春はスタートの季節。
住み慣れた街を離れて新たな場所で一歩を踏み出す人もいるのではないでしょうか。
買い立てのカーテンもそうですが、キラキラと輝く真っ白な心は汚れやすく、ちょっとした傷やほつれも、気になって仕方がありません。
そんな時はぜひ、観覧車のことを思い出してください。
華やかな光を放ちながら仁王立ちする姿の裏には、さまざまな物語があります。
そんな兵庫の観覧車のいくつかを、スパイス坊やが紹介します。
再起-モザイク大観覧車(神戸ハーバーランド)
ミナト神戸のシンボル的存在「モザイク大観覧車」。
バブル期に計画され、1991年に開業した娯楽施設「AOIA(アオイア)」で、93年に動き始めました。
95年1月、阪神・淡路大震災で被災。
同年12月、現在の神戸ハーバーランドに移設されました。
アオイアでの稼働は、わずか1年半ほど。
移設先での時間が圧倒的に長い観覧車は、珍しいかもしれません。
「モザイク大観覧車」はきょうも、古里・六甲アイランドを遠くに見つめて回り続けています。
余生-ひめじ手柄山遊園(姫路市)
姫路市民のオアシス「ひめじ手柄山遊園」。
観覧車はその象徴的存在として、親子2代に渡って1周7分間の非日常を案内してきました。
2代目は88年に動き始め、勤続33年。
サラリーマンで言えば、少し早めの退職ですね。
2020年9月、時代の流れとともに、その役割を終えました。
全国から観光客が集まる派手なテーマパークではありませんでしたが、地元に愛され、立派に勤め上げました。
現在はその功績の一部を公園内に残し、静かに余生を過ごしています。
新天地-赤穂海浜公園(赤穂市)
解体され、海を渡る-。
記事にもあるように、日本製の観覧車は、海外で第二の人生を送るケースがあります。
赤穂海浜公園の大観覧車は22年1月、日本での役目を終えました。
1周およそ12分間。
春の瀬戸内海のように穏やかな時間を、145万人以上に提供してきました。
33年間、時代を超えて海を、街を、人を見守り続けてきました。
そして新たに、自分を必要としてくれる場所へ。
「50年を超えても持つ」丈夫さを武器に、遠くフィリピンで時を刻みます。
**********************************
いかがでしたか。
人間も、観覧車も、最後は同じ所へ行きます。
戻りの観覧車が少しさみしいのは、そんな理由かもしれませんね。
〈スパイス坊や〉
2009年入社。神戸市須磨区出身。
人生で初めてのデートめいたものは、地下鉄西神南駅近くにあった遊園地「アリバシティ」でした。男女2対2で遊びましたが、終始どうしたら良いか分からず、楽しめなかった思い出があります。
#観覧車 #ランドマーク #ハーバーランド #AOIA #手柄山遊園 #赤穂海浜公園 #アリバシティ