わたし流、不妊治療の楽しみ方
自分の身になにか辛いことが起こったとき、その対処法は人それぞれです。
グッとこらえる人、誰かに愚痴を聞いてもらいつつ、とにかく頑張る人、逃げる人、いろいろなタイプの人がいます。
快楽主義とはいえないまでも、どちらかというと辛いことが苦手な私は、もっぱら逃げるタイプ。
就活もしてないし、満員電車とか、職場の人間関係の悩みとか、そういう多くの人が経験してきた(現在もしている)であろう辛いことからは、なるべく自分を遠ざけて生きてきました。
そんな私がいま、どうしても避けられない「辛いこと」に直面しています。不妊です。
こればかりは、お金を積もうが神に祈ろうが、ダメなときはダメで。唯一避ける方法があるとすれば、心の底からあきらめること。それしかありません。
もちろん今の私たち夫婦にあきらめるという選択肢は無く、辛いながらもしばらくは不妊治療を続けていくつもりでいます。
だけど自分の性格上、やっぱり辛いだけのことってできなくて。だからできる限り、辛い不妊治療の中から楽しみをみつけ、子ができるまでのプロセスを愉快なものにできるよう、日々励んでいます。
そこで今日は、私なりの不妊治療の楽しみ方、とりわけ「妊活きっかけではまっていること」や「これをすると心が晴れる、また頑張ろうって思える」ようなあれこれを少しご紹介しようと思います。
書いてみて結果的に「あれっ、けっこう普通のことしか書いてないかな?」とも思ったのですが、どなたかの励みになれば幸いです。
ウナギで精力を
妊活をはじめたばかりのある日、旦那と一緒に「妊活のすべて」みたいな本を読んでいました。すると、なんとそこに「妊活にはうなぎがいい」と書いてあるのを発見してしまったんです。
うちは夫婦そろってうなぎが大好き。とはいえ高価だし、今まではせいぜい年に一度食べるていどだったのですが……。
「妊活のためだよ?」
「だよな、妊活のためだよな!」
お互い顔を合わせてニンマリ。
タバコ、アルコール、カフェイン。妊娠するためにあらゆる楽しみを手放さないとならない反面、好きなことを我慢するストレスは不妊の大敵です。
だから私たちは「妊活のため」を免罪符に、思い切って大好物のうなぎを定期的に食べることにしました。
通院にお金がかかることはわかっているけれど、子ができなくて治療が間延びすれば、どんどん費用はかさんでいきます。ならばうなぎぐらい(スーパーのだし)安いものだろう!と自分たちに言い聞かせました。
今度はいつウナギ食べようか………。そう考えるだけで、治療中の辛い心もすこしだけ晴れてきます。今はほんと、にウナギさまさまです。
温泉に入って温活
まだ10代から20代前半のとき、キャミソールやミニスカートが大流行りしていてよく着ていました。ときどき知らないおばちゃんから「女の子は体冷やしたらあかんのやで」と言われたものです。ちゃんと聞いておけばよかったなぁと、今さらながらに後悔しています。
冷えは万病の元と言いますが、やはり妊活にも良くないと言われていますよね。現代の女子は体が冷え切っているらしいです。私も例にもれずで、妊活をするようになってからは腹巻きと靴下は必須となっています。
そんなわけで最近は「温泉」という新たな楽しみを見つけました。先日は足を伸ばして草津まで。
ただ商売をしていてそうしょっちゅういけるわけでもないので、お土産に「温泉濃縮液」と「湯の花」という温泉パウダーを買ってみました。
どちらも市販の「温泉風入浴剤」とは違い、ちゃんと草津温泉由来の成分が凝縮されている優れもの。うっとりするような香りはありませんが、手軽に温泉気分が味わえます。
いつものお湯より体の芯からじわーっとあったまっている気がするし、お肌にも良さそうだしで、近ごろのお気に入りです!
(効き目には個人差あると思います)
朝活ができるように
20代の半ばごろからだったでしょうか。気づくと「休肝日」という文字が私の中から消えていました。
だから妊活のためにほとんど飲まなくなって、はじめて(ではないはずなのだけど)「朝の目覚めってこんなに爽快なんだ」と知り、それはそれは衝撃的なものでした。
とにかく睡眠の質がよく、寝つくのも早い。おかげさまで今では、これまでより1時間〜1時間半はやく、それもスッキリと起きられるようになっています。
これだけでも十分ハッピーなんですが、ぼーっとするのももったいなくて、noteを書いたり料理をしたりと、好きなことを1日の初めに持ってくるように朝のスタイルを変えてみました。
「好きなことをやる」っていうのを朝のルーティンにしてしまうことで「今日は忙しくてできなかったなぁ」とがっかりすることがなくなり、結果、恐ろしく毎日が充実しています。
人生は1日の積み重ねだとしたら、充実した人生は充実した1日の積み重ね、なのかも。
とにかく今は、朝が超たのしいです。でもはやく飲みたい。
知らない街を歩くたのしみ
私が不妊治療のために通っている病院は、自宅から電車で1時間ほど離れた都内のど真ん中にあります。
背の高いビル群、おしゃれなカフェや洋服やさんに目をキョロキョロ。このあいだなんて、前を歩く通勤途中の女性のファッションがやけにオシャレで、歩道橋の階段を上がりながら思わずじっと眺めてしまいました。
決して都会だからワクワクする、ってわけじゃないと思います。例えば、病院が今住んでいる街より田舎にあったとしても、知らない街だというだけで心が弾んでいたはずです。
この次はあそこでランチしようかなとか、違うルートで行ってみようかなとか。そんなことを考えていると、病院に行くことさえちょっとした楽しみになり得るから不思議なものです。
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不妊治療なんて楽しんじゃえ!と思えるようになったきっかけは、妊活に関するnoteを検索していたときにみつけた#明るい不妊治療のススメというハッシュタグでした。
同じタグが付けられた記事をひとつ一つ読んでいると、そうだよな、明るく楽しく治療したっていいんだよな、と、心が救われた気がしました。
それ以来私は、子ができるまでのプロセスを能天気なほどに楽しんでやろうと思っています。
不妊治療は、たしかに辛いこともあります。だけど健康な体や、人生の新たな楽しみをもたらしてくれたのも事実です。
とにかくまだまだもっと、不妊治療中の楽しみをみつけるつもりです。こんなのもあるよ!なんて話があればぜひともお聞かせください♪