「スマスイ」の愛称で親しまれる「神戸市立須磨海浜水族園」が、老朽化に伴いリニューアルされます。計画の提案から整備、運営までを企業などが担う完全民営化です。2024年春のグランドオープン予定で、「海の王者」シャチが新たに登場し、全室オーシャンビューのホテルが建設されるなど西日本最大級の水族館を目指します。変革期に立つスマスイの歴史と今後について播州人3号が紹介します。
正式名称は水族館ではなく、水族園です。
神戸市須磨区の須磨海浜公園の一角にあり、関西有数の人気を誇る須磨海水浴場も近くにあります。
歴史は古く、ルーツは明治期にさかのぼります。
開業60周年を迎えた2017年の記事で振り返りましょう。
スマスイ起源は120年前
移転重ね現在〝5代目〟
「水族館発祥の地」神戸で歴史脈々
多彩な生き物の展示だけでなく、ユニークな催しでも来園者を楽しませてきました。
ほっこり 魚を観賞
スマスイ 冬恒例こたつ席
砂浜へイルカ跳ぶ
神戸・須磨
光のアート魚と共演
神戸・スマスイ、夏の延長開園
夏休み最終盤、子どもたちにとってありがたいイベントもありました。
水辺の生き物 名前の鑑定会
あす須磨
本館などは建て替えから30年がすぎ、リニューアルが決まります。
神戸市が選んだのは、一帯の再整備も含めた民営化でした。
一帯を再整備 24年開業へ
新スマスイ 主役はシャチ
民間が全施設建て替え
再整備後の施設はこんな配置になるようです。
期待とともに戸惑いの声が上がります。
一つは入場料です。企業グループからの提案では高校生以上の大人入場料が3100円と倍以上になるため、「気軽に行ける施設であり続けてほしい」という要望です。
もう一つは新たな主役になるシャチです。西日本唯一の展示となり、新施設側はシャチを見ながら食事を楽しめるエリアを設ける方針ですが、動物福祉の観点から「狭い水槽に閉じ込めないで」という声もあります。
観光施設である限り目玉となる展示は必要です。「行ってみたい」と思える魅力がなければ施設を維持できません。
ただ、神戸市民にとって家族でぷらっと出掛けられるのがスマスイの魅力の一つでした。家族の構成にもよるのでしょうが、入場料だけで1家族1万円前後となれば、なかなか気軽にお出掛けとはなりません。
スマスイの大きな水槽を眺めていると、家族づれや若いカップルのほか、遠足の子どもたちや障害者団体を見掛けました。
水槽内だけでなく、来場者の多様性も保たらながらスマスイの歴史を引き継いでもらいたいものです。
<播州人3号>
1997年入社。「珍しさ」の判断って意外と難しく、苦労します。「見たことない魚を捕まえた」と取材依頼を受けることがあります。金色のオタマジャクシだったり、ため池のクラゲだったり。そんなときに頼るのが須磨海浜水族園でした。「異例」と聞けばそれなりに扱い、「よく見つかる」と言われれば珍しさを薄めました。「学芸員によると」などと見立ても原稿に加えました。カニや魚で専門が分かれていて、突然の電話取材にも丁寧に対応してもらったことを覚えています。そんな伝統も新スマスイに受け継いでもらいたいですね。
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