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瀬戸内海でも発見―。猛毒を持つ生き物たち

播州人3号です。生き物にかまれたり、刺されたりして大けがをしたというニュースが夏場に相次ぎます。マムシやスズメバチなどはその危険が広く知られ、近づかないよう気をつけますが、意外と知られていない猛毒の持ち主がいます。そんな海の危険生物を紹介します。

大きな肝が特徴で、鍋料理の具材などにもなるカワハギ。その仲間に驚きの毒を持つものがいます。

明石沖に猛毒ソウシハギ
釣り人要注意

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確認されたソウシハギ(明石市提供)
 明石市は26日、同市大蔵海岸の離岸堤付近の海中で猛毒を持つソウシハギを確認したと発表した。食べると死亡する場合もあり、釣り人などに注意を呼び掛けている。鹿児島沖や高知沖など温かい海にすむカワハギ科の魚だが、猛暑による水温上昇もあって明石沖に居着いたとみられる。
 ソウシハギは青い波模様や斑点、大きな尾びれが特徴で、消化管や内臓にパリトキシンというフグの数十倍の毒素を持つ。パリトキシンは加熱しても分解されず、食べると呼吸困難やけいれんを引き起こすという。
 23日、大蔵海岸海水浴場のサメよけネット点検のため、同市がダイバーに海中を撮影させたところ、ソウシハギが写り込んでいた。神戸市立須磨海浜水族園の飼育員は「南から黒潮に流され、水温が高いので居着いたのだろう。ただ、こちらの冬の水温低下に耐えられず、死んでいくことが多い」と話している。

 (2013年8月27日付朝刊より)

ソウシハギは明石以外の瀬戸内海でもたびたび見つかり、記事になっていました。
フグの数十倍もの猛毒です。厄介なことに、加熱しても分解されません。

写真を見れば、カワハギやウマヅラハギとは柄などが違うようですが、口元は似ています。

実際、2018年には三重県の魚介類販売店がカワハギとしてソウシハギとみられる魚を販売したという記事が出ていました。
プロも見誤るほど判別が難しいということですね。

一部のタコにも注意が必要です。
こちらは食べないだけでなく、触らないことも重要です。

かまれると死に至ることも猛毒タコ
発見相次ぐ瀬戸内海沿岸
兵庫県が注意呼び掛け 

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明石市沖で捕獲されたヒョウモンダコ(兵庫県水産技術センター提供)
 かまれると猛毒で死に至ることもあるヒョウモンダコが昨秋以降、兵庫県内の瀬戸内海沿岸で相次いで見つかっている。県外では潮が引いた磯での発見例もあり、県水産技術センター(明石市)は「見つけても絶対に触らないで」と注意を呼び掛けている。
 ヒョウモンダコは体長10センチ程度で、南方の暖かい海に生息する。普段は薄茶色だが、刺激を受けると全身に青い斑紋を出す。唾液にフグと同じ猛毒のテトロドトキシンを含み、かまれると神経まひや呼吸困難を発症する。
 今月4日、南あわじ市沼島沖約200メートルの刺し網漁の網に、成体とみられる1匹がかかった。昨年10、12月には明石市沿岸で漁の最中に発見されている。
 神戸市立須磨海浜水族園は「水温の高い夏ごろに南の海から流れ着いた稚ダコが育つ程度で、瀬戸内海での繁殖は難しい」と指摘。寿命は1年余りといい、「秋口から春ごろは特に注意してほしい」としている。

  (2018年4月16日付朝刊より)

「タコがかむ」というのもイメージしにくいですが、気軽に手を出すのは厳禁です。

マダコより小型のイイダコぐらいの大きさでしょうか。
海外では死亡例もあり、「『海の小さな殺人鬼』と呼ばれている」と別の記事で紹介されていました。

刺激を受けると全身に青い斑紋が現れ、それが一つの目印になります。

▢ ■ ▢ ■ ▢ ■

ソウシハギやヒョウモンダコのように流れ着いた生き物以外に、アカエイやゴンズイ、オコゼなど、もともと瀬戸内海に生息する生き物にも毒を持つものがいます。

スマホで撮影すれば、魚の種類を推測してくれるアプリも登場していますが、見慣れない、知らない生き物には気軽に触れないことです。

そんな危険な魚などを知ってもらうため、姫路市立水族館では、こんな企画展を開いていました。

姿を見たら注意してね
姫路市立水族館
危険生物の企画展 

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パンチ力が強いモンハナシャコ(手前)と、鋭いトゲのニセカンランハギ
 姿を見たら要注意―。鋭い歯や体内の猛毒などで人に危害を加える恐れがある生き物を集めた「危険生物展」が、姫路市立水族館(同市西延末)で開かれている。魚類や甲殻類など18種を展示し、被害に遭った時の応急処置の手順も紹介している。
 危険性がよく知られているピラニアやトラフグ、デンキウナギのほか、播磨灘で多く水揚げされるハモも展示。ハモの鋭い歯は少し触れるだけで出血する恐れがあるという。
 ほかにも、背びれのトゲに激痛を引き起こす毒を持つオニダルマオコゼや、食べると毒で死に至る恐れがあるスベスベマンジュウガニ、前脚でガラスを割るパンチ力があるモンハナシャコなど、その危なさにたじろぐような生き物が並ぶ。
 また、中毒症状になった際の処置方法も解説。フグ毒は救急搬送が必要だが、しびれを感じたら水を飲んで胃の内容物を吐き出し、食塩や重曹を溶かした湯を2、3杯飲むよう助言している。同館は「身近に危険な生物がいることを知り、正しい知識を持ってほしい」と話す。

  (2018年2月3日付朝刊より)

毒を持つ生き物の側も相手に危険を知らせるため、独特の色や目立つ模様をしていることがあります。

そんな特徴的な見た目に加え、人間の「恐いもの見たさ」心理もあるのでしょうか、姫路市立水族館が危険生物を載せた塗り絵を発行したところ、千冊を超える売上げとなり、第2弾を出したという記事が見つかりました。

眺めるだけなら、愛らしく、かわいくも見えますが、くれぐれもご注意を。

<播州人3号>
1997年入社。学生時代、卸売市場でアルバイトをしたことがあります。危険な魚の扱い方もそこで教わりました。ひれに毒のあるバリ(アイゴ)は軍手を2重にしてさばき、生命力が強いハモは、絞めた後でも鋭い歯に注意が必要でした。そんなプロにも失敗はつきもので「指が腕のように腫れた」とか、「大人になって初めて泣いた」とか、播州弁で繰り出されるエピソードを懐かしく思い出します。

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