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2021年の「絶景」、集めてみました

師走を迎え、2021年も残りわずかとなりました。この1年、紙面に掲載した記事のうち、とっておきの「絶景」を播州人3号が選びました。

兵庫県北部にある但馬地域の白銀の世界です。

養父 「大寒」冬山に絶景
ハチ高原、氷点下7・7度

 20日は二十四節気の一つ「大寒」。1年で最も寒いころとされ、但馬各地でも最低気温は軒並み氷点下となった。午前7時、養父市のハチ高原スキー場では気温が氷点下7・7度。新雪も積もり、絶好のコンディションだった。
 冬山の絶景を写真に収めようとリフトに乗り、鉢伏山の山頂近くに着くと、ガスが立ち込め始めた。係員の男性は「さっきまで大山が見えてたで」と一言。
 それでも下りのリフトからは氷ノ山や旅館街が一望でき、滑らなくても景色が楽しめた。リフトは急こう配なので、ちょっぴり怖かったけれど。

(2021年1月21日付朝刊より)

同じ但馬からこんな写真も届いています。
「白銀の絶景 散策ツアー」の見出しのついた豊岡・神鍋高原の様子です。2月10日付朝刊に掲載されました。
西洋かんじき「スノーシュー」を着用するツアーを実施しているNPO法人「かんなべ自然学校」スタッフの案内で、雪の世界へと足を踏みます。

同じ自然現象ですが、こちらは雲海です。

雲海、山頂の別世界 丹波

 息をのむ美しさ―。丹波市春日町黒井の黒井城跡から望む雲海に、そんな言葉が自然と出てきた。
 11月下旬に入り、同市内の朝晩はぐっと冷え込むようになった。寒暖差によって生じる丹波霧が、周辺を包み込む。放射冷却とともに、湿度が高く、無風、またはそれに近いことが、雲海の発生条件とされる。
 黒井城跡は標高356メートルの猪ノ口山山頂にある。なだらかな登山道が整備され、登頂まで1時間足らず。日の出前には、市民や写真愛好家らが、絶景を見逃すまいと足しげく通う。
 広島市から訪れ、初めて雲海を見たという大学生は「まさに別世界。感動しました」と話していた。
 黒井城跡の雲海は、12月上旬ごろまで条件が整えば観賞できる

(2021年11月26日夕刊より)

同じ黒井城跡から望む春の農村です。
雲の下にはこんな景色が広がっていたんですね。

朱色と新緑のコントラスト
丹波市 黒井城跡

 絶景かな、絶景かな―。丹波市春日町の中世山城・黒井城跡(国史跡)からの眺望は素晴らしいの一言。眼下に、パッチワークのような田畑が広がる。
 緑や土色の農地が点在する中、陽光に鏡のように白く輝くのは、田植えの進む水田の数々。大小さまざまの長方形の連なりは、幾何学的な抽象画のようでもある。
 山上では、朱色のヤマツツジの花が咲き、新緑の木々と鮮やかなコントラストを描く。光る田んぼを見下ろしながら、一句ひねった。〈水鏡 丹波路映す 田植えかな〉。おそまつ。

(2021年5月13日付朝刊より)

おもわず一句ひねりたくなる気持ちも分かります。

記者が歌や俳句を詠んだ記事を集めた投稿はこちら

加東 夕空を背にあでやか
ハナショウブ400株満開

(露出を変えて撮影した3枚を1枚に合成)

 加東市東実の畑でハナショウブが満開を迎えている。約3アールの群生地は北から西の空が広く開けたロケーション。このため夏至に近づく今ごろの季節は、鮮やかな花畑の向こうに夕日が落ちる光景が広がり、期間限定の〝絶景〟を楽しむことができる。
 近くに住む男性(71)が約30年前に三田市永沢寺の観光園で5株を購入し、植え始めた。
 年々株を増やして雑草も刈るなど丹精し、現在は約400株が咲き誇るまでに。開花のピークは過ぎつつあるが、日中、陽光に映えたカラフルな景色は目を引く。
 一方、夕焼けを背景にした姿はあでやか。刻々と色が変わる空との共演も美しく、訪れた写真愛好家らが盛んにシャッターを切っていた。
 男性は「田んぼのすみに植えただけ」と控えめに話しつつ「撮影スポットになるとは少し驚き。健康であれば来年もきれいに咲くよう手入れを続けたいね」と笑みを浮かべる。

(2011年6月11日付朝刊より)

マンションの明かりも水を張った田んぼに映れば絶景になります。

JR新三田駅周辺 水田に浮かぶ 生活の明かり

 三田市内の武庫川沿い。県道141号を北上すると、右手に大きなマンションが現れる。夕暮れ時になると、水田に張られた水に明かりが映り込む。青にオレンジ、黄、緑。まるで宝石。この時期だけ見られる絶景だ。
 ニュータウン開発に伴い、同市では1980年代から30年近く人口増加が続き、JR新三田駅近くにも住宅が立ち並ぶ。一方、武庫川沿いの平野部には農業区域が広がり、原風景が残る。マンションはちょうど境目あたりにあり、三田ならではの光景を演出する。
 水田では植わったばかりの苗が等間隔に並び、カエルの鳴き声が響く。夜のとばりが下りると、水面はさらに輝きを増していた。

(2021年6月13日付朝刊より)

こちらは神戸の眺望です。リニューアルに伴い、この景色もしばらく見られなくなります。

絶景 名残惜しく 
ポートタワー改修へ27日から休館

 ミナト神戸の顔ともいえる「神戸ポートタワー」(神戸市中央区)が27日から、リニューアル工事に向けて休館する。営業再開は2年後の予定。展望フロアには市内外から人々が訪れ、しばらくお別れとなる眺望を見納めている。
 ポートタワーは1963(昭和38)年に完成。港町のランドマークとして親しまれてきた。老朽化対策や耐震性強化などのために大がかりに改修される。2023年度に営業再開予定。
 名残惜しさに足を運ぶ人や初めて訪れる市民も多いといい、ポートタワーの担当者は「人の接触を避けつつ、施設内の今の姿を記憶に残してもらえれば」と話している。

(2021年9月21日夕刊より)

写真はリニューアル後に屋外通路が設置されるタワー屋上からの眺めです。写真説明には「『PORT OF KOBE』の看板越しに心地よい風と神戸の絶景を体感できる」とありました。

皆さん、お気づきになられましたか。今回、取り上げたのは全部、見出しか、記事中に「絶景」のあったものです。調べてみると、今年「絶景」記事は約120本ありました。

<播州人3号>
1997年入社。駆け出しのころ、サーカスの空中ブランコの踏み台まで登ったことがあります。不安定な縄ばしごをよじ登り、テントの天井に手が届きそうな高さに。地上から見上げる団員の姿が予想以上に小さく、足がすくむほどの「絶景」でした。

#絶景 #白銀 #雲海 #黒井城跡 #ポートタワー