「彼らはなぜお菓子を作り続けるのか、パティシエ公務員たちのこだわり」 -Part2-
Iさん:24歳・神戸市職員・趣味お菓子作り(デコレーション派)
Nさん:49歳・神戸市職員・趣味お菓子作り(素材派)
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-記者-
今までで一番よくできたお菓子というか、思い出に残っているお菓子はありますか
-Nさん-
思い出に残っているのものでいうと・・
もしかしたらこないだ作ったシュークリームかもしれません
-Iさん-
シュークリーム作られたんですか?
-Nさん-
職場の人の誕生日にシュークリームを作ったんです
シュークリームって今までずっと失敗、失敗、失敗だったんですけど
焼いたやつ全部うまくいったんです!
あれは「よっしゃ」って思いましたねー
-Iさん-
すごいですね!
シュークリームって作るの難しいですよね
水分どれだけ入れるかとか
-Nさん-
混ぜすぎないとか
-記者-
間違えると膨らまないんですか?
-Nさん-
そうですね、いったんは膨らむんですよ
その後べしゃーってしぼんで、ダメになるんです
せんべいじゃないんだぞこのやろうって腹立ちますね(笑)
いやー悔しいですねほんとに
こないだのシュークリームは今までで一番の出来でした
-Iさん-
僕は3段ケーキですね!
-Nさん-
3段!
骨組みどうやったんですか?
-Iさん-
普通に大きいケーキ、中くらいのケーキ、小さいケーキを作って、重ねました
ウエディングケーキ風みたいな感じで仕上げたのが一番うまくいったお菓子ですね
-Nさん-
今後楽しみですね
結婚される時、ウエディングケーキ自分が作ったものでできたら!
-Iさん-
結婚出来ればですけどね(笑)
-Nさん-
めっちゃかっこよくないですか自分の作ったケーキで結婚式
-Iさん-
確かに
ただそういうケーキって保存がとても難しくないですか
保存というか保管とかが難しくて・・・箱とかがないので
-Nさん-
わかります
-Iさん-
その時も冷蔵庫に入れてすぐ食べるってことができなくて
-Nさん-
ですよね
-Iさん-
大きいケーキ作る悩みですね
-Nさん-
乾燥させるわけにいかないですしね
-Iさん-
そうですね
-Nさん-
実は業務用ってどうしてるのって聞いてみたことがあるんですよ
-Iさん-
へー、専用の箱とかがあるんですか?
-Nさん-
実は湿式冷蔵庫を使うんです
冷蔵庫ってどうしても乾燥状態になるんですよね
湿式冷蔵庫は湿度が80%くらいで乾燥しない、でも冷たいっていう冷蔵庫なんです
ただ冷やしたいけど、ケーキって凍らしたらダメじゃないですか
どうすんのかっていうと微振動を与えるんです
振動与えて運動状態になっていると凍らなくて
状態を保ったまま温度だけマイナスに下げるって技があるんです
そういうのを使っているみたいです
-Iさん-
それって一般の人でも買えるんですか
-Nさん-
実はそれ200万くらいするんですよ!
そんな大きくないですよ、普通のサイズくらいのもので
-Iさん-
普通のサイズで200万、家ではちょっと使えないですね・・・
-Nさん-
欲しいんですけどね
私保存するときって硬くならんように冷たいところ入れたいんで
大きいクーラーボックスを用意して、下に氷引き詰めて、土台おいて置きます
-Iさん-
へー!
-記者-
お菓子作りで大切にされていることはありますか?
-Nさん-
手間を惜しまないってことですかね
一個一個の工程に全部手を抜かないっていう
できることは全部するようにしています
研究もそうですね、いろいろな本を買ってきたりとか
こうやったら簡単に作れるっていうのはあるんですけど
一番大事にしているのは手間をわざとかける!
-記者-
Iさんが大切にしている点は?
-Iさん-
僕は衛生管理かな
-Nさん-
わかります、わかります
-Iさん-
食中毒だしたらケーキ作り引退かなって思ってます
-Nさん-
そうですね
みんなで分けて食べるとどうしても全員にあたってしまいますからね
-Iさん-
そうですね、違うもの触ったらすぐ手を洗ったりして
-Nさん-
絶対手洗う!
最近よく作るんで、手ボロボロなりましたからね
それこそ殺菌材入りの洗剤で手洗うじゃないですか
もともと肌が弱いんでどんどんボロボロなっていきます
すごい衛生管理大事ですよね
-Iさん-
衛生管理大事!
-記者-
プロになろうとは思わなかったんですか、ゆくゆくはなりたいとかは?
-Nさん-
今は全くないですね
-Iさん-
僕も全くないですね
-Nさん-
もともとは、中学校卒業したら調理師になろうと思っていて、高校行く気なんか全然なかっ
たんですよ
でも、親に頼むから高校だけは行ってくれ言われて、しゃーないなあって高校行ったんですよ
でもなかなか夢捨てきれなくて・・・
ある時ちゃんと調理師としてホテルのフレンチで勤めてたんですけど、手がダメになってしまって
たまにこう、いちびって作るのが限界です
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