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太陽の塔とわたし

怪獣

みなさま、ごきげんよう。

昨日、わたしはこのアカウントの共同執筆者のkoboくんを我が家に招き、ボードゲームに興じた。

↓『ボルカルス』というボードゲームで、東京を舞台として「シン・ゴジラ」っぽい世界観が設定された怪獣サイド・人間サイドに分かれて、それぞれ破壊と防衛を目的に自分たちの計画を実行していくゲームである。

なかなか怪獣サイドの戦術が強く、人間サイドは相当戦略的に動かないと勝てないゲームであった。非常に面白かったのでぜひオススメしたい。

上記のゲームで、テーマとなっているのが、"怪獣"という存在である。正体不明の生物・怪物・未確認生物...そういった存在を、人は怪獣と呼ぶ。

実は、私は最近怪獣にであった。生物ではないけれど。

↓こんな感じ。(写真は筆者が撮影)

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太陽の塔、というもの

上掲写真は言わずと知れた岡本太郎作「太陽の塔」である。

1970年に大阪で開催された万博の目玉として建造され、今なお万博記念公園に威風堂々と直立?している塔?モニュメント?怪獣!?である。

いやー、なんというか。この世のものとは到底思えないモニュメントであった。

「圧倒的異物感」... 一眼みた瞬間から、このキーワードが私の心の中にもたらされた。

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太陽の塔には、顔が三つある。(※万博閉幕後に行方不明となった、内部に設置されていた「地底の顔」をあわせれば四つとなる)

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それぞれ、てっぺんの黄金の顔は未来・正面の顔は現在・背中の黒い太陽は過去を象徴している。

どの顔も、非常に異彩を放っており、この塔がこの世のものとは思えない印象をより強めるものとなっている。

夜になると、黄金の顔はLEDが点灯するらしい。見てみたかった...

正面のデザインが注目されることが多いが、背中側からも同様に、遠くから見ても一瞬で認知することができる意匠となっている。

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繰り返しにはなるが、わたしにはこの物体がこの世のものとは到底思えなかった。

どこか宇宙や別の世界から連れてこられて、そのまま置き去りにされた、なんらかの生物のように思えた。

日常と、岡本太郎と

太陽の塔に関しては、万博記念公園の一部として残されている為、日常生活に溶け込んだかたちにて残されている。塔の周囲を子供が走り回ったり、背中側の先に存在している広場でイベント等が行われたりしている。

しかし、生活の一部に溶け込むことを拒否しているような、そんなオーラを漂わせているのが太陽の塔である。

ちなみに、同じ岡本太郎の手によって製作された、太陽の塔と双璧を成す作品である「明日の神話」に関しては渋谷駅にて展示されており、日常生活に溶け込んでいる。

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その他、岡本太郎生誕の地である神奈川県川崎市高津区二子には、「岡本かの子文学碑」という、これまた異物感の強い作品が設置されているが、こちらも日常生活の一部と化している。

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その他にも、岡本太郎は全国にたくさんのパブリックアートを残している。

この大量のパブリックアート群は、「芸術は大衆のものであり、万人によって作られるものだ」という岡本太郎自身の思想に立脚したものである...らしい。

しかし!

その中でも、やはり太陽の塔は、「パブリックに溶け込めていない感」が強すぎると私は思う。

2017年に、デジタル映像を太陽の塔に投影する、という試みが行われた。その時の画像が以下の通り。(画像の出典元は画像をクリックのこと)

スクリーンショット 2020-11-01 18.07.12(2)

なんだこの、禍々しさ...

今にも動き出して、破壊光線を放って、街を破壊しそうな勢いである。

太陽の塔 feat.縄文土器

そういえば、岡本太郎はフランスに留学していた際に、民族学科でかのマルセルモースに学んでいた。

かつ、日本に戻った後、縄文土器(火炎型土器)に出会い、創作への着想を得たといわれる。

この縄文土器(そして縄文文化)から得たアイデアは太陽の塔にも還元されている。

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↑上記の筒形土偶は、太陽の塔の造形に影響を与えたともいわれている。

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私が感じた太陽の塔の「異物感」は、「現代日本の根底に存在しつつも、現在で失われてしまっているある種の文化(縄文文化;現代と異なる文化)」というものを、太陽の塔から感じ取ったことが関係しているのでは...と考えるのは深読みが過ぎるだろうか。

さいごに

と...まあ、ここまで色々な私見と事実を混ぜこぜに話してきたが、最後にこれだけ書いておきたい。

「太陽の塔は、異物感がヤバい!」

ぜひ、大阪(または関西)にいく際には、万博記念公園に寄って、太陽の塔を観に行って欲しい。

(taro)

[※サムネイルは映画『太陽の塔』のワンシーンである;この映画も岡本太郎の作品中に流れる思想を総花的に知ることができるのでオススメである]

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