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兵庫のお菓子工場

 子どもの頃、ポテトチップスを口にした時の感動は今も忘れません。
 子どもの頃、右手にポッキー、左手にジュースだったスタイルが、大人になり、右手にポッキー、左手に水割りに変わりました。
 こんにちはド・ローカルです。ポテチにポッキーは、私の中の不滅の大好物なのです。その工場が何と兵庫にあるんです。取材をしない理由はありません。まずはみなさんご存じの「わさビーフ」から。何と、わが故郷・朝来市に関西工場があるんです。工場拝見といきましょう!

1日最大24万袋 技が生むおいしいポテチ

キャラクター「わさぎゅ~」などが描かれた直売所=朝来市伊由市場

 「わさビーフ」で知られる山芳製菓(東京都板橋区)のポテトチップスは、ほとんどが朝来市伊由市場にある同社の関西工場から全国に出荷されている。同工場の年間生産量は約2800トン。一般的な50グラム入りの袋に換算すると、5600万袋という。膨大な量を生産し続ける工場の内部を見学した。
 保管庫には、ジャガイモが山のように積まれていた。400キロ入りのコンテナが天井近くまで4段に重ねられている。製造ラインに投入されたジャガイモは機械で洗われ、皮をむかれた後、原料の選別エリアへ。並んだ従業員たちがチェックし、不要な部分を取り除いていく。手早く、かつ正確な熟練の技に圧倒された。同社は作業に「マイスター制度」を取り入れ、従業員の技術向上につなげている。
 選別の後、ジャガイモはスライサーで薄切りにするが、ポテトチップスの食感にばらつきが出ないよう、産地などによって厚さを変えるという。油で揚げ、機械や人の手で品質をチェックし、味を付け、包装などを経て出荷される。
 同社は1953年の創業。67年にポテトチップスの製造を始め、87年に「わさビーフ」を発売した。ポテトチップスの生産量では国内3位で、年間に約70品目の新商品を投入しているという。独自の「味」を追求して他社との差別化を図る。
 関西工場は1992年に稼働した。現在では唯一の直営工場で、自社の9割のポテトチップスを製造。営業日ごとに60トンのジャガイモが運び込まれ、床面積約3400平方メートルの工場で、1日最大24万袋を製造する。
 中井正憲工場長は「工場では衛生面や品質に注意して製造している。わさビーフだけでなく、数多くの商品がある。ぜひ味わってほしい」と話している。

▼朝来に唯一の直売所 人気商品ずらり15種類

 山芳製菓の唯一となる直売所が昨年7月、朝来市伊由市場の関西工場近くに本格オープンした。「わさビーフ」をはじめ、定番の5種類のほか、10種類程度のポテトチップスを販売。観光の途中で訪れる京阪神などからの来店者も多いという。
 わさビーフ以外の定番は、辛さとうまみを強調した「男気わさビーフ」▽バターのおいしさが特徴の「北海道リッチバター」▽明太子とマヨネーズの味わいにビーフのうまみを加えた「明太マヨビーフ」▽爽やかな酸味とこくの「北海道サワークリームオニオン」。
 同社は、コンビニ向けなどの新商品を相次いで発売しており、直売所には、それらの期間限定商品が並ぶ。同社史上で最も高級という「トリュフ味」などのほか、最大350%の辛さまで楽しめる「わさビーフ特別版」は、わさビーフの発売35年を記念した商品で、近く直売所にもお目見えするかも。直売所を担当する坂本順取締役は「地元の人にいろいろな商品を知ってもらい、地域への還元にもつなげたい」と話す。

(2023年1月27日神戸新聞朝刊)

 なんと製造工程の取材にも応じていただきました。

❶倉庫に積み上げられたジャガイモ。コンテナは400キロ入りという=も朝来市伊由市場
❷ジャガイモを選別し、悪い部分を取り除く。素早く次々に処理していく
❸フライヤー(右)で揚げられたポテトチップス
❹センサーでチェック。焦げたものは自動で取り除かれる
❺ドラム状の「タンブラー」が回転しながら味付けをする
❻完成したポテトチップス。この後、包装される
❼自動で定量ずつ詰められパッケージされたポテトチップス
❽箱詰めされて出荷のため、トラックに積み込まれる

 自社製品の9割がこの工場で生産されていたとは驚きです。「わさビーフ」は、俳優の西島秀俊さんと内野聖陽さんダブル主演の映画&ドラマ「きのう何食べた?」に登場して、爆売れしたのはご存じでしょうか? 私もこのドラマを見て、コンビニに走りました。

 兵庫にはもう一つ、気になる工場があります。私が大好きなポッキーでお馴染みのグリコです。ビスコ、ポッキー、プリッツと言えば〝国民的お菓子〟といっても過言ではありません。その製造過程を「見て、学び、体験できる」施設が神戸市西区にあります。そこにおじゃましました。

グリコピア神戸 愛される秘密が、ここに

神戸市西区の工場で製造されているポッキーやプリッツ

ビスコやポッキー、プリッツ…。〝国民的お菓子〟とも言える江崎グリコの商品。国内にある3工場のうち、西区には、国内で唯一ビスコを製造する工場「神戸ファクトリー」(同区高塚台7)がある。工場見学施設「グリコピア神戸」を併設し、年間約6~7万人が訪れる。同施設館長のの案内で、万人に愛されるお菓子の秘密に迫った。
 同工場は1984年に開業し、見学施設は88年にオープンした。ビスコは残念ながら非公開だが、ポッキーやプリッツ、チョコレートなどの製造過程を「見て、学び、体験できる」施設として人気が高く、昨年には一部が改装された。
 工場見学は高さ3メートルの巨大ポッキー形トンネルをくぐってスタートする。まず目にするのはポッキーの梱包(こんぽう)作業だ。袋詰めされたポッキーがベルトコンベヤーで次々と運ばれ、機械アームが規則正しく高速で、段ボール箱に詰めていく。コース途中にはポッキーにチョコを付ける工程をCGで再現したコーナーを設置。この工程を実際に見られるのは「社員でもごくわずか。ぜひ見にきてほしい」と館長は強調する。
 次に登場したのはチョコを貯蔵するタンク。ガーナやエクアドル産のカカオと油脂、砂糖でじっくり9時間かけて練る。チョコが冷えて固まらないようタンクは二重構造になっており、外側には温水が流れる。
 そしてプリッツの製造過程。小麦粉やバター、油脂、砂糖など計約200キロを約20分間、機械で混ぜて生地をつくる。生地は細長く切られ、ベルトコンベヤーに載って長さ25メートルの巨大なオーブンへ。中は220~280度といい、温度調節しながら奇麗なきつね色に焼いていく。アルミ製の箱の中で丸1日冷やされた後、味付けして完成だ。
 次々と包装・箱詰めされていく商品に最後まで目を光らせる。計量検査やエックス線検査、人の目での検品作業など、異物混入や規格外商品が紛れ込まないよう細心の注意を払う。
 他にも、商品に付いていた「おまけ」の歴史を学べるコーナーや、デジタル上で好みのビスコやポッキーをつくる「デジタルクッキング」体験なども。昭和初期に各地に設置した映画上映付き自動販売機もある。
 帰り際、神戸ファクトリーで作られたプリッツをいただく。香ばしく適度な塩味がやみつきになる。創業者、江崎利一の「食べることと遊ぶことは子どもの二大天職」という企業哲学が息づく菓子や健康食品。ビスコやポッキーが長年愛される理由が、この工場にあった

(2019年12月14日神戸新聞朝刊)

 

巨大なポッキー形トンネルをくぐり、工場見学スタート=グリコピア神戸
昭和初期のキャラメル自動販売機。お金を入れると中央の画面に当時はやった時代劇の映画が上映される
これまでに商品に付録されたおもちゃが展示されている
ビスコやポッキー作りをデジタル上で体験できるデジタルクッキング(江崎グリコ提供)
国内で唯一ビスコを製造するほか、ポッキーやプリッツなどのお菓子も作るグリコピア神戸

 さて問題です。みなさんは「グリコトリビア」いくつ知ってますか?

 ―「グリコ」の社名は?
 エネルギー代謝に必要な栄養素「グリコーゲン」を豊富に含む牡蠣(かき)エキスが入ったキャラメルを売り出したことに由来します。

 ―アソビグリコ(キャラメル)のおまけはいつから?
 1927年に登場し、今年(2019年)で92年になります。絵カードや豆玩具、造幣局に発注し作製した銅製メダルなどもありました。

 ―キャラメルの形がハート形の理由は?
 角のない形で口当たりを良くするためです。一時、四角形に変わりましたが、87年に復活しました。

 ―パッケージに記されている「ひとつぶ300メートル」の意味は?
 1粒は16・5キロカロリー。20歳の男性が分速160メートルで走ると1分間に使うエネルギーは8・71キロカロリーになります。つまり、1粒で1・89分、約300メートル走れるという意味です。
 
―ポッキーは、食べたら「ポッキン」と音がするから名付けられたって本当ですか?
 最初はテクテク歩きながら食べるチョコスナックの意味から「チョコテック」でしたが、テストセールの時にポッキンの響きを持つ「ポッキーチョコレート」になりました。

<ド・ローカル>
 1993年入社。グリコトリビア、みなさんはいく分かりました。最後にもう一つトリビアを。大阪・道頓堀のグリコサインは有名ですが、いろんなパターンがあるらしいです。ご存じですか? 答えは少なくとも8種類の背景があるらしいんです。14万個のLEDが使用されており、日没30分後から午前0時まで点灯しています。普段見られない背景を見ることができたらラッキーですね。

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