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書籍紹介②武器としての図で考える習慣: 「抽象化思考」のレッスン
2冊目の書籍紹介は、平井孝志先生のこちらの本。1冊目に続いて有名な書籍ですが、若手、中堅、ベテランまで幅広い人の参考になる本だと思います。
1冊目に続いて、私が参考になったポイントを独断と偏見でお届けします。
どんな職業の方でも役に立つ、「ピラミッド」をまずは是非、使いこなしてみて欲しいです。
0.そもそも「ピラミッド」って、どういうやつ??
書籍の内容に入る前に、まず「ピラミッド」って何か?を簡単に説明しておきます。
ここでいう「ピラミッド」はいわゆる「ロジックツリー」と呼ばれるものとほぼ同じものです。但し、「ロジックツリー」というと「フレームワーク」として使い方が限定されてしまうイメージがあるため、「ピラミッド」で考える、と呼んだ方が様々な使用方法に使える良い呼び方だと私は思っています。
よくある「ピラミッド」の使い方は、下記のように課題の深堀に使ったり、
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下記のように売上を要素分解して、事業の構造把握や、KPIの設定に使用するなど
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非常に使い勝手が良い図が「ピラミッド」です。私もこの書籍を読む前からピラミッドで考える、ということは日常的におこなっていましたが、改めてこの本を読んで学びがありました。
※ちなみに私の字が汚すぎるのでここではパワーポイントで図をつくって貼っていますが、実際に考える際は、紙に書き出してみるやり方をオススメします。あーでもない、こーでもないと紙を使って図解している方が、アイデアも広がり、頭の整理もついてきやすいです。ペンタブなどでも良いのかもしれませんが、「実際に図として描く」のが重要かと思います。
前置きが長くなりましたが、ここから、書籍を読んで参考になったポイントを5つ、お話したいと思います。ティザー的にご紹介しますので、この項目を読んだだけでは、ほとんど理解できないものも多いかと思いますが、気になった方は、是非書籍を読んでみてください。
1.ピラミッドの箱を追加して、なんとかアイデアを捻り出す努力をする(p.110)
ピラミッド構造は、体系だてて論理を組み立てるだけでなく、思考の幅を広げるフレームとしても使える、というお話。ピラミッドで考えることに習熟している方でも、こういう使い方をしている方は意外と少ないのでは?と思います。
※ちなみに、「ロジックツリー」という言葉を使ってしまうと、このアイデアを広げるという発想になかなか結び付かないのではと思います。論理を深める、物事を分析する、というイメージがついてしまいがちではないかと。
「なんとか」「捻り出す」という表現が実務家らしい表現で素晴らしいと思います。プランナー職の方はこの表現、共感できるはず。。。「ひねくれた目」で「視野狭窄を防ぐ」ということも書籍の中で語られていますが、これは中堅~ベテランになった際に、意識したいポイントですね。私も常にこれを肝に銘じています。
2.「WHYを5回繰り返す」で思考を「強制深化」(p.120)
こちらもピラミッド構造の使い方のお話。こちらの方がピラミッド構造で考える例として頻出ですね。ただ、5回繰り返すって実際やってみると結構苦しいんですよね。考えることに慣れてないと余計に。思考も筋トレと同じなので、やればやるほど慣れてきて楽になるので、最初は苦痛でも地道に積み重ねてみてください。苦しい時期を超えると、いつの間にか自然に出来ている時期がきます。(そしてまた苦しい時期がきて、それを超えたら楽になって、の繰り返しな気がします。いくつになってもトライ出来て楽しいですね。)
3.「視野を広げてくれる」ピラミッドの使い方(p.128)
1であげた「論理の幅を広げる」、2であげた「論理を深める」に続いて、ピラミッド構造、第3の使用方法は「視野を広げる」です。
ピラミッドで考えれば「細かく」なっていくのは理解しやすいと思うのですが、「広げる」ことに繋がるというのは、なかなか実感しづらいのではないでしょうか。
書籍の中ではこの使い方も分かりやすく記載されています。ロジカルシンキングの本等でも、この使い方は余り紹介されないのでは。。。私もこの本に出逢うまでは、こういう使い方はしていなかったので、目から鱗でした。
4.図を組み合わせて全体像を拡充する(p.255)
フレームワークを学ぶとその枠内で考えがちなのですが、誰かが考えたフレームワークは、皆さんが取り組む新しい課題にはジャストフィットしない場合もあります。そういった課題を無理にフレームワークにあてはめて考えようとすると、論理破綻がおきたり取りこぼしが発生することも。。。
「図で考える習慣」という言い方の良さは、既存のフレームワークにとらわれずに、図を組み合わせて、目の前の課題や目的にあった新しい構造を、自分で創り出すことへのハードルが下がることにもあるのでは。なんて勝手に思っています。
5.頭の中の「引き出し」を増やす(p.258)
学んだことを「図」として理解しておくと、応用がききます。というお話。
「フレームワーク」を図としてではなく学んでしまうと、「こういう時に使うのは」この「フレームワーク」といった硬直した発想になりがちですが、「図」として理解すると、非常に多くの案件で応用がきくようになります。
「フレームワーク」は先人の知恵だが、「魔法の杖」ではない、というお話が出てきますが、まさにこの、「フレームワークを勉強した上で構造化し、自分の引き出しに収納。いつでも取り出せるようにしておく」というのが重要です。
図で考える癖がつくと、「これって本来の使い方じゃないけど、これにも当てはまるよな」「このフレームワークとフレームワークって本質は同じだけど、枝葉の部分でここが異なるな。何故ここだけ違うんだろう?」等、一つのフレームワークから、色々な発想が生まれるので楽しいんですよね。
このnoteの終わりに
図で考える習慣の紹介といいつつ、図の紹介は、「ピラミッド図」のみの紹介になってしまいました。個人的に、これが考える力をつける上での土台として、非常に重要だと思うので。後は、図にならなくても「とりあえず要素分解しまくってみる」⇒「分解したもののレイヤーをそろえる/カテゴリ毎にまとめてみる」というのも、考えることが苦手な人にはお勧めです。書籍の中だと「田の字」の話になります。これも基礎として超重要。
もちろん、書籍の中では他の図形も紹介されてますので、気になった方は是非読んで、実践してみてください。※頭の中で図解するのは最初は難しいと思うので、前述の通りノートなどに図をいっぱい書いてみるのがオススメです。「考えるのって楽しい!」ということを、是非実感頂ければと思います!