予備試験短答式試験の勉強の進め方

はじめまして。予備試験受験生の抗弁です。
私は、今年の予備試験短答式試験で初受験ながら208点・全国60位という好成績を収めることができました。

短答式試験成績通知書

短答式試験に向けて本格的に勉強を始めたのは、試験の約4週間前からなので、実質的に4週間でここまで持っていったことになります。

そこで、僭越ながら私自身の勉強の進め方を以下で紹介していこうと思います。

使用教材


私は、短答の勉強にあたっては、全教科一貫して伊藤塾の合格セレクションシリーズを使用しました。

受験生の多くは、辰巳の短答パーフェクトや肢別本にプラスして、逐条テキストを使ってる印象です(私の大学の周りの人もそうでした)。
しかし、予備試験に限っていえば確実に合格セレクションだけで足ります。合格セレクションをしっかりこなせば、法律科目8割は必ず超えられます。
そのため、短答パーフェクトや肢別本は正直オーバーワークだと思ってます(一度実物を見せてもらったことがあるのですが、あまりの分厚さに卒倒した記憶があります)。

大事なのは、分厚い問題集をこなすことではありません。一冊の中身をいかに理解するかです。
私は、合格セレクションを4周して、中身を端から端まで血眼になって覚えました。

個人的に合格セレクションをおすすめするのは、以下の2点にあります。

1点目としては、分量が比較的少なく、短時間で周回できることです。
合格セレクションは、他の問題集と比べて、掲載問題数が少ないです。その分、予備試験受験生としては絶対に落とせない問題が厳選されているといえます。
これらの問題を何度も繰り返し解くことによって、十分合格レベルに到達できるので、非常に効率が良いです。

2点目としては、問題に加えて図表が搭載されていることです。
短答の勉強において一番重要なことは知識の整理といっても過言ではありません。ひたすら問題を解きまくっていても、知識の整理ができていなければ、一向に理解は進みません。
そして、合格セレクションには知識の整理のための図表が随所に搭載されています。この図表をうまく活用すれば、合格に必要な知識を確実に自分のものにすることができます。

これらの点が、他の問題集にない強みです。

勉強の進め方


勉強の進め方といっても、合格セレクションをひたすら周回した以上のことはしていないので、勉強の際に自分が意識していたことを共有します。

まず、これが何よりも重要だと思うのですが、難問や奇問にはさっさと見切りをつけることです。
予備試験短答式試験は満点をとらなければいけない試験ではありません。合格点に達したらそれで良いのです。
そうすると、正答率が低い難問・奇問を理解しようとするのは悪手です。これらの問題に時間を割くよりも、他の問題を確実に自分のものにした方が絶対に良いです。
解説を読んでもいまいち理解できなかった場合は、さっさと見切りをつけましょう。

次に、やたら解説を読みすぎないことです。
問題によっては、解説が懇切丁寧に書かれていることがあります。もちろん、解説を読んで理解を深めることも大事なのですが、そこに固執しすぎると能率が下がります。
自分は解説をサッと読んで、「この選択肢はここが正しくてここが間違っている」ということが最低限分かるように努めました。

各科目ごとの対策


憲法・行政法は、すべての選択肢の正誤がわからないと正解できない問題形式となっているので、とにかく文言に注目していました(特に憲法)。
また、判例の理解が他の科目と比べても重要になるので、判例重視で勉強を進めました。
憲法・行政手続法あたりの条文の素読も役に立ちます。
ただ、どうしても運要素が強いので、最後は直感に頼っていました。意外となんとかなるものです。

民法・商法・民事訴訟法は、基本的に選択肢の5分の3の正誤が分かれば解けるので、細かい事項は覚えず、最低限のインプットに徹しました。
ただ、問題を解く上では、すべての選択肢の正誤を判別できるように心がけていました。これらの科目は、他の選択肢と照らし合わせることで、より理解が進みます。

刑法・刑事訴訟法は、学説対立の問題が多いので、知識の整理に重点をおきました。
とはいえ、論文知識に直結する問題が他の科目と比べて多いので、普通に問題を繰り返し解いていれば、特に問題はないです。

一般教養科目は無対策です。所謂運ゲーなので基本的に何もしなくて良いです。もっとも、英語の問題は読めれば解けるので、試験前に少し英語に触れておくのはアリだと思います(自分はそうしていました)。

おわりに


以上が私自身の勉強の進め方です。これらの点を意識して濃密な勉強をすれば、4週間という短期間であっても全く問題ありません。
来年以降、予備試験短答式試験を受ける方はぜひ参考にしていただければ幸いです。

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