六甲山系の山々と海の間に街が広がる印象の強い神戸ですが、山の北側にも大規模な住宅地が点在します。「山、海へ行く」とも言われ、高度経済成長期に山林を切り崩して誕生したニュータウンです。神戸市須磨区にある地下鉄妙法寺駅周辺の魅力を、播州人3号がお伝えします。
きっかけは販売店の所長さんとの会話でした。
「私の担当する妙法寺にもいいところがいっぱいありますよ」
絶好のお題をいただき、さっそく過去記事をまとめてみました。
神戸市西部の須磨区や西区は今では想像もつきませんが、元々広大な山林でした。
その山が大規模に削られ、削られた土で海が埋め立てられました。
誕生したのが、世界初の海上都市「ポートアイランド」です。
削り出した多量の土を運んだのは、なんとベルトコンベヤーでした。
須磨ベルトコンベヤー
稼働40年 都市開発支える
「山、海へ行く」の象徴
土砂をベルトコンベヤーで運ぶ手法は、排ガスや騒音の防止策として考案され、公害が社会問題化した高度成長期にあって斬新だったようです。
運搬能力は1時間に約9000トン。
操業開始から41年間で計約5億7800万トンの土砂を運搬し、内陸部約1200ヘクタール、臨海部約1700ヘクタールの土地を整備したそうです。運んだ土砂は大阪ドーム258杯分。想像もつきません。
各ニュータウンと都心部の三宮とを神戸市営地下鉄が結びます。
いくつかの駅にはイメージテーマがあり、妙法寺駅は「秋」です。
地下鉄駅のテーマなどのコラムをまとめた投稿はこちら
休日の妙法寺駅前は、リュックを背負ったハイカーらで賑わいます。
目指すのはニュータウンではなく、スリル満点のハイキングコースです。
駅から住宅街を10分ほど歩き、しばらく山道を進めば、こんな景色に出合えます。
ハイカーら心地よい風
神戸・須磨アルプス
「馬の背」と言いますが、狭いところは30センチほどの幅で、スリル満点です。写真には住宅街が移っており、その近さが感じられます。
「須磨アルプス」は、神戸市須磨区から宝塚市までの六甲連山の尾根を踏破する「六甲全山縦走」のコースの一部にもなっています。
上の地図の横尾山と栂尾山の間に「馬の背」はあります。
写真で見ると、恐ろしげな印象で、危険も伴いますが、親子連れが歩いていることもあります。
馬の背周辺の素晴らしい眺望とともに撮影したバイオリン演奏の動画もご覧ください。
ドローンで撮影しているため、ニュータウンや神戸市街との位置関係も分かりやすいと思います。
<https://www.kobe-np.co.jp/info/dx/himicon/movie001/movie.html>
山林を切り開いた新しい街というイメージの強い妙法寺駅周辺ですが、歴史のある寺や史跡も近くにあります。
駅の名前にもある「妙法寺」が近くにあります。
妙法寺
源平の盛衰見守り
ほかにも源平合戦の屋島の戦いで弓の名手として名をはせた那須与一の墓などもあり、ハイキングだけでなく、史跡を歩いて巡る小旅行でも十分楽しめそうです。
<播州人3号>
1997年入社。「ぬめり石」「アチラムキ」「イヤガ谷」。いずれも妙法寺駅周辺の変わった地名です。教えてくれたのは投稿にも出てくる販売店の所長さんです。さすがは地域のことを熟知していました。
#神戸 #須磨 #妙法寺 #ニュータウン #馬の背 #須磨アルプス #ベルトコンベヤー #那須与一