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神戸とプレスリー

伝記映画が上映され、再び注目されているエルビス・プレスリー(1935~77年)です。「キング・オブ・ロックンロール」と呼ばれ、長く伸ばしたもみあげや白いジャンプスーツで歌う映像が有名です。世界に3体しかない米国の財団公認の銅像の一つが神戸にあり、その経緯などを播州人3号が紹介します。

銅像は神戸新聞本社ビルのすぐそばに立ちます。
2009年に東京から移されました。

プレスリー像、神戸に
来月ハーバーランドに設置
「新たな聖地」と期待

 「ロックンロールの王様」と呼ばれた米国の国民的歌手、エルビス・プレスリー(1935~77年)の銅像が8月9日、神戸ハーバーランドに登場する。関係者は「エルビスファンの新たな聖地に」と期待している。
 設置場所は、神戸新聞社が入る神戸情報文化ビルの東側。同日には音楽評論家の湯川れい子さんらを招き除幕式を開く。同8日の「ハーバーランドの日」に合わせたイベントの一環で、神戸市の外郭団体、神戸ハーバーランドが設置する。
 銅像は台座を含め高さ約3メートル。ギターを演奏する20歳ごろのプレスリーを細部まで表現した。没後10年の1987年、ファンが東京・原宿のロック専門店前に設置した。
 同店の閉店に伴って移転先を探していたところ、日本のジャズ発祥の地である神戸が「音楽を愛する街」として選ばれた。

(2009年7月30日付朝刊より)

東京の銅像設置には元首相の小泉純一郎さんも関わりました。
神戸の除幕式にも駆けつけています。

神戸ハーバーランド
エルビス 安住のミナト
像移転 除幕式

 ロックンロールの神様と呼ばれた米国の国民的歌手エルビス・プレスリー(1935~77年)の銅像が9日、神戸ハーバーランドに登場した。エルビスの熱烈なファンとして知られる小泉純一郎元首相が除幕式に駆けつけ「神戸の新名所になれば」と、新たな聖地の誕生を祝った。
 銅像は高さ約3メートル。ギターを演奏する若き日の姿を表現している。エルビス没後10周年に小泉元首相や和田アキ子さんら各界の著名人が寄贈し、東京・原宿のロック専門店前に設置された。だが閉店に伴い撤去され、日本のジャズ発祥の地・神戸に移転された。
 テープカット後、姿を見せた銅像に、ファンら約300人が歓声を上げた。音楽評論家の湯川れい子さんは「神戸から世界へ、音楽の魅力を発信して」とあいさつ。小泉元首相は「12歳で初めてエルビスを聴き、全身がびびっときた。政界を引退したので、これからはゆっくり聴けるのが楽しみ」と話した。

(2009年8月10日付朝刊より)

その後も銅像やその周辺で関連イベントが開かれています。

没後45年となる今年の命日(8月16日)に像を訪ねてみると、色とりどりの花が供えられていました。

有名な音楽評論家の名前も見えます。
ファンのまとめ役で、銅像の神戸移設に尽力した人が地元にいます。

姫路エルヴィス・メイツ代表
本條潔さん(74) 姫路市北新在家
魅力尽きぬ永遠の歌声

 戦後間もない1950年代。軽快なリズムとこれまでの誰とも違う歌い方で、世界中の若者を熱狂させた故エルビス・プレスリー。「ロックンロールの王様」のファンクラブを立ち上げて今年で17年を迎える。「彼ほどに強く、感情や思いを込められるシンガーは他にいない」と目を輝かせる。
 本業は、生まれ育った宍粟市の石油製品販売会社「本條商店」の4代目社長。もう一つの顔は80人近くの会員を抱えるエルビスファンクラブの代表だ。姫路と神戸で年2回、エルビスそっくりのシンガーを招いたライブを企画する。
 最初の出会いは山崎高校1年生の時に見たエルビス主演の映画。教師は「不良の音楽」と彼を批判したが「厳しい校則への反抗心」もあってか洋楽仲間たちと熱中。甲南大学に進学後も憧れは募り、3年の春にはメンフィスの自宅を訪ねて米国を一周してしまった。
 10歳違いのエルビスがわずか42歳で他界したのは77年。「実感も涙も湧かなかった」。東京で海運会社に勤め、新婚の妻が長男を出産した頃だった。34歳の時、兄に懇願されて家業の本條商店へ。多忙な日々が続いたが「面影を追ってか、エルビスシンガーのライブに毎月通うようになって」と笑う。
 53歳で社長に就任。青春を彩ったロックは色あせないが、時間に余裕が生まれ、最愛の妻に去られた晩年のエルビスの孤独を思う。愛を歌ったバラードやゴスペルも深く心に染みるようになった。
 「何を歌っても圧倒的な永遠の歌声。でもその中ににじむ、寂しがり屋な彼の心優しさにも耳を傾けてほしい」

(2020年4月12日付朝刊より)

姫路エルヴィスメイツはエルビスシンガーを集めたライブなども開催しています。

こんなプレスリー像も紙面に登場していました。

傷み激しくてもスターは健在?
尼崎

 尼崎市尾浜町、JRの線路沿いの住宅街を通り掛かった際、伝説のロックスター、エルヴィス・プレスリーが目に入り、思わず車を止めた。
 よく見ると看板店。男性店主(65)に聞くと、7、8年前、近くの喫茶店に飾られていた人形の処分を頼まれ、ここに立つことになった。
 左手でCコードを押さえているようなので、当初はギターを抱えていたようだが「いたずらで右腕ごと持って行かれたのかも」と店主。夜中には不気味さが増し、通り掛かる人を驚かせている。
 それでも、うわさを聞きつけて記念写真を撮りに訪れる人も多いらしく、往年のスターぶりは健在だ。

(2014年12月10日付朝刊より)

これだけ傷んでも写真を撮りに来るファンがいるとは―。
映画の公開で、新しいファンも増えるでしょう。

エルビス愛 語り、歌い、なりきる
ロックスターの伝記映画公開記念
2日、ハーバーランド
湯川れい子さんら出演

 人気絶頂の中、42歳の若さで急逝し、今なお多くのファンを魅了する米国のロックスター、エルビス・プレスリー(1935~77年)の伝記映画「ELVIS」(邦題=エルヴィス)の公開記念イベント「エルヴィス!エルヴィス!」が7月2日、神戸ハーバーランドスペースシアター(神戸市中央区)である。
 神戸ハーバーランドには、米国のエルビス・プレスリー財団公認で世界に3体しかない銅像の一つがあり、さまざまな関連行事が開かれるなどファンの聖地として知られる。
 当日は、エルビスの音楽活動のルーツをたどるコンサートや、50年代のアメリカンガールズのファッションショーのほか、生前に親交があった作詞家で音楽評論家湯川れい子さんのトークショーがある。
 音楽ステージでは、エルビス作品のトリビュート演奏で知られる歌手藤タカシさんや、プレスリーにどれだけなりきっているかを競う「ジャパニーズ エルヴィス オフィシャル トリビュートアーティスト コンテスト」のチャンピオン西島幸宏さんによる圧巻のライブパフォーマンスも楽しめる。

(2022年6月29日付朝刊より)

<播州人3号>
1997年入社。テレビCMで耳にした曲を調べると、オリジナルはプレスリーだったことが何度かありました。数多くの歌手がカバーしており、今も大きな影響力を持ちます。エルビスファンの方にとっては邪道かもしれませんが、「ラブ・ミー・デンダー」を「何言ってんだ―」とした過激な曲が「牛乳が飲みてぇ」の歌詞とともに忘れられません。

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