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「新長田を彩るプレイヤー~献血で命をつなぐため奔走する、熱き血液センター職員~」-後編-

「周りの方々に支えられて・・・」

新長田鉄人前献血ルーム 毛藤もと子さん

-記者-
こちらの献血ルームでは具体的にどのようなことを行っているんですか?
 
-毛藤さん-
この施設では、全ての血液成分をいただく全血献血(200 mL・400 mL)と一部の血液成分だけをいただく成分献血を実施しています
成分献血とは、機械で血液を分離させ、上澄みの血しょうや血小板の部分だけをいただき、赤血球はお返しする献血です
血しょうは、※血漿分画製剤(けっしょうぶんかくせいざい)というお薬の原料にもなります
 
※日本赤十字社ホームページhttps://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/special/m6_02_02_09_07_detail83.html
 
-記者-
え!お薬にもなるんですか!
献血は輸血にしか使われないのだと思っていました
成分献血には何か良いことがあるんですか?
 
-毛藤さん-
はい、以前と比べて患者さんの副作用のリスクを大幅に減らすことができるようになりました
200 mL献血を基準に考えた場合、その中に含まれる血小板はわずか15 mL、大さじ1杯程度です
献血方法が200 mL献血しかなかった時代、血小板を必要とされる患者さんは1回の輸血だけで10~20人分もの血液を必要とされていました
輸血を毎週のようにされる患者さんであれば、1カ月で100人近くの方の血小板が身体に入るわけです
でも、成分献血という方法ができてからは、お一人の血液でそれを賄える血小板を確保することができるようになったんです

-記者-
すごい、革命的ですね!
成分献血をされる方は多いんですか?
 
-毛藤さん-
たくさんの方に成分献血をしていただいてます
今は3密を防ぐために予約献血を推奨していることもあり、特に土曜日、日曜日などは事前に予約で埋まってしまうこともありますね
 
-記者-
なぜ予約が人気なのでしょうか?
 
-毛藤さん-
それは、このラブラッドというWeb会員サービスが大きいですね
ラブラッドに登録すれば、簡単に献血の予約ができますし、検査の結果をスマホで管理することもできます
例えば、病院に行った時などに「いつも献血している時はこんなデータやってんけど」と、お医者さんにパッと見せることもできますから
 
-記者-
それは凄く便利そうですよね!
献血をすると貰える参加記念品も、日替わりで種類がとても多いですよね
これらは企業・団体からの提供なのでしょうか?
 
-毛藤さん-
そうなんです
例えば、ライオンズクラブさんがホルスさんのパンを、神戸モリーママさんはラスクを、レーブドゥシェフさんは洋菓子をご提供くださっています
 
-記者-
地域の多くの方のご協力があってこそ、このような充実した参加記念品が実現しているんですね
協賛いただけるように、苦労したことなどはありますか?
 
-毛藤さん-
うちの現状を知っていただくために、資料を用意して足を運びましたね

-記者-
その結果、多くの人にこの献血ルームの現状や毛藤さんたちの熱量が伝わって、つながりが生まれていったんですね
 
-毛藤さん-
そうだと思っています
献血のご協力者の方には、献血の現状を知って協賛してくださった方達のお気持ちを伝えるように心がけています
ただ、こういうことが丁寧にできるのも、この献血ルームに来られる方が少ないからかなと思ったりもしています
ピンチをチャンスにですね (笑)
 
-記者-
色々試行錯誤されてるんですね
毛藤さんは、熱い想いを持ってこのお仕事をされていますが、献血事業に携わろうと思ったきっかけはなんでしょうか?
 
-毛藤さん-
学生時代、献血のボランティアをしていた時に、職員の方の一生懸命さに触れて、「私もこんな仕事したいな」と思ったのがきっかけですね
もう社会人になって何十年にもなりますけど、やっぱりボランティアから入ってるからか、根底にそれがあるんですよね
 
-記者-
今もボランティアに近い感覚で働いていらっしゃるということですか?
 
-毛藤さん-
はい!
青臭い部分はかなり残ってると思います(笑)
あとは私だけが「これいいわ!面白いわ!」と思った企画でも、1人で全てを出来るわけではないですし、一緒にやってくれる人がいるからこそ出来るお仕事やと思いますね

-記者-
周りの多くの方のご協力があってこそなんですね!
 
-毛藤さん-
そうですね
あとは先ほどお伝えしたような新長田の方たちの温かさに触れたり、こうやって市の職員の方が声をかけてくださると、大変な時でも「あ、見てくれてる人いるな」と思えたり、一緒に乗っかってやらせてもらおうかなって思いますよね
 
-記者-
私たちもこの地域のために少しでも何か力になることはできないかと考えていたので、お話を伺う機会をいただけて光栄です!
最後に、私たち合同庁舎の職員に期待することってありますか?
 
-毛藤さん-
例えば台風などで人の足が途絶える時期に、電話で「今ガラガラなんです、協力していただけませんか?」と声をかけると、「じゃあ今から2人だけ行かせます」とかって、そういうふうなことが気軽にできる環境があれば有難いですね
だから今回取材をしていただいて、これで今後困った時に助けていただけるかもしれないと思えばすごく心強いです
 
-記者-
私達も助け合える関係になれれば良いと思っています!
 
-毛藤さん-
まずは新長田のこの献血ルームを知ってもらって、皆さんが発信してくれたことで「面白いおばちゃんおるな」って来てもらえれば(笑)
 
-記者-
たくさんの方に来てもらえるように、私たちも周りにどんどん宣伝していきますね!
本日は本当にありがとうございました!
 
-毛藤さん-
ありがとうございました!
またお待ちしていますのでよろしくお願いします!
 
-記者-
こちらこそ今後とも願いします!

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