大阪、神戸などのベッドタウンとして開発が進み、1996年まで10年連続で「人口増加率日本一」を誇った兵庫県三田市。2011年から人口減少に転じ、昨年8月には人口が11万人を割り込むなど、急激な高齢化が懸念されます。
しかし、人口減に手をこまねいていたわけではありません。2015年からは、毎年12月に、三田市=「サンタ市」と名乗り、「サンタ×(クロス)三田」プロジェクトをスタートさせました。
何やら最近は「ビールの街」としてのPRも始めています。ド・ローカルが、街のブランディング化を進め、生き残りをかける三田市を紹介します。
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「SANTA CITY(サンタシティー)」は年々、広がりを見せ、クリスマスまでのイベント数は30近くに及んでいます。神戸電鉄は三田駅に「SANTA駅」の看板を掲げました。駅周辺のイルミネーションは1万2千個の発光ダイオード(LED)で照らされます。さらに、関西学院大学神戸三田キャンパス(三田市学園2)では学生交流拠点「アカデミックコモンズ」前にある高さ約9メートルのヒマラヤスギのクリスマスツリーが鮮やかな光を放ちます。
関西のシベリヤ? いや目指すは「関西のフィンランド」
三田の冬は寒いんです。2021年1月9日には最低気温が氷点下10・1度を記録しており、ネット上では「関西のシベリア」「兵庫のチベット」とも揶揄(やゆ)されています。しかし、市は「目指すのは、サンタの故郷であるフィンランド」と揺るぎません。
フィンランドは34歳(当時)の女性首相が誕生するなど、男女平等や福祉、教育の先進的な国としても知られており、三田市の担当者は「市の目指す方向と一致しており、姉妹都市提携を検討していたこともある」と口にします。森哲男市長は「東京五輪の際、フィンランド代表のキャンプ地に手を挙げることを検討しましたが、財政面で職員から猛反対されました」と苦笑い。現在は新型コロナウイルスの感染拡大で相手探しを控えており、森市長は「まずは市政で福祉や教育、子育て、ジェンダーの取り組みを進め、姉妹都市提携にふさわしいまちづくりをやっていきたい」と話しています。
次はビールの街 目指すの?
サンタとはなかなか、考えたものです。日本で初めてビールを醸造した川本幸民の故郷が三田であることは、恥ずかしながら知りませんでしたが、検定に結びつける発想が、さすが三田市というところでしょうか?
<ド・ローカル>
1993年入社。今月、三田市役所を訪ねる機会がありました。担当者の名刺にあった「まちのブランド観光課」との記述に目がとまりました。全国各地で少子高齢化が進み、街が縮んでいく中、しっかりとした街のブランディングを行い、街の方向性を見据えていくことがとても大事です。三田市には、ブランディングを担う部署がすでにあったことに少し感動を覚えました。
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