ゲリラSNS豪雨
久しぶりに夕立に遭遇した。
今はゲリラ豪雨なんて物騒な名前がついているが確かに、いざ遭遇してみると凄まじかった。何でそんなに怒っているのかと思うぐらいの雨がそこかしこに叩きつけられ、怒鳴り声のような雷が鳴り響いていた。
昔はこんな怒られたようななんとも言えない気分にはならなかったのに。
なんで、世界はこんなに機嫌が悪くなってしまったんだ。
周りの人も犬も猫も、はたまた虫まで気が立っている気がする。焦っている気がする。この前歩いていたら飛ぶ虫に思い切り体当たりされた。
かくいう自分も最近は常にイライラし何かに焦っている。
何なのだ、このイライラと焦燥感は。
周りは分からないが自分の場合は心当たりがある。
暑さ、湿気もそうだが情報である。
インターネット、SNSが当たり前に使われるようになりどのくらいたったかはもはや忘れてしまったが情報を仕入れるバードルは格段に下がってきている。より、手軽に、容易く、早く好きな情報を仕入れることができるようになった。そのせいで私は時間が足りなくなった。
お前元々そんなにやることないだろう?という声は一旦聞こえないふりをしておく。
必要、不必要な情報の豪雨にさらされて私はイライラし意味もなく焦っているのだ。
さらされてというか、自ら全裸で豪雨に突撃しているようだ。
インターネットのおかげで知りたいことは指先を動かせばすぐ知ることができる。
知りたくないことも知りたい情報に関連して入ってきてしまう。
それだけではなく、指先で他人の生活や日常さえも容易く覗くことができるようになった。そしてその覗ける日常は決してリアルばかりではない。華やかで、魅力的だ。その画面の中だけのリアルと自分のリアルを比べて私はへこみ、イライラし、焦る。
どうしたものかと色々考えて「SNSに依存しない方法」と指先で検索している時点で私はもう末期なのだろう。
とりあえずスマホを置いてレモンサワーでも飲もう。
酔いつぶれて寝て、起きたら全てを忘れて指先で世界を覗くのだろう。