人が集まる場所には物語があり、集う人々にはそれぞれの人生がある―。
NHK総合の長寿番組「ドキュメント72時間」は放送開始から今年で12年目を数えます。この番組が大好きで、同じジャーナリストとして、ある意味、目指す姿があります。訪れた場所での意外な出会い、そこで触れる多様な考え方や価値観こそ、新聞記事にとっても原点であると思っています。
こんにちはド・ローカルです。
番組の中でも反響が大きかったのが、古びたうどんとそばの自動販売機を訪れる人々を取材した「秋田 真冬の自販機の前で」(2015年3月放送)だそうです。吹雪の中で麺をすする親子、がんを患った洋菓子職人の男性…。取材者の驚きや気付き、感動が、見ている人にも共感や連帯感を与えるのでしょう。
兵庫でもこの昭和感漂う、レトロな自販機がないのか―と調べてみると、兵庫県北部の香美町と、神戸市東灘区の2カ所に今も現役で活躍するうどん自販機を見つけました!
レトロなうどん自販機復活/冷蔵装置故障で稼働停止→全国からの支援金基に修理/香美町
神戸・深江浜の工場地帯に自販機/うどん、そば わずか25秒/稼働40年、体ぽかぽかに
神戸新聞朝刊1面のコラムでも、このうどん自販機を取り上げています。
<ド・ローカル>
1993年入社。人にはそれぞれ生き方の流儀があります。ふだんは口にしないし、伝わることもありません。うどん自販機というスポットを通じてフォーカスすることで、多くの人々が「自分と同じようにいろいろ抱えている」「勇気をもらった」「頑張ろうと思った」など、自分の人生と〝シンクロ〟させていきます。そんな記事をこれからも書き続けたいとしみじみ思いました。たかがうどん、されどうどん。