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兵庫県知事選挙に対する神戸在住の印象

今回の兵庫県知事選挙は個人的にも世間的にも注目を集める選挙になっています。
政治的な発言はしたくなかったのですが、私の印象を書き残しておきます。


私は兵庫県神戸市に在住しています。兵庫県や神戸市のことが好きです。
しかし、東京や大阪、福岡など他の都市と比べると街が古びており、人口減少も深刻になっていることを憂いています。街の再開発が遅れていること、自治体としての住民サービスが相対的に低下していることが要因なのは間違いありません。
この根本的な原因は、兵庫県や神戸市は財政に余裕がないからです。そして、財政が厳しいのは約30年前の阪神・淡路大震災による被害とその復興にかかった費用(借金)とされています。

たしかに兵庫県や神戸市にのしかかった震災復興費は莫大で、利息も合わせて重たい足枷になっていたことは事実だと思います。(兵庫県は2兆3千億円、うち1兆3千億円は県債)
そのため、多くの兵庫県民は県の財政が厳しいことや住民サービスの質が低いことに一定の理解を示してきました。「震災があったから仕方ない、あれだけ借金があったら回すお金がない」
私もそう思っていました。

県民として暮らしていても、県庁や知事と関わっていると感じることはほぼありません。この10年で県庁を訪れたことは1回だけです。三宮に住んでいる時も県庁前は少し距離を感じる場所でした。県庁の建て替えはどうでもよくて、はやく元町駅をバリアフリーにして欲しいと思っていました。
井戸元知事が20年にわたり県政を手がけ、若い齋藤前知事に代わったこともなんとなく知っている程度でした。東京都知事や大阪府知事と比べるとメディア露出も少なく地味な印象でした。


今回の兵庫県知事にまつわる騒動、いつの間にか大きな騒ぎになっていました。一県民としては、特に困っているわけではないのに、前知事のパワハラ疑惑やおねだり疑惑が連日テレビや新聞、週刊誌で報道されていました。兵庫や関西だけでなく、全国ニュースとなり、悪い意味で兵庫県が目立ってしまいました。
私個人としては今回の騒動はどうでも良いと感じており、早く収束してくれないかと思っていました。

百条委員会が報道されるころに少し違和感を持ちました。百条委員会の委員長はじめ、議員の人たちの前知事に対する詰問のありさまです。ここまで強い言葉、横柄な態度で人を責めることが妥当なのかと疑問を抱いたことを覚えています。昔の職場にいたパワハラ上司そっくりで見ていられませんでした。
しかし、当時は元県民局長が自死したという事実により、齋藤前知事が極悪人という風潮でした。私はこの件には触れないでおこうと思いました。

県議会で知事の不信任案が全会一致で可決されました。前知事はどれだけ聞かれても道義的責任を認めず、辞職ではなく失職を選びました。兵庫県知事選挙が開催されると聞いて、これで新しい知事が決まりこの騒動も終わるものと思っていました。誰でもいいからこの混乱を収めてほしい。


前知事が駅などで挨拶をしているとのニュースを見ました。ここまでメディアで叩かれて、県議会からもNOを突きつけられている、このイメージで選挙にでても惨敗するだけだと思いました。と同時にここまでボロクソに言われているのに、何故辞めないのか疑問に思いました。

選挙前に他の候補者も出揃ったところで、それぞれを軽く調べてみました。齋藤前知事以外はあまり知らない人たちです。維新の元アナウンサーや前尼崎市長が主な有力候補のようでした。元アナは参議院議員のようですが、目立った実績はなさそうです。前尼崎市長は3期12年やっていたようですが、調べても実績がほとんどでてきません。保育園を半減した、USB紛失時の責任者だったくらいしか印象に残りませんでした(保育園半減の時点で個人としては✖️と思いました)


いつのまにかNHKから国民を守る党(N国党)の立花孝志さんが立候補することになりました。存在は知っていましたが正直胡散臭いと思っていました(私はNHK見ますし受信料も払ってますので)。

このあたりでX(元Twitter)を見ていると、メディアで聞いていたストーリーとは違う事実があるという情報を見ました。当初はよくある陰謀論かと思っていました。しかし、百条委員会から抱いた違和感もあり、自分でも調べてみました。

調べてみると前知事の疑惑には証拠がなく、むしろ知事としての確かな実績があることがわかりました。テレビや新聞で散々言われていたパワハラやおねだりはウソだった!?公約達成(着手)率98.8%は凄いです。どうしてこんな優秀そうな知事が失職となったのだろうと思いました。

仕方ないので胡散臭そうな立花さんのXや動画も見ました。メディアは真実を報道しない、既得権益や県議会がメディアと組んで齋藤前知事を失脚させている。「そんなバカな」と思いながらも、それらが嘘である証拠はなさそうでした。

「週刊現代」の記事を読みました。

井戸元知事の20年で県政が腐敗しており、齋藤前知事が改革しようとしたところ、逆恨みにあいクーデターを企てられて失脚した。これが本当なら大問題です。
齋藤元知事は悪くなかった。無実の人を貶めてしまった。メディアに騙されて、県民のために懸命に働いていた人を裏切ってしまったと感じました。


11月10日の日曜日、さいとう元彦候補が三宮で街頭演説するとのことで見に行きました。センター街練り歩きで知事を初めて目にしました。日に焼けた実直そうな男がそこにはいました。

センター街はかなり幅の広い大きなアーケードです。普段は左側通行で両方向に人の流れがありますが、このときは齋藤元知事の後ろに通路を埋め尽くすほどの人が着いてきており、逆走できないほどでした。

彼の演説では、県の行財政改革の話がよく出てきます。県の貯金が30億円しかなくて、コロナの時にスピーディーな対応ができなかった。天下りや海外事務所、県庁立替などの多額の出費を減らし、県の財政を立て直し、県民に直接届く施策を行っていきたいと訴えていました。


井戸元知事派閥からすると、改革派の齋藤前知事の存在は目障りだったようです。根も葉もないうわさ話を流して都合の良いアンケートで前知事を攻撃しました。
自民の衆議院議員が、前知事反対派になった理由は、自身が成し遂げられなかった大学教育無償化を"相談なく"実行しようとしたからだそうです。
立花さんと現職県議が対談する動画で「メディアの圧力に負けて不信任決議をだした」「前知事の人事が気に入らない」「自分は議員を続けたいだけ」など衝撃の発言が多々ありました。
今まで井戸元知事の下でだらだら仕事していた県職員は、齋藤前知事になり反発するようになった。
メディアは記者クラブで既得権益と癒着し、前知事を極悪人に仕立て上げました。

今回の騒動の全容は未だ明らかになっていません。井戸元知事派、国会議員、県議会議員、県職員、メディアなどにより、県民や国民を巻き込んだ大事件になっています。
選挙という民主主義システムで選ばれた知事を、特定の勢力が怪文書をばらまき、メディアと組んで失脚させられるという前例ができてしまっては、民主主義の根幹が揺らぎます。


話は冒頭に戻ります。
兵庫県は震災の借金が残っているので財政に余裕がなく住民サービスの質が低い。
のはずでしたが、今回の騒動をみていると本当にそれだけなのか疑問が湧いてきます。

無駄な出費が多すぎるのではないか、既得権益層にお金を回しすぎて県民に届いていないのではないか、と考えてしまいます。
また無能な県議会議員や県職員が多すぎて、適切な県政が行われていないのではないか、そう考えるには十分な情勢です。
兵庫県が衰退していると言われるのは、この腐敗した県政、県庁職員のせいではないのか。
自分たちだけに便宜を図ってきた人がいるのであれば、この機会に一掃しておく必要があります。

私は兵庫県が好きです。
兵庫県の発展、豊かな未来のために貢献してくれる知事は誰なのか。
既得権益ではなく、県民を向いて仕事をしてくれる知事は誰なのか。

この改革をやり遂げてくれる知事は誰か、自分の中では答えが出ました。

今までは政治の話をすることは避けてきました。でも、そのせいで既得権益層やメディアに騙されてしまうなら、声を上げなければいけません。

みなさんも貴重な1票をよく考えて投票してください。

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