神戸は再開発で復活するか?
この記事では、神戸(特に神戸市中心部)の現状と再開発事業について、今後の神戸市マンション事情について解説します。
主に市役所の広報や、各社プレリリース、報道を参考に書いています。
反響が多ければ、続きを書く予定なので、ぜひ最後まで読んでください。
神戸の現状について
神戸は魅力あふれる街ですが、最近は他の都市の勢いに負けていると言われています。人口も150万人を下回ったと報道されています。
しかし、そんな神戸では再開発が絶賛進行中です。
海と山の近い異国情緒あふれる港町
皆さんの神戸と聞いて何をイメージしますか?
オシャレ?異国情緒あふれる港町?海と山が近い?
例えば、このアンケートでは
「海と山に囲まれた自然豊かな環境」
「夜景が美しい」
「都会でありながら田園・里山もあるまち」
「オシャレ」
などの項目が多いことがわかります。
都市魅力や居住満足度が高い街
森記念財団による「日本の都市特性評価2023」では、日本の都市の中で6位でした。
街の魅力度ランキング2022<都道府県版>では兵庫県は居住者順位1位、非居住者順位7位の総合2位でした。
このように兵庫県、神戸市は、都市の魅力が高く、居住者の満足度も高いことがわかります。実際に兵庫に住んでいる身からすると、この結果は非常に頷けます。神戸の人は神戸が好きなんです。
少子高齢化と人口流出が止まらない
そんな兵庫県、神戸市ですが、少子高齢化と人口流出が止まりません。
少子高齢化は日本全国共通の課題ですが、兵庫県も例外ではありません。
2020年で高齢化率は約30%、2040年には36%になります。
3人に1人が高齢者になっていきます。
神戸市の人口動態のグラフです。
2012年を境に人口が減少に転じています。
自然増減数(出生ー死亡)が大幅にマイナスになっているだけでなく、
社会増減数(転入ー転出)もマイナスになってきています。
つまり、少子高齢化だけでなく、周辺の他都市に人口が流出していることがわかります。
ポテンシャルを活かせず人口減少数No.1都市に
人口はついに150万人を下回り、政令指定都市で5位から7位に転落してしまいました。
神戸は魅力あふれる都市なのにどうして人口が流出しているのでしょう。
まずは、大阪経済圏の衰退があります。神戸と大阪は最短20分程度で行き来できる距離にあります。そのため、神戸は大阪の影響を強く受けてきました。その大阪ですが、最近の東京一極集中の流れに負けて、経済圏が縮小してきています。
大阪のオフィスや工場がなくなった跡地に、次々とマンションが建っています。「職住近接」のトレンドもあり、大阪市内のタワーマンションに移住する人が増えているのです。
また、隣の明石市への転出も増加しています。明石市は子育て支援が充実していることで有名で、大阪市内へのアクセスも良好です。そのため、子育て世帯が神戸市郊外の元ニュータウンではなく、明石市などに住むようになっているのです。
神戸の再開発について
そんな神戸ですが、手をこまねいているわけではありません。
神戸の再開発を紹介していきます。
政令指定都市の威信をかけた再開発
神戸は政令指定都市でありながら、国内第二位の大都市である大阪に近いため衛星都市・ベッドタウンとして発展してきた経緯があります。
しかし、元をただせば神戸港という良港を持ち、旧居留地を中心に栄えてきた歴史ある建造物や観光地を持っています。
神戸単体でも十分な経済圏であり、新幹線(新神戸駅)、飛行機(神戸空港)、船舶(神戸港)を持つ交通の要所です。
現在、神戸では政令指定都市としての威信をかけた再開発が進行中です。
総事業費7440億円!生まれかわる三宮
都心・三宮再整備と称された再開発計画では、公共事業と民間事業合わせて合計7440億円の総事業費が見込まれています。
この7440億円という規模ですが、どのくらいか比較します。
2013年に開業した大阪のうめきた・グランフロント大阪の総事業費は6000億円と言われています。
最近話題になった東京の麻布台ヒルズの総事業費は約6400億円と言われています。
三宮再開発は、これら日本を代表する再開発を上回る規模ということがわかっていただけたでしょうか。
では、再開発の具体的な事例を見ていきましょう。
1.阪急三宮駅ビル+EKIZO
神戸らしいオシャレな駅前空間を官民一体で開発成功!
神戸の阪急駅ビルは、旧駅ビルが阪神淡路大震災で被災し、解体された後、仮設の駅ビルとなっていました。当初5年間だけの予定だった仮設駅ビルの改装が長年先送りになっていましたが、2021年4月にリニューアルされました。
高さ121m、延床面積28850平米。
特筆すべきは、神戸市と阪急が協力して、駅ビル商業施設と公共広場をシームレスにつなげている点です。元々神戸市民に「パイ山」として親しまれてきた広場ですが、「さんきたアモーレ広場」となりました。
また、飲食店などが立ち並ぶ「サンキタ通り」は歩行者専用となり、テラス席が立ち並ぶオシャレな空間になりました。まるで、アジアやヨーロッパのような街並みで、老若男女問わず楽しめるようになっています。
2.西日本最大級のバスターミナル
神戸を西日本の交通ハブにする計画が進行中!
西日本最大級のバスターミナルを含むツインタワー計画が進行中です!
現在は1日1400便ものバスが、三宮周辺に分散された6ヶ所のバス乗り場から発着しています。これを一ヶ所にまとめ、神戸を西日本の交通ハブにする予定です。
このバスターミナルの規模は、西日本最大級です。
国内最大規模のバスターミナルとして有名な東京の「バスタ新宿」福岡の「西鉄天神高速バスターミナル」と比較してみましょう。
神戸バスターミナル
発着便数:1400便/日
バース数:17バース
バスタ新宿
発着便数:1600便/日
バース数:15バース
西鉄天神高速バスターミナル
発着便数:1400便/日
バース数:7バース
三菱地所が中心のコンソーシアムが設計・建設しています。
このツインタワーにはバスターミナルだけでなく、オフィス、商業施設、図書館、ホール、ホテルが入る予定です。
設計デザインは坂茂氏で、有馬籠をモチーフとした基壇部にその特徴が表れています。
最上階にはインフィニティプールを備えたラグジュアリーホテルが誕生!
婚礼大手の「テイクアンドギブ・ニーズ」が”日本のホテル業界にイノベーションを起こす”ための新たなホテルブランド「EVOL HOTEL」の第一弾として神戸三宮が選ばれました。
トレンドの最先端にいる富裕層がターゲットで、インバウンド需要も期待できます。
この雲井通5・6丁目再開発は、ただのツインタワーではありません。
神戸三宮は、JR三ノ宮駅より西側が主な繁華街です。雲井通5・6丁目のあるJR三ノ宮駅より東側は、雑居ビルが立ち並び、人の流れも途絶えています。
この再開発により、三宮東側に活気が出てくることが期待されています。
3.ジーライオンアリーナ神戸(GLION ARENA KOBE)
ウォーターフロントに1万人収容の最先端アリーナが誕生
神戸のウォーターフロントに1万人が収容できるアリーナがOPEN!
NTT都市開発により2025年4月に完成予定です。
バスケットボールの「神戸ストークス」の本拠地として、音楽ライブ・コンサートやMICEイベントなどに活用されます。
周囲270度を海に囲まれており、神戸ウォーターフロントの新たなランドマークになること間違いなしです!
神戸には「ワールド記念ホール」がありますが、1984年建設で老朽化が進んでおり、収容人数も8000人とやや小さいハコです。
また、関西全域でみても収容人数1万人規模のイベント会場はとても少ない状態でした。特に屋根のある施設は、京セラドーム55000人、大阪城ホール16000人くらいです。
そのため、新たな会場が熱望されていました。
神戸アリーナは神戸三宮の徒歩圏内とアクセス抜群で、収容人数10,000人、7階建て、延床面積32,300平米のキャパシティーを誇ります。
現在の神戸ウォーターフロントは、メリケンパークやハーバーランドが主なエリアです。
アリーナが建設される「新港町エリア」は元は倉庫が立ち並ぶ物流街でしたが、再開発計画が進行中で、住友不動産ツインタワーマンション「ベイシティタワーズ神戸WEST/EAST」も建設されている期待のエリアです。
この一帯を、海を感じられる交流拠点とし、上質でラグジュアリーな時を過ごせる空間になることを目指すウォーターフロント再開発ビジョンが公表されています。
アリーナ周辺の第二突堤を「TOTTEI」と名付け、緑の丘のようなTOTTEI PARK、レストラン・カフェなどもできる予定です。
神戸市の抱える問題として、中心部の三宮〜元町と、ウォーターフロントが分断されていることが挙げられます。
三宮からウォーターフロントへの導線確保と、人を惹きつける魅力のある街づくりが今後の課題です。
4.神戸市役所本庁舎2号館
市役所×商業施設×オフィス×5つ星ホテル
市役所×商業施設×オフィス×5つ星ホテルで、神戸の新たなスポットへ。
神戸三宮駅周辺とウォーターフロントの中間地点に、地上28階建、高さ140mの巨大な市役所が建造されます。
コンセプトは「Connect Pier KOBE」
港町神戸のふ頭(Pier)が海に向かって延びていくように、都心のにぎわいや回遊を周辺に拡張しながら、世界、社会、地域とのつながり(Connect)を生み出し、「神戸の未来をけん引する交流・創造拠点づくり」を目指します。
オリックス不動産を中心としたコンソーシアムが開発しています。
神戸市役所は神戸都心の中心に位置しています。この立地を活かして市役所を神戸のハブとして、回遊性を高めることを狙っています。
JR・阪急・阪神・市営地下鉄(山手線・海岸線)・ポートライナーの6路線が乗り入れるえき〜まち空間から、ウォーターフロントエリアや磯上エリア、元町エリアに人の流れを作ることを目的としています。
最上階には5つ星ホテルを誘致する予定です。
そのためか当初の計画と異なり、最上階をホテルのレセプションロビーにすることになりました。
神戸には外資系5つ星ホテルがないため、インバウンド需要を取り込めていないという課題があります。どこのホテルが入るかは公表されていませんが、非常に期待しています。
神戸の住宅・マンション事情は?
今後の神戸市の将来性や人口トレンドから住宅・マンション事情を解説。
以下のようなトピックを考えています。
神戸に住むならどこがオススメ?
再開発と資産価値について
タワーマンション規制について
子育て世帯にオススメの居住地は?
治安の良い/悪い場所はどこ?
JR新駅ビルなどまだまだ書きたいことはたくさんありますが、長くなったのでここで一旦区切ろうと思います。
長文をお読みいただきありがとうございました。
反響があれば続きを書きます。
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