二兎社の「こんばんは、父さん」観てきました。
二兎社のお芝居は、去年『パートタイマー・秋子』を観てとても良かったので、シナリオ本まで購入しました。
その経験もあり、他の作品も観る機会があればぜひ足を運びたいと思っていました。そんな中、今回『こんばんは、父さん』を観に行ったのですが……。
私は映画やドラマが好きなだけの一般人なので、率直に言わせてもらうと、今回の舞台は少し退屈に感じました。
70代、40代、20代の男性を演じる三人の名俳優による芝居。どのような展開になるのかと期待していたものの、劇場を後にする頃にはモヤモヤした気持ちが残りました。
前回観た舞台は、シリアスな内容の中にもクスッと笑える要素が散りばめられており、とても楽しめたのですが……今回はどうにも腑に落ちません。
私の隣に座っていたシニア男性は途中で居眠りをしていましたし、帰り道でも「ちょっと微妙だったね」という声がちらほら聞こえてきました。
特にラストが、私にはしっくりきませんでした。
父親と息子が心を通わせて幕を閉じる……それでいいの?
観劇後も、私はモヤモヤと考え続けました。
でも、もしかするとその時間こそが、この舞台の魅力なのかもしれません。
観る人によって評価が分かれる作品であり、観終わった後に誰かと語り合いたくなるような脚本。
何が善で何が悪かもわからない混沌とした世界で、たった一人とでも心が通じ合うことは有り難いことです。
しかもそれが家族なら、どんなに尊いことか。