取材をしていると「えっ!」と目を疑いたくなるような建物、場面、人に出会うことが絶えません。読者からの情報提供も結構ありますが、記者が街を歩いて見つける場合も数多くあります。
記者歴約30年のド・ローカルが、まずは第1弾として「日本最古の斜行エレベーター」「神業の路線バス運転」「人情自販機」の3本を紹介します。
タイトルにありますように、まさに新兵庫の〝珍百景〟です。一部、動画のURLを添付します。ご覧ください。
①絶景を楽しめる住民の足 日本最古の斜行エレベーター
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/kitamonthly/201909/0012661709.shtml
神戸阪神間には、斜行エレベーターが2基あります。1台は今回紹介した北区花山台。もう1基は西宮市の名塩ニュータウン(約243ヘクタール)にあります。高低差約60メートル。窓の外を白い壁と緑の木立が流れ、異国の登山列車に乗っているようです。建築家の遠藤剛生氏が設計に参画し、1994年「都市景観100選」大賞を受けました。
②神業の運転 狭い路地も直角カーブもなんのその 車幅ギリギリの難所多数
私もこの路線バスに何度も乗車しました。「手に汗握る」とはこのことでしょうか? 難所に近づくたびに、そして、人や車が目に入るたびに、手だけでなく、全身に力が入ったことを思い出します。
③人情自販機 働き続け40年超 香美町村岡区
神戸新聞の紙面で紹介した4年後、この自販機が故障してしまいます。冷蔵装置の故障で、稼働停止に陥りました。この苦境を救ったのが、全国のファンでした。クラウドファンディングで資金が集まり、見事、復活を遂げました。それを伝える記事は以下の通りです。
レトロなうどん自販機復活 冷蔵装置故障で稼働停止 全国からの支援金基に修理
作家の中島らもさんが、「ポケットが一杯だった頃」で、立ち食いそば・うどんのうまい条件を、吹きっさらしの中であること。汁が熱いこと。値が安いこと、と書いていました。兵庫県香美町にあるこのうどん自販機は、この条件を満たしているからこそ、多くの人々に長年愛されてきたのでしょうか?
<ド・ローカル>
1993年入社。新兵庫〝珍百景〟の第1弾いかがだったでしょうか。私の中でビッグ3が今回のネタです。甲乙つけがたいものですが、最後のうどん自販機はなんとも言えません。40年超稼働してきて故障で停止。修理費65万円の工面に悩んだ末、クラウドファンディングで資金を募ると「ぜひ直して」と2週間足らずで全国各地から75万円が寄せられました。再開した自販機うどんは〝人情〟の味付けもきかせて、さぞかしうまいに違いありません。
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