苦にならない関係を築くための第一歩は「私の苦労を知って!」より「あなたの苦労を教えて?」なんじゃないかと、私は思います。ものを言うのは、それからでも遅くないはずです。

簡単ではないかもしれませんが、参考にしてもらえれば幸いです。






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小保下 グミ
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