English Breakfastという唯一無二の料理
執筆者・東京人
このnoteでは今まで食のことについていろいろ書いてきましたが、イギリスの食を語る上で欠かせないものがあることを忘れていました。
そう。”English Breakfast”についてです。
なんといってもまず、この「イングリッシュ・ブレックファスト」という名前がすごくないですか?
直訳すると「英国式朝食」になるわけですが、何がすごいって国の名前をそのまま料理名に入れているということです。そんな料理他の国にあります?
世界三大料理であるフランス料理、中華料理、トルコ料理、それに勝るとも劣らないイタリア料理や日本料理、メキシコ料理などなど世界にはさまざまな料理が存在します。ただ、これは何か特定の一品を指すわけではなく、その国を代表する料理たちを総称してそう呼ぶわけです。
これは偏見になってしまいますが、前提として世界の中でイギリス料理って上記のものほど人気ではない気がします。そしてこの前提があっていれば、おそらくイギリス料理をメインとしたレストランの数は、中華やフレンチ、イタリアンに比べたら少ないはずです。
食が有名なそれらの国に、自分の国の名前を持つ料理がないのにもかかわらず、ご飯が美味しくないとされているイギリスには「イングリッシュブレック・ファスト」という国の名前を背負った料理があるのです。なんか面白いですよね。
そもそもイングリッシュ・ブレックファストとはどんなものなのか?The English Breakfast SocietyというNPOによると、その一般的な内容は以下のように書かれています。
The 'common' full English breakfast is a substantial meal consisting of back bacon, eggs, British sausage, baked beans, fried tomato, fried mushrooms, black pudding, fried and toasted bread.
↑この記事から歴史などもわかります。
イングリッシュ・ブレックファストには、”Full Breakfast”や”Fly Up(すべてに火が通っているから)”といった別名もあるみたいです。
何よりもこの朝食がね、美味しいんですよ。
これは以前ロンドンに行ったときに泊まっていたホテルで食べた朝食です。朝食付きのところに泊まればどこでもこれが出るのではないでしょうか?(高級ホテルで出るのかは知りません・・・)
また、これは外でしか食べれないのかというとそうではありません。むしろ、しっかりと文化として根付いている家庭料理だと思います。以前、僕はイギリス人家族のところにホームステイをしていました。平日の朝は勝手にシリアルとか果物を食べてというスタイルだったのですが、休日だけはいつもイングリッシュ・ブレックファストを作ってくれていました。
それがすごく美味しかったんです。夜ご飯は毎日作ってくれていたのですが、料理にこだわりがあるという家族には見えなかっただけに、休日の朝にこれを作るということに驚きました。そして同時に、平日が質素だったという事もありとても豪華な朝食だなと感じていました。
よくよく考えると国の名前が入っている料理が「朝食」というのもなんか面白いですよね。
イギリス料理とされるフィッシュアンドチップスやミートパイ、サンデーローストなどは、お店によって当たり外れがあると思います。でも、イングリッシュ・ブレックファストはさすがに内容も複雑なものではないので外れということは少ないはずです。僕の経験上、外で食べても家庭で食べても差がなく美味しかったです。
この朝食はどこで食べてもイギリスの食文化として楽しめると思います。イギリスに来た際にはぜひ食べて欲しいです。
ちなみに、バーミンガムには水路があるのですが、そこにはボートがレストランになっていて中で朝食を食べられるところもありました。
この中に入って食べるのです。本帰国する前に一度は行きたい・・・
次に”English Breakfast”を食べる時には国の名前が入っているという偉大さを噛みしめながら食べようと思います。きっと味に影響はないですが。
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