だし汁が染みた大根やがんも、卵。ごぼ天や厚揚げ、ちくわといった練り物が存在感を放ちます。まぎれもなく「おでん」ですよね。いやちょっと待ってください。兵庫県北部出身の私、ド・ローカルは、今でこそ「おでん」と言いますが、子どもの頃、祖母や母は「関東煮」と呼んでいた記憶が鮮明に残ります。関西出身の同僚や知人に尋ねてみても、大半が「関東煮って言う、言う」と口をそろえます。なぜ関西ではおでんのことを関東煮と呼ぶようになったのでしょうか? その由来を調べてみました。
創業100年の老舗かまぼこ店が「関東煮酒場」オープン
店内を見渡しながら、ユニークな張り紙を見つけました。関東煮の呼び方の由来が書かれているではないですか。記事にも、下の写真の記述にもありますが、関西では昔、「田楽」を「おでん」と読んでいたことに驚きました。こんにゃくという共通素材はありますが、まったく似ていない食べ物なのですが…
諸説ある関東煮の由来
「関東煮」と呼ぶようになった由来は、諸説あるようです。
①「関東から伝わった煮物」という意味でこの名がついたという説
②関東大震災をきっかけに関西に移住した関東人が広めたという説
③江戸時代に関西を訪れた中国人が「広東煮」として広めたという説
「関東煮酒場 くろかまで」は②の説を伝えています。
味付けに違いも
関東の「おでん」と関西の「関東煮」。最も大きな違いは、濃い目にしっかりと味を染み込ませる「おでん」に対し、「関東煮」は関西特有の薄口しょうゆを使った甘めの味付けになっているところだと言われています。
はんぺん、ちくわぶを知らない関西人
おでんの中身も関東と関西では異なります。関西では「クジラ肉」を素材にしている店舗のほか、「牛スジ」は欠かさず入れるお店があります。一方、関東では「はんぺん」や「ちくわぶ」が入っています。「ちくわぶ」を知らない関西人も多いのではないでしょうか。ちなみに私は学生時代に東京で暮らし、初めて出合いました!
【番外編】神戸が練り物の発祥の地!!
<ド・ローカル>
1993年入社。私の好きな食べ物のベスト5に、練り物は入ってきます。6月下旬、「関東煮酒場 くろかま」にお邪魔し、さっそくいただきました。これまで食べた練り物の中でも、かなり上位にくるおいしさです。その秘密は秘伝の製法にあるようです。一度、みなさんも味わってみてはどうでしょうか?