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ズブのシロウトが、定年退職してバーを開業しました。

《この文章は2020年1月(コロナ禍前)に書いたものです》

定年退職後に手打ち蕎麦屋やこだわり珈琲店をやってみたい人は多いみたいですね。

この私も、60歳で定年退職を迎えて、雇用延長の道もありましたが、バーを始めることにしました。

バーはお酒だけで稼げるし、料理に係る面倒な事は必要無いと考えたからです。

しかし、定年後にやってはいけない事に「飲食店を始める」というのがあるらしいです。

飲食業は多産多死の業態で、2年で半分、3年で70%が廃業するらしいです。

それでも私は、失敗せず何とかやっていける自信の様なものがありました。


さて、

あなたが60歳で定年退職し、どこかにアルバイトに行ったとします。
週休2日で月22日、時給1,000円で7時間働いたとしたら月収15万円ちょっとです。

では、バーで月15万円の儲けを出すには、いくら売り上げが必要でしょうか。

初期投資は無視するとして

売り上げ額 −(仕入れ額+固定経費)= 儲け で計算します。

仕入れ率が3割で、家賃、水道光熱費、ネット代、交通費、ゴミ収集費 、消耗品費、火災保険の月割りなどの月間固定費が20万円かかるとすると

50万円 −(15万円+20万円)=15万円

50万円売り上げをして、やっと手元に15万が残る計算になります。

月に25日営業すると1日約2万円の売り上げです。

そこで、

たった1日2万円と思うのか、1日2万円も、と思うのか。

人を雇うと人件費が要るので、1人だけで1日2万円の売り上げです。

ラーメン屋なら、一杯680円として30杯。

1時間に15杯売ったら、たった2時間で達成!

なんか簡単そう😊

私はラーメンの仕込みにかかる時間とラーメン店の原価率を知りませんが、簡単なんでしょうか?

バーはラーメン店の様に回転率が高くないです。

食べるのが目的ではなく、ゆっくり飲みながらおしゃべりしたりするのが目的なので、長居しますが、ラーメン店より一人当たりの単価は高いでしょう。

カクテル🍸やウィスキー🥃を1人2〜3杯注文したとして、ひとり2,000円ぐらいかな。

そうすると、2万円÷2,000円=10人

1日たったの10人か。やっぱり簡単そう😊

では、お店は何時から始めますか?

サラリーマンは18時〜19時頃から居酒屋に行って、飲み食いして、その後バーに行くのは21時頃からです。

最終電車に乗るとしても24時前には帰ります。

そうすると3時間位しかありませんね。

席数は、カウンターだけだとすると、せいぜい8席位かな?

平均滞在時間が1時間とすると、8席×3時間=24人。

24人×2,000円=48,000円

なんや、楽勝やん🤗

ですが…

あなたが、どこかのバーに行って、全席埋まっていたこと、ありますか?

たいがい、バーテンの前の席に1〜2名とか、他にカップルが1組ぐらいでしょう。

それに、いつも満席なら行くのを避けますよね。

そうすると1時間4名×3時間=12名×2,000円=24,000円ぐらいが関の山でしょう。

私のバーは古びたビルの階上にあり、必死にSNSでコマーシャルしましたが、開業3年目の1日の来店客は3.8組でした。人数にして1日7〜8人です。

ひとり当たりの平均単価は2,300円。

1日の来店数7.5人×単価2,300円×1ヶ月実働25日≒43万円

売り上げ43万円 −(仕入れ12.9万円+固定費20万円)≒10万円

開業3年目でも、儲けとして手元に残るのは、何とか月10万円です。

ちなみに、最初から来店してくれているお客さんは、趣味つながりの友人ぐらいです。
勤めていた会社関係や取り引き先関係は、ほとんど来ないか、来てくれても1回ポッキリでした。
今の常連さんは、3年間に少しづつ増えてきた人達です。
サラリーマン時代の人脈なんて無いと思った方がいいですね。

私の場合は居抜き物件だったので初期投資は100万円ほどで済みましたが、定年後に飲食店をやるには、退職金を元手に数年かけて軌道に乗せ、65歳からの年金の足らずを補う程度に、自分の楽しみで行うのが一番失敗しない方法だと思います。

今は何とか月に10万円を手元に残すことができるようになりました。
もう少し頑張れば15万円ぐらいは残せるかもしれません。

バーを本業にして生計をたてている方には申し訳ないですが、私のような年金暮らしのオヤジバーは最強だと思いますよ。
小遣い程度が残ればいいんですからね。

このノートが、これから定年退職で飲食店を考えている人に少しでもお役に立てば幸いです。

Good luck.

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#バーテンダー

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