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「ブルーロック」を観て考えた、サッカーの強さと寄生虫の仮説
遅ればせながら、アニメ「ブルーロック」を観ています。
まだ第一シーズンの途中ですが、非常に考えさせられるアニメです。ちなみに私は、ワールドカップは観るものの、Jリーグにはほとんど詳しくないサッカー素人です。
このアニメは、才能ある高校生たちが一箇所に集められ、「最強のフォワード」を決定するために戦うというストーリー。しかし、最初にあらすじを聞いたときは、それほど興味がわかず、まったく観る気になりませんでした。
ところが、あまりにも評判が良いため、「せめて一話だけでも」と思い観てみたら……ドハマリ。昨日から観始めて、一気に12話まで観て力尽きて寝ました。
これを書いたら、また続きを観るつもりです。
「ブルーロック」を観ながら思い出したこと
「トキソプラズマの感染率が高い国ほど、サッカーが強い」
そんな話を聞いたことがあります。
トキソプラズマ症は、トキソプラズマ原虫という寄生虫に感染することで発症する感染症です。感染経路としては、感染した猫の糞便を口にしたり、加熱不十分な肉や汚染された水を摂取したりすることが挙げられます。ただし、感染しても多くの人は無症状だそうです。
興味深いことに、トキソプラズマに感染したネズミは、猫に対する恐怖心が薄れる傾向があるといわれています。これは、トキソプラズマが脳内の神経伝達物質に影響を与えるためと考えられています。
このことから、「トキソプラズマ感染が人の行動や性格にも影響を及ぼすのでは?」という仮説が立てられています。感染者は、そうでない人に比べてリスクを冒すことを恐れない傾向があるかもしれないというのです。
トキソプラズマ感染率の高い国
トキソプラズマの感染率が高い国として、よく挙げられるのが以下の国々です。
ブラジル(約50〜80%)
フランス(約40〜50%)
アルゼンチン(約50%)
コロンビア(高率)
ドイツ(約40%)
スペイン(約30〜50%)
サッカーの強豪国ばかりですね!
このことから、「トキソプラズマ感染とサッカー選手の性格に関連があるのでは?」という研究が行われています。
つまり、
「トキソプラズマに感染すると、リスクを取る行動が増える」
↓
「攻撃的なプレーが得意になり、サッカーが強くなる」
こういう理屈ですね。
では、日本は?
厚生労働省の研究班による1990年代の調査では、日本人のトキソプラズマ抗体保有率は諸外国に比べて低いことが報告されています。
……残念。
でも、イングランドやオランダのように、サッカー強豪国なのに感染率が低い国もあります。
この時点で、「トキソプラズマ感染率が高い=サッカーが強い」という理論は崩れますね。
また、感染経路を考えると、清潔さの問題が大きく関係している可能性もあります。
上記の国以外に感染率が高い国には、インド、イラン、カンボジアなどがあります。
つまり、「感染率が低い=リスクを取らない人が多い」とは、一概には言えないわけです。
まとめ
「トキソプラズマ感染率が高い国ほど、サッカーが強い」という説は、
面白い仮説ではあるものの、単純化しすぎている部分があるというのが実際のところ。
日本の感染率が低いからといって、悲観することもないですね!