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速すぎ、長すぎ、曲がりすぎ…。そんな滑り台を集めてみました

遊具の定番、滑り台です。鉄棒、ブランコと並んで、学校や公園に必ずといっていいほど置かれています。探してみるとかなり異色のものもあり、播州人3号が紙面に掲載されたユニークな滑り台を集めてみました。

まずはこちらの滑り台です。
注目は、滑り台らしからぬ速度です。
動画投稿サイトでもたびたび取り上げられています。

スピード違反⁉ 絶叫すべり台
全長20メートル、高さ9メートル、傾斜30度
須磨離宮公園 開園から半世紀 名物遊具

 バラの名所として知られる須磨離宮公園には、子どもたちから愛される人気スポットがある。噴水広場東側にある「ジャンボすべり台」。でもすべり台って、滑るだけでは? 定番の遊具の何が子どもたちを引きつけるのか―。うわさを聞きつけ現場へ向かった。
 32段の階段を軽やかに駆け上がり、滑っては登りを繰り返す子どもたち。息はひとつも上がっていない。休日になると2本のすべり台は常にフル稼働だ。
 まず驚かされたのが、その規模。全長約20メートル、高さ9メートル。「ジャンボ」と名が付くのも納得がいく。30度の傾斜は、滑るというより「落ちる」ようだ。滑り始めて少しすると平らな〝踊り場〟を通過する。ここで体が浮き上がると加速し、スリルが増すという。
 公園で母と遊んでいた男児(5)は「面白いすべり台があるよと連れてきてもらった。全然怖くないよ」と余裕の表情。その隣で、迷って滑ることを断念する大人が続出している。

 ジャンボすべり台は、同公園の開園に合わせて神戸大学工学部が設計し、1967年5月に完成した。公園内にはアスレチック遊具がある広場などが次々と登場したが、ジャンボすべり台の人気は衰えない。同公園の高田浩二副園長(63)は「近ごろはステンレス製のものが多いが、52年間使われ続けたコンクリートは、摩擦でさらによく滑るようになっている」と説明する。ここ数年はテレビなどでも取り上げられ、区内外から遊びに来るという。
 私もいざ挑戦。しかし、足がすくみ、「無理!」と叫んでしまった。意を決するまでに30分近くかかった。思い切って滑ってみると、踊り場でお尻がフワッと浮き上がり、うわさ通りスピードがアップした。7秒で楽しめるジェットコースターのようだ。
 大人の使用を禁止はしていないが、遊具はあくまで小学生以下が対象。大人のけがの事例があるため、すべり台のあちこちに「大人向け」の注意を促す看板を設置している。高田さんは「名物として残していくために、足の裏や手すりを使って減速するなど、自分で考えながら楽しんでほしい」と呼び掛けている。

(2019年5月30日付朝刊より)

たかが滑り台、と侮るなかれ。
「滑り落ちる」というのが経験した者の感想です。
体重のせいなのでしょうか、子どもよりも大人の方が断然スピードが出ます。
わざわざ大人向けの注意書きがあるのも納得します。

足や手を使ってスピードを調整でき、園のアドバスは「自分で考えながら楽しんでほしい」です。
恐すぎるという方には、同じ公園内のアスレチック施設にある滑り台がお薦めです。

兵庫の滑り台といえば、こちらを外すわけにはいけません。
日本一の長さを誇った佐用町の「ビッグスライダー」です。
ふるさと創生事業の1億円を活用して約30年前に整備されましたが、老朽化で姿を消しました。

長さ元日本一 滑り台撤去へ
全長351メートル
老朽化で維持費多額に

 日本一の長さで人気を集めた兵庫県佐用町のジャンボ滑り台「ビッグスライダー」が撤去されることが、同町への取材で分かった。各自治体に1億円が交付された「ふるさと創生事業」で20年前に整備されたが、老朽化が進み、色の塗り替えやローラーのベアリング交換など今後、多額の維持費が見込まれることから、撤去を決めたという。同町は「まちの顔がなくなるのは寂しいが、将来の財政負担や安全性を考えた結果」としている。
 滑り台は1990年4月、旧上月町がふるさと創生交付金を活用し、住民から寄せられたアイデアを基に建設された。
 全長351メートル、高低差37メートルの鉄骨製で、直径3センチのローラーが約1万本使用され、ツインタワーやピラミッドなどを組み合わせた3コースが設定されている。設置当時、全長日本一が話題になり、連休には人口約6200人の町に、約8千人が訪れたこともあった。
 利用は無料だが、遠方からの利用者がめっきり少なくなり、最近では近所の子どもたちが遊ぶ程度に。一方、補修などで今後、数千万円単位の費用が見込まれ、佐用町は本年度中の撤去を決めた。撤去後は、距離の短い滑り台を設置し、幼児用の遊具などを新しく整備する予定。
 旧上月町で滑り台の設置に携わった佐用町幹部は「活性化のユニークな取り組みだったが、今後の町にとっては大きな負担になる。撤去はやむを得ない」としている。

(2010年10月4日夕刊より)

20年以上前ですが、初代に挑戦したことがあります。
板の上を滑るのではなく、ローラー状の棒が回転するスタイルのため、薄手のズボンの場合、お尻がかなり痛くなりました。
遊んでいた子どもたちをまねて段ボールを敷くと快適な滑り心地を堪能できました。

あの疾走感を味わえないのは残念ですが、2代目が登場しています。

全長97メートル スリル満点
〝2代目〟ジャンボ滑り台

 かつて長さ日本一を誇った佐用町円光寺、笹ケ丘公園のジャンボ滑り台「ビッグスライダー」が撤去され、“2代目”の建設が進んでいる。19日から利用することができる。
 新しく完成する滑り台は全長97メートル。かつての長さの3分の1以下だが、傾斜角度が高くなり、滑る際のスリルは増すという。高さ約6メートルの「ヒマワリタワー(仮称)」から滑り出し、途中で長さ5メートルのトンネルや、渦巻き状のループを通る。

(2011年3月18日付朝刊より)

初代の3分の1とはいえ、約100メートルは十分な長さです。
日本一でなくとも家族連れらを楽しませていることでしょう。

速度や距離だけではありません。その形に注目すれば何ともけったいな(変わった)滑り台もあります。
若手記者にとっては格好のネタになります。

巨大タコ形遊具 阪神間に繁殖!?
全国の公園にも〝生息〟

 2日は半夏生(はんげしょう)の日。旬のタコを食べる関西の風習にちなみ、阪神総局でもたこ焼きを作ることになった。
 楽しみにしながら、取材帰りに宝塚市内を歩いていると、あれ? 公園の真ん中に、高さ3メートルを超す巨大なタコがいる。足が滑り台や階段状になった遊具だ。
 これは珍しいと思ってネットで検索すると、なんと阪神間の公園にはいっぱいのタコ形遊具が!! ここ「鶴の荘公園」をはじめ、伊丹市の尼ケ池公園、川西市のタコ公園、尼崎市の潮江公園、法界寺公園…。少なくとも4市で〝5匹〟も。

 なぜこんなに多いのか。宝塚市に聞くと、鶴の荘公園ができたのは50年以上前で、詳しい経緯は不明という。ただ、担当者が教えてくれた。「裁判もありましたよね。鶴の荘公園がそうなのかは分かりませんが…」
 裁判とは、東京のデザイン会社が1970年代に開発したタコ遊具とよく似たものを都内に2台作られたとして、著作権侵害を訴えた訴訟。今年4月、東京地裁がタコは遊具としての機能であり「著作物として保護されるべき美術品とは認められない」と、原告の訴えを退けたばかりだ。
 このデザイン会社のものが阪神間にいくつあるかは分からないけど、タコ形遊具は全国に〝生息〟しているらしい。確かに曲がりくねった滑り台や空洞は遊び心をくすぐるし、エイリアンのような不思議な見た目は、どこか親しみやすい。
 ちなみに明石市の松江公園にもあり、親ダコ1匹の滑り台と子ダコ2匹のモニュメントが置かれる。子ダコ1匹の地中には細い管が通っていて、離れた親ダコにいる人と会話が楽しめるという。「他市とは違うものを考えた」と市の担当者。さすがは〝本場〟だ。
 半夏生のころにタコを食べる風習には、稲の根が「タコの足のようにしっかり大地に張ってほしい」と願う意味があるらしい。
 そうこうしながら帰社すると、先輩記者がたこ焼き器の前で調理中。「半夏生にタコのネタがあります」と伝えると、一喝された。
 「読者に食べてもらえるのは1日遅れやないか」
 結果的に掲載は2日遅れに…。地域に根差し、旬を先取りできる記者に早くなりたい。

(2021年7月4日付朝刊より)

ほかにもカエルやキリン、貝殻の形をした滑り台が紹介されていました。
無機質な遊具よりも「タコの滑り台」や「カエルのスライダー」の方が特別感が出ますかね。

<播州人3号>
1997年入社。「うんてい」という遊具を覚えてますか?ハシゴを横にしたような形で、ぶら下がりながら両手でつかんで進みます。漢字で書くと「雲梯」と大人になってから知りました。中国で城を攻めるのに使ったはしごをそう呼んだようです。神戸市灘区には最長といわれる雲梯があります。

#滑り台 #スライダー #須磨離宮公園 #絶叫 #日本一 #うんてい