シン・長田を彩るプレイヤー ~神戸・長田からデザイン・アートの循環経済をつくる~(前編)
本記事では「写真を始めたきっかけ」、「写真とは何か」など写真家としての岩本さんに迫ります。
※2021年6月にKOBE007が取材した記事のリメイクです。
伝えるための写真
-記者-
写真を始めたきっかけはなんですか?
-岩本さん-
10代の頃、インドに行ったことがきっかけです。
-記者-
カメラ片手にインドに…。
-岩本さん-
そうです、そうです。
まあ撮るのもべつに目的じゃなくて。
インドでこの光景を残すために言葉を作るか、絵を描くか、音楽を作るか、写真を撮るかって、いくつかの方法を検討したときに、写真しかできなかったんですよ(笑)
-記者-
なるほど。
-岩本さん-
インドで見聞きしたことを日本にいる家族や友達に伝えたいなって感じて。
その時、絵が描けていたら、画家になってると思いますよ。
でも絵が描けないし、音楽作れないし、歌を歌っても下手だし。
自分を表現するというよりは、その場をどう伝えていくかっていう。
-記者-
伝える表現方法が写真だったと。
-岩本さん-
そうですね。
アーティスティックな表現をする写真ではなく、コミュニケーションの為の写真ですね。
だから、写真家として展示とかの活動をそこまでしてないんですよ。
ただ、撮り方、視点、何を撮るかというところを工夫して、どうやって目の前にある光景を印象的な写真で伝えるかということは考えてます
写真を“柱“に活動し続ける
-記者-
岩本さんにとって写真とはなんですか?
-岩本さん-
いやーなにかなー、でも“柱”ですかね。
ちがうことをしたとしても、写真というのを軸に置いとこうと思っていて、肩書を全部写真家から入るようにしてました。
で、その写真家であるということは、僕の中で一番よりどころになっているかな…と思う。
ただ、最近は固執しているのが嫌になってきたので、DORの名刺からは写真家を外したんですよ。
自分が何者かは、人に決めてもらったほうが面白いかなーって。
だから、僕は人によって全然違う紹介されますよ(笑)
写真撮ってる岩本、プロデューサーの岩本、デザインやってる岩本、何やってるかわからん岩本。
いろんな人にいろんな形で紹介されるのが面白い。
-記者-
写真からいろんな分野に派生しているということですか?
-岩本さん-
そうですね。
写真家であるために、他の仕事もやっている感じですね。
プロデュースをやったのもそうで、企画を作れば、自分で撮影現場を作れると思ったんです。
(次回へつづく…)
編集後記
私もカメラが趣味なので、写真家の考え方を聞けるのは大変貴重でした。「企画を作れば、自分で撮影現場を作れる」とおっしゃる岩本さんは、同じ仕事人として素直にかっこいいです。
次回の後編では、「神戸市のアーティスト・クリエイティブ業界の現状」と「岩本さんの仕事のこだわり」をお届けします。
お楽しみに!
(編集者:aoi)